覚醒!?
地下で、俺の半身が消えたため、急いでヤバタは、クズを探すのであった。
(ヤバい、ヤバい。これ以上、ミスをするとアイツは朱美に何をするか、わからないぞ。)
そう思い、地下を探ったが見当たらないので、外に出るのであった。
(なんだ、どうなっているんだ。それに、朱美がなんで、ここにいるんだ?)
『君は、大人しくしてなさい。私は今、研究で忙しいのだよ。こんなにも、能力者がいるのだから。』
そういうと、朱美がヤバタに向かって、針を飛ばしていくのであった。しかし、ヤバタまで届くことはなかった。寸前の所で、止まっていた。朱美は、無表情のまま涙だけが流れていた。
『この役立たずが。くそ!お前に感情などいらないんだよ。いつも通り、言うことを聞きなさい。』
そういうと、クリス教諭は、朱美の頬を叩くのであった。
それを、見た瞬間、ヤバタはキレていた。大事な妹を、助けるどころか、道具として扱っていた事に。
なにより、手を上げた事が許せなかった。
そして何も考えず、クリス教諭に向い、殴りかかっていた。
『馬鹿ですか。ほら、結界で弾きなさい。』
バリーン!!!ガッ!!!
結界が意図も簡単に破壊されるたのだった。そして気が付いた時には、クリス教諭は殴られていた。
心情:何が!?何が!!!起こった?確かに、この子は、私がいくら能力をかけようとしても、かからなかった。何なんだお前は!!やめろ。やめてくれぇーーー。
そこで、クリス教諭の意識は、飛んでいた。ヤバタの拳は、止まらなかった。
これ以上、殴られると死んでしまうかもしれないので、ヤバタを抑え込むのであった。
そして、操られていた二人は、クリス教諭が意識がなくなると同時に動きが停止した。そして、虚ろな目で、たたずんでいるだけであった。
火輪は、霊力を高めていたが、目の前の出来事に呆気を取られていた。
心情:えぇぇーーーーーーー。私の出番は?折角、霊力を高めたのに。
『ヤバタ!!ヤバタぁーー!落ち着け!』
『ヤバタさん、少し黙りなさい!!!』
火輪が、そういうと落ち着きを取り戻すのであった。さすが、キレても火輪神には、従順なようだ。
とりあえず、クリス教諭は拘束した。火輪がいうには、ヤバタも霊能者だと言うことだ。
『火輪様に言われても、そのような力はありません。』
『あの結界を破るのは、並大抵では無理。』
『そういえば、ヤバタに対して、君も大切なベイビーとか言ってたな。』
そういって、俺はステータスを駆使するが、まったく反応しない。そればかりか、真冬にかけたダブルも気付かない内に解除されていた。
『もしかしたら、能力を無効にするような能力かもしれない。能力が使えないぞ。火輪、なんか簡単に霊力で火の球とか作ってみてくれないか?』
『任せて。ん??あれ、なんだろ?上手くできない。』
『そしたら、ヤバタ。自分の周りにある霊力...まー、力を身体の内側に抑え込むようにイメージしてくれないか?』
『クズ、こんなか?』
『そしたら、火輪、もう一回頼む。』
『おっけーー。』
そうすると、火輪は、小さい火球を作り出していた。
『あれぇーー。いつもより小さいけど、出るようにはなったね。』
『完全な無効化ではないが、それに近い能力だな。そしたら、ヤバタ、朱美ちゃんと守くんに対して、さっきの力を当てるようにするか、触れてみてくれ。』
言われるまま、ヤバタは行うと....。
『お...お兄ぃ?』 『あれ、僕は何して?』
2人は、正気を取り戻すのであった。
『朱美?お前?意識が?分かるのか?俺の事....』
『はぁ??お兄ぃは、お兄ぃでしょ!?何言ってんの?』
『あの僕は?なんでここに?』
守が、疑問を問いかけたが、兄弟の感動のシーンだったので、火輪や真冬がジト目を投げかけると、黙って俯くのであった。
(あぁーかわいそうに、彼も苦労したのに、タイミングが悪かった。しかし、マリオネットの能力は、精神も操るのかな?)
その後、クリス教諭を連行するのに、火輪が仏霊会に連絡をとった。
霊能者の犯罪は、証拠が出ないこともあり、特例で権限は警察や裁判所を通さず仏霊会に一任しているようだ。裏を牛耳っている感じがし、あまり深入りはよしたいものだ。
そして、ヤバタも連行されていく。守と朱美は保護されるが、行くところは同じみたいだ。また、もう一人、地下で監禁されていた女性も護送されていくのであった。
マリア=ダルク (25)
職業:無
能力:不明
悩み:無
解決策:無
心情:無
(何も分からないな。まだ、意識が戻ってないのかもしれない。)
『クズ、迷惑をかけたな。騙されたとはいえ、罪は罪だからな。』
『兄が、ご迷惑をおかけしました。私も一緒に罪を償います。』
『僕も同じです。操られて、他の方を巻きこんだと思いますし....』
『先輩、私は護衛もかねて一緒に行くよ。一応、報告しなきゃだし。後日、先輩も呼び出しが来ると思うよ。』
『了解。皆、気を付けてな。火輪、ヤバタを宜しくな。情状酌量とかさ...あるだろ。』
『うーん、その件に付いては、私は専門外だけど、出来るだけで配慮してもらうように努めるよ。』
『ありがとう。』
そういい終わると、護送されていった。
『それじゃあ、俺らも帰ろう。』
そうして、真冬と帰るのであった。