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霊能長への訪問

入院して、何もやることがないので、その間に霊能長へ報告をしに行くことにした。


B5Fへ、向かうと大きな扉があり,横には呼び出しのベルが置いてあった。

そのため、ベルを鳴らそうとした時にビリっと電気が走った。

(痛!!なんだよ?)

『ヒョッヒョッヒョ。久々に引っ掛かったやつがおるの。とりあえず、入りなさい。扉は空いてるからの』

扉を開けると、そこには背が低いが,眼光が鋭いお婆さんが座っていた。

『どうも、初めまして。九頭 道生です。』

『笑って、すまなかったの。ずいぶん昔に仕掛けたオモチャだったから、皆引っ掛かる者はいなくての。私の名は、神楽(かぐら) (しの)だの。お主の事は、聞いておる。それでは、今回の報告をしてほしい。』

俺は、今回の出来事や、それぞれの能力などを事細かに話した。ヤバタの能力は、いまだ分からなかったようなので、今回の報告は助かったようだ。

『ほほぉー。ジャミングとは、なかなか良いではないかの。そしたら、彼の贖罪は、決まったの』

『ヤバタ達は、どうなるのですか?』

『まー、巻き込まれたといえ犯罪に加担したのだから、罪滅ぼしをしなければならんの。

だが、折角の能力を牢屋で過ごすよりも、人助けに使った方がいいであろう。彼には、やってほしい仕事が沢山あるから、それを当てよう。

他の3人も、それぞれ、こちらで預かっておるの。未成年二人は、まずは学校に行かせておるの。そこで、義務教育と能力の使い方を学ぶであろう。もう一人の女性だが、もう会ったであろう。』

『はぁ?!どこでですか?』

『そなたの担当医ではないか?』

俺は、驚きを隠せなかった。しかし、ここで疑問が生じた。確か、彼女はマリア=ダルクという名前だったはず。それに、護送される時にみた髪の色も金髪であったはずだ。

『雰囲気というか、だいぶ印象が、違うのですが。』

『そりゃ、年頃の女性があんなボロボロであれば、そうであろう。』

『髪の色も違うではないですか?名前も』

『彼女は、そもそも孤児で操られて無理矢理こちらに連れて来られたのからの。こちらで引き取ったのだよ。彼女の希望で、新しい戸籍と名前を作ってあげたの。まー、優秀な子だから、私としては、大助かりだの。ちなみに、髪は皆と同じが良いとの事で染めてるだけだの。』

(なんてこった。今まで気付かなかったなんて。穂乃果先生とお近づきなれるかもしれなかったのに。)

俺は、火輪と真冬の顔を思い出し、やはり今のままでも良いかと、気持ちを切り替えるのであった。


それから、クリス教諭の犯行についての話も教えてくれた。本当は、極秘らしいが、事件に深く関与してしまったのでサービスみたいだ。


クリス教諭は、あらかじめ孤児や家族と離れて暮らしている者を対象に犯行を重ねていたようだ。しかし、能力を持っているのが分かれば、手段を選ばなかった。家族丸ごと傀儡にすることもあったそうだ。

また、彼の能力では、洗脳し操るまでは、簡単にはいかないようだ。彼の所持品から、術具が多数押収されたので、裏に犯罪組織が関与があったようだ。術具の見返りに、臓器売買を斡旋していたようだった。


わざわざ、この事を話してくれたのは、もう一つ理由があった。犯罪ルートを一つ潰した事で、逆恨みで狙われる事もあるようだ。ある程度、防衛できるようにしないといけないと思うのであった。


報告を終えて自分の病室に戻ると、ベットに寝転んだ。そして、倒れた時の事を思い出していた。


(茉莉花の言う通りだったな。ステータスは、霊力を高めれば、有用だな。けど調節しないと危険だ。あの情報量はヤバかった。ある意味、霊力不足になって良かったかもしれない。

下手したら精神が侵されるくらいの情報量だった。とりあえず、無駄な情報も多いのも分かった。うまく活用できるように、能力も探っていければいいな。)

色々考えつつ、ボーっと天井を見ていると真冬がやってきた。

真冬の能力は覚えていたので、そのことについて話をした。


『にゃるほど。クズさんの霊力を高めるのも、大事なのにゃ。でも、無理しにゃい範囲にゃの。』

『分かったよ。ところで、真冬の能力なんだけど、いつもの獣化が部分獣化で、猫になってるのが完全獣化なのか?』

そういうと、真冬は猫に戻って念話をしてきた。どうやら、舌足らずで話すのは、まだ慣れてなく恥ずかしいらしい。

『これは、猫に憑依してるだけで、完全獣化でも憑依獣化でもないと思う。本来の人型から部分的に獣化を進めれば、完全獣化が出来ると思うの。

獣化の割合で、理性がなくなって闘争心や本能が強くなる感覚はあるわ。憑依獣化は、これから試してみないと分からにゃい。』

(あっ、最後噛んだな。)


しかし、ここで突っ込まないのが紳士だと思い、流して話す事にしていた。

『そしたら、穂乃果先生の許可が下りたら、試してみよう。』

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