ティファは手厚く看病される
皆さん大変です。
私失敗してしまいました。
セラさんを助ける事ばかりに気を取られ、宿舎の皆さんのご飯の事、すっかり忘れてました。忘れて2日もグースカ寝てました!なんという事でしょう。
先程目が覚めて呆然とその事を聞いた私、ティファであります!
しかも、起き上がろうとしたら鬼の形相でハイトさんに止められる始末。怖くてここから動けません!ブルブル。
「あ、ちゃんと言う事聞いて大人しくしてるわね?流石ハイト」
何が流石なんですか!!私怖くて動けないんですけど?これ冗談ではなく割と本気ですからね?
だってハイトさん笑顔で「じゃあ僕一日中ティファから離れないけどいいかな?大丈夫、仕事なんて何とでもなるからね?」って言うんですもん。
何とでもって、どうするつもりなんです?ゾッ。
「お腹空いたでしょ?ほら、ご飯よ。リゾットにしたから」
「え?もしかしてベロニカが作ってくれたんですか?」
「・・・貴方が動けないんだからしょうがないわね?」
え?ベロニカが私の為に?何ですかそれ、ベロニカ大丈夫ですか?もしやあの時頭でも打って?
「ほら、手、力入る?」
「・・・・・・入りません」
「・・・本当でしょうね?」
「はい!ベロニカ食べさせて下さい!!」
これはデレないベロニカに思い切り我儘が言えるチャンスです!!私病人なんで優しくして下さい!!
「しょうがないわねぇ。ハイト!!」
「はいはーい?何?ベロニカ」
「ティファ手に力が入らないみたいだから食べさせてくれる?私忙しいの」
「そうなの?いいよ?替わる」
なぬ?
ちょっ!ベロニカ酷い!病人にこの仕打ち!!
「べ、ベロニカ!が、頑張れば一人で食べれますよ?」
「(やっぱりね)あら?無理しなくていいのよ?ハイトもいいって言ってくれてるし?病人は無理しないで?」
ベーローニーカー!!!
これは絶対仕返し的な何かですね?
分かりました、受けて立ちましょう!
後で覚えてやがれです!
「じゃあティファ?はい、あーん?」
「・・・・・・・・あぅ」
はい、あの、えっと。無理?
「は、ハイトさん。ハイトさんにそんな事して頂くわけには・・・私、その、一人で・・・・・」
「ほら。食べないと元気になれないよ?早くベッドから出たいでしょ?」
う、ううううう!恥ずかしい。
なんで、ですかね?私ハイトさんと、こういう事するの顔から火が出そうな程恥ずかしいんですが?でも、食べるまで引き下がらなそうです。えーい!!パクッ。モグモグ。
美味しい!!ベロニカ腕を上げましたね!じゃなく!!
「あ、あの食べましたよ?だから、外に・・・」
「駄目だよ。明日お医者さんが来るから、先生が良いって言うまで大人しくしてて」
「でも、少し動くくらいーーーーっ」
あ、しまった。もしかしてハイトさんまた、ご機嫌斜めでした?思い切りベッドに押さえつけられました。めっちゃ上から睨まれてます。えっと取り敢えず謝っときます?
「じゃあ試してみる?僕から逃げられたら外に出してあげるよ?」
「ハイトさん?」
ハイトさんの顔がどんどん近づいてきますが、コレは一体どういう事でしょう?あまり近づかれると、顔がくっついちゃ・・・・う?・・・・・え?
「ハ、ハ、ハイトさん?あの?あの?ストッープ!」
「もっと本気で抵抗しないと。そんなんじゃ僕から逃げられないよ?」
ぎょえーーーーーーー!!イヤイヤイヤ?そういう意味?
違いますよね?私の思い違いだと誰か言って下さい!!
しかもハイトさん結構本気ですからね?本気で押さえつけられてます!私やっぱりけっこう身体弱ってました!認めますから!その顔を近づけないで下さいーー!!もう、見てられないです!ギャーーーーー!!
ドサリッ
ん?ハイトさん?寝ちゃいました?
「・・・・・ハイトさん?重いんですが?」
「本当酷いよね。ティファって」
え?突然非難されました。物申したいのはどちらかと言えば私の方なのですが?
「どんな気持ちで、あの時ティファ達を見送ったか、少しでも考えてくれた?帰ってこなかったら、飛び込んで行くって、いったよね?」
「・・・はい。ご心配をおかけして、すみません」
答え間違ってなかったですよね?
私の事を心配してくれたんですよね?・・・本気で。
「ハイトさん?」
「・・・・良かった。・・・・無事で」
「・・・・・・はい。無事に、帰って来ました」
一気に罪悪感が・・・。
ハイトさんイジケてしまう程、私の事心配してくれたんですね?ごめんなさい。ちゃんと考えなくて。撫で撫で。
「ティファ。・・・・もっと」
「はい。ハイトさん」
そうです。ササラさんも言ってました。
私、自分が人からどう思われてるかなんて考えた事あったでしょうか?ない気がします。撫で撫で。
「私、人から心配された経験があまりなくて、上手く返せないんです。ごめんなさい」
「うん。・・・わかってる。ゆっくりでいいよ」
胸の辺りがじんわりします。
そうですね。ハイトさんはきっと私より私の事、理解している気がします。だから、ちょっと怖く感じるんでしょうか?撫で撫で。
「ティファは、今のままでいいから」
はい。でも、次はもうちょっと上手くやりますね?
だから、そんなに怯えないで下さい。私結構、しぶといですよ?そんな簡単に死んだりしませんから。




