エリスはティファと関わりたくない
爛れた男女関係にティファ驚愕。
「はぁ?アズラエルの門を、誰かが意図的に開かせている?」
「恐らくな。この石の仕組みを知ってて、そこら中に配り歩いてる奴がいるみぇだぜ?数打ちゃ当たるって奴だな」
え?何よそれ。
そんな馬鹿、ナシェス様以外に存在するの?
あ、これは例えよ?ナシェス様はそんな事してないわ。
あの人とことんティファ馬鹿だったから。
「マリーが危うく被害者になりかけてっから、ちゃんと調べた方がいいと思ってよ?」
人からでなくても強い魔力に反応するから、確かに危険ね。一度ここで扉が開いたという事は、また開く可能性もあると言う事だものね?
ん?誰かがこちらへ歩いて来るわね?アレはティファ?
「おい。なんか来たぞ。どうするよ?」
「無視よ無視。あの女に関わっていい事なんて今まであった?」
「ねぇな?寧ろ災いしかない」
さぁ。素知らぬふりでそのまま通り過ぎるのを待つわよ。
絶対に気を抜くんじゃないわよ?ラット!!
それにしても、なにかしら?あのキリッとした顔は。
一直線にこちらに向かって来るけど?気のせいじゃないわよね?決してあっちを見ては駄目よ。絶対良からぬ事考えてるわあの女。いや、何も考えてないかも。
「・・・・・・ササラ様。目を覚ましましたよ?」
「え!」
「おい。エリスよ?」
はっ!しまった。つい反応しちゃったわ!
ずっと目を覚まさないみたいだから、気になってはいたの。一応お世話になってたしね?
「まだ本調子ではないみたいですが、とにかく無事です。それで、今回の騒ぎの事なのですが・・・」
「言っとくけど、私達は関係ないわよ?そもそもカスバールでは、あの石は一部を除いて全て粉砕処理したじゃない」
「はい。そうではなく、私どうもあれは人為的に起こった気がするんですよね?だって各地でも小規模な魔物の被害は出てますが、あんなに沢山の魔物が押し寄せたのは、このサンチコアだけみたいなんですよ?」
それは私も思ってたわ。
間違って扉が開いたとしても、あんなに大量のライスベガが一気に襲いかかってくるなんて、おかしいもの。
こちらがライスベガの住処を荒らしたのならともかく。
「宮廷にいた時、何か気付きませんでした?デズロさん意識のないササラさんから離れようとしませんでした。ササラさんって誰かに恨みを買ってませんでしたか?」
「はぁ?デズロじゃなく、ササラが?それは、ねぇんじゃね?」
「・・・・・いえ、そんな事もないわね?あの人、多分色んな方面から煙たがられてるわ。最初はデズロの息子だからだと思ってたけど、そうじゃないみたい」
「そうなんです?それで、誰が一番ササラさんを嫌ってました?」
何よ。なんでそんな事、私達に聞いてくるのよ。
そんなのわからないわよ。あ、でも。
「ササラを嫌いというか、ササラにやけに絡んでくる男はいたわね?でも、どちらかといえば恨むと言うより崇拝してるってるってのがしっくりくるけど。ササラではなくデズロが嫌いなんだと思うわ」
「その人、名前はなんと?」
「おい。なんで俺達がそんな事お前に教えなきゃなんないんだよ?面倒くせぇな?」
「え?私はここでは貴方達二人の先輩ですよね?後輩は先輩言う事を聞くものですよ?」
流石あの男の娘ね。
当たり前のように従えと要求して来たわ。怖!
「ジョーイと言う男よ。ササラの部下で、元々別の国の人間だったみたいよ。魔術師としてはかなりの腕みたいだけど、ササラやデズロに比べれば大した事はないわね。正直魔力の量だけなら私やラットの方が多いしね」
「・・・・エリスがそこまで言うという事は、その人と話した事があるんですよね?」
「ええ。ナンパされたもの」
「はぁ?お前ぇ相変わらず節操ねぇな?」
「好みじゃなかったから断ったけど。結構しつこい感じだったから覚えてるわ。ササラが気付いて間に入ってくれて、やっと諦めたみたいだけどね」
どこの国でも男なんて皆同じね?下心ミエミエなのよ。
でもこちらに来てからは露出の多い服は着てないのだけれど、何故か男から、いやらしい目で見られるのよね?
面倒くさいわ。
「それって、いつ頃です?」
「結構前ね?私達が捕まってすぐに声をかけてきたわ。私を助けてあげるってね?」
「はは。そいつは面白れぇ!あのデズロからどうやってお前を助けるつもりだったのか、聞いてみてぇもんだ」
本当よね?私達でさえ逃げるの諦めたのに、どうやってデズロを出し抜くって言うのかしら?まぁ本気で言った訳ではないと思うけど?
「・・・・・あの。その後、エリスとササラさんて何かありました?その、つまり・・・・」
「おいおい?ティファ幾ら何でもそりゃねぇよ?ササラがこんなガキ、手を出す訳ねぇだろが?」
あら?なんでバレたのかしら?その事は私とササラ以外誰も知らないパンドラの箱だった筈ですけど?
「・・・・・・・え?おい?嘘だろ?」
「ラット。どんなに真面目な皮を被ってても所詮男なんて皆ケダモノよ?あんたはまだ子供だからわからないのね?あの宮廷でどれだけの男が私に言い寄って来たと思う?」
成る程ね。
ティファが気付いたって事はデズロもとっくに気付いてた可能性が大ね。私達をあそこから出したのもコレが原因の一つかしら?納得したわ。
「あ、あの。私そこまでは・・・ただ、もしかしたら誤解されて逆恨みされたのかと・・・」
「誤解じゃないわよ?実際、関係はあったし?」
ティファ?何よその顔。何あんたまさか・・・・。
「何よあんた、まさか一度も男と付き合った事ないわけ?私より年上なのに?アハハ!」
「ぐはっ!!」
ぐは?ちょっと?何?ジリジリこっちに近づいて来ないでよ!その手の構えは一体?ワキワキさせんじゃないわよ!
「けしからんです!!やはりその大きな胸がいけないのでは?ちょっとこっちに来て確かめさせて下さい!!」
「ひっ!!何言ってんの?ちょ、ちょっとあの女、頭おかしいんじゃないの?こっち来んな!」
ティファの後方で様子を見てる男共!この女止めなさいよ!!ちょ!痛い痛い!!触んなボケェ!
「ちょっとティファ!?何してんのよ!男共が見てる前で!!エリスを離しなさい!!」
「止めないで下さいベロニカ!エリスの為なのです!自分の胸がどれ程の影響力があるか。思い知らさなければ!危険ですよ!」
「お?エリスの胸をもぎ取るつもりなのか?えげつねぇな?エリス頑張れ!」
「ラット!?助けなさいよ!!こいつ間違いなく頭おかしいわよ!ベロニカ!!」
もうラットなんか頼りにしないわ!頼れるのは、頼れるのはぁーーー!!
「阿呆がぁ!!やめなさい!もう私のご飯食べさせてあげないわよ!!」
「グハァ!!嫌ですベロニカ!!私言う事聞きました!手を離しましたから!!」
ベロニカーーー!あんただけよ!私二度とあんたに逆らわない!!お願いだから、この馬鹿一生押さえつけてて下さい!




