飲み会
今日は、久々に飲み会の日だった。最近は、ダブルの能力があるので、大学やバイトの生活が楽になっていた。お金は、別でも稼げるようになってきたが、バイト自体は楽しい環境なので、辞めないで続けている。
そして、いつもはバイトで飲み会をパスしていたが、ダブルのおかげで、今日は久々に参加する予定だ。まー、面子はいつもの五人だ。だいたい来れる人で飲むのだが、皆が揃うのも久々であった。
大学の中庭で集まり、そこから近くの飲み屋に行く予定である。
中庭に行くと、もう3人集まっていた。
小手川 真里 (こてがわ まり)-------------通称 コマリ
外野 香 (そとの かおる)---------------------------通称 ガーヤ
二木 りょう (ふたき りょう)------------------------通称 ニキ
『おーす。久々だな。クズ』
ニキが声をかけて、コマリ・ガヤも気付くのであった。
『おっ。元気ー?最近、噂になってたね。後で詳しく。』 コマリ
『ヤバタは現地だから、早くいこーよ。』 ガーヤ
『おーす。遅れたわ。それじゃ、行くかー。いつもの所だよな??』
そうして、談笑しながら歩いていた。
『あれあれぇー。クズ先輩だ。私の知っている先輩は、ボッチのはずなのですが?』
そう言いながら、火輪が話に入ってきた。
『あはは、噂の人じゃん。確かにー、基本ボッチ』 コマリ
『あれ、この子って大学で有名な子だよね!?』 ガーヤ
『火輪ちゃんだよ。信者が多いんだぜ。ってか、クズ...やっぱ、そういう仲なのか!!?』 ニキ
『違うわ。今日はなんだよ。これから飲みがあんだから未成年は帰りなさい。』
『冷たいなー。後輩から話しかけてるんだから。喜んだらいいのに。いいなー飲み会...』 火輪
『火輪ちゃんも来ればいいじゃん。大学生なんて皆飲んでんだし。』 コマリ
『そだねー、うちら来るもの拒まず、去るもの追わずでしょ。早くいこーよ。ヤバタ絶対飲み始めてるって。』 ガーヤ
そうして、火輪も参加することになった。
現地に着くと、ヤバタこと(山端 久 やまばた ひさし)は1人で飲みながら待っていた。
入ってくる、俺らをみて第一声を放つのであった。
『火輪さまぁーーー。』
『『『『うわっ!!ここにも信者がいたとは。』』』』
全員が同じことを思うのであった。
信者がいたので、早々に火輪との関係は、ただの友達と説明しておいた。出会いなど色々詳しく聞かれたが、火輪が話をでっち上げていた。簡単にいえば、真冬の件を自分とすり替え、ストーカーから守ったって事になっていた。
『へぇー、クズも、意外とやるんだね。見直したわ。』 ガーヤ
『それが、俺であればぁ‐‐‐』 ヤバタ
『でも、こんな可愛い子が大学で話しかけてくれるなんて、うれしいじゃない?』 コマリ
『まー、嬉しくないわけじゃないが、周りがな....。』
そういって、ヤバタを見て皆が納得するのであった。
『なんで、そんなに人気があんだ?話と実物が全然違うだろ。』 クズ
『そこなんだよ。俺も話してイメージが変わったかな。クールビューティーって騒がれてたから寡黙だと思っていたよ。』 ニキ
『あはは、それは入学当初に勧誘が、しつこくてシカトしてたら勝手にクールビューティーって言われちゃって。変な人も寄り付かないし丁度いいかなぁーって。』 火輪
『逆に、それで人気になっちゃったんだ。信者も多いし』 ニキ
『俺も別に信者ってわけではないぞ。たまたま、火輪様に道端の虫を見るような目で見られてから目覚めただけだ。』 ヤバタ
その発言で、火輪に冷たい目をされて、ヤバタは昇天するのであった。
『新たな境地へ旅立ったか。』 クズ
『そういえば、信者っていえば、大学の臨時教諭の先生が噂になっていたな。』 ニキ
『あーそれ知ってる。なんか優しくて男前だから人気みたいだよ。それに教会で慈善事業もしてるとか』 コマリ
『あの西洋史の先生ね。大学で見たけど、確かにイケメンだったね。』 ガーヤ
『あぁー、あいつかーあんまりいい噂もないがな。何人かそいつのファンが行方不明らしいぞ。現に俺のクラスの何人か来てないみたいだし。講義をサボるやつもいるけど、居なくなったのが必ず受講してた奴だったからな。』 ヤバタは、正気に戻り話に参加していた。
『ヤバタも受講してたのか?詳しいみたいだが。』 クズ
『あーそうだよ。あんまり合わなかったけどな。なんか変な感じがしたんだよな。ポワーっていうのか、なんか眠くなりそうなんだよ。まっ偏見かもしんないけど。現に大学に来なくなってるやつもいるのは確かだよ。』 ヤバタ
『まっ、この話はいいだろ。あんま楽しい話じゃないし。あくまで、噂だから。』 ニキ
その後、他愛もない話で、盛り上がって解散をした。
時間も、23時を過ぎていた。もう一人の俺が、すでに帰宅している時間なので人がいない事を確認し、ダブルを解除して家に帰宅するのであった。