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マッジンは失敗をおかす

「で?ギャドの奴、恋人のフリやめるって?」


メルロー。お前は本当にとことんティファの周りを掻き回したいんだな?今フィクスの顔が引きつったぞ。


「はい!なんでも、セラさんと婚約が決まったようで、振られちゃいました!」


ティファ。

それは冗談なのかな?それともマジなのかな?

なんかそのセリフで空気が一気に重くなったんですが?


俺ティファの底が見えなくて毎日ドキドキしてるんだけど?あ、決して恋してるとかではないです。一応。


相変わらずティファの美味しいご飯にあり付きながら同僚の動向をハラハラしながら見守る日々を送るマッジンです。


「あのね、あんなの振られたとは言わないよ?」


「・・・・私、実はあれから気になっている事があって。やはりギャドさんは巨乳がお好きなのでしょうか?」


シーーーーーン。


ティファさん。今この場には男性しかいません。

答え辛い質問は控えて頂きたい。


「そうかもな?男は結構巨乳好き多いからな」


勇者がここに!

メルロー、お前凄い。初めてお前を凄いと思った。


「やはり、私。小さいのでしょうか?」


「「「・・・・・・」」」


ティファさん?もしかして君、俺達の事、全く異性として意識してないね?駄目ですよ。そんな事、平然と聞いたりしたら。


「うーーーん?どうだろ?服の上からじゃ分からないな」


「え?そうなんですか?男の人って見ただけで分かるものだと思ってましたーー!」


え?何ソレ。そんな事分かる奴は真性の変態ぐらいだよ。

それにしても男に対する偏見が酷いな。一体誰からそんな事聞いたんだよ。


「・・・ティファ。そんな事ずっと気にしてたの?」


「そうですね!やはり私も女性ですから!スタイルを維持し努力を怠らないのも女子の務めだと教わりました!」


「誰に教わったの?」


「野菜売りの奥様に!」


おばちゃーーーん!!貴方よく、そんな事言えましたね?豊満を通り越して肥満気味の貴方がティファに向かってどの口で?


「・・・ティファは充分スタイルいいんだからさ?胸の大きさなんて気にしなくていいよ」


「フィクスさんは胸が大きい女性。お好きですか?」


「・・・ティファさん?もうこの話やめないか?」


不憫。フィクスがあまりに不憫すぎる。

そもそもこの話の元凶がさっさと帰るからこんな事に。

ギャドの奴、絶対逃げたな。


「そんなに気になるならアイラ嬢とかベロニカに聞いてみたら?女性同士分かりやすいんじゃね?」


「・・・それが、女性の大きいと男性の大きいは全然違うらしいのです。今まであまり気にしてなかったので、基準がわからず」


いや、いいよ。そんなの分からなくていいって。そもそも男だって胸を見て相手を選ぶ訳じゃないから、ごく一部を除いては。


「うーーん?じゃあ異性に見てもらうしかないな?俺見ようか?」


メルロー!!!!!お、お前なんて恐ろしい事を!

やばい!フィクスも隣のハイトまでさっきから異様な空気出してるし、これ、どうしようかな。


「マッジンさんはどう思いました?私の胸小さかったです?」


「え!?そ、そんな事ないけど?標準じゃない?」


「本当ですか?小さく無かったですか?」


「だ、大丈夫。それよりティファ。そんな話男の前でしたら駄目だ。皆んな困ってるだろ?」


ほら、皆んなこっちをガン見して・・・・・・・ハッ!!


「・・・・ちょっと待って?マッジン、どういう事?」


し、しまった。つい反射的にティファの問いに答えてしまった。ずっと隠し通していたのに。


「え?嘘だろ?お前まさか。その、ティファの胸、見た事あんの?」


だぁああああああ!!!決してわざとでは!不可抗力だぁ!!


「ティファ?なんでマッジンに?二人付き合ってるとか?」


「え?違いますよ?私の鍵の締め忘れでお風呂場でバッタリしてしまいました!あはは!」


ティファァァ!!!俺もう頭抱えていいかな?

なんで俺答えちゃったんだろぉぉぉ?つい、ノリで。


「ちぇ〜なんだそれ羨ましいなぁ。俺も見たかっっっぶべ!!!」


あ、あの?フィクスは分かるけど、ハイトまでどうした?なんか、見たことない顔でこちらを見てるんだけど?あと、その。机に押さえつけてるメルローを、解放してあげて下さい。顔の形変わっちゃう。


「マッジン。まさか全部見た訳じゃ、ないよね?」


「は、はい?」


「ハ、ハイトさん。大丈夫ですよ?私ちゃんと下着、着けてましたよ?すっぽんぽんじゃなかったです!(キリッ)」


フォローになってないよ!確かに見ちゃったけど、わざとじゃないんだ!信じて!


ガシッ。


「マッジンの事だから、わざとじゃないと信じてるよ?でも、今すぐ記憶を抹消シヨウカ?」


ハ、ハイト。ハイトー?痛い痛い!おでこ割れる!冗談じゃなくマジで。


「ハイトさん。あの、何か怒ってます?マッジンさん、決してわざとではないですし、その後すぐ謝罪して頂いてますから・・・大丈夫ですよ!」


「・・・は?」


「お、おい?ハイト?」


イテテテテ。助かったけど、ハイト一体どうしたの?

いつもならこんな事で怒ったりなんか・・・・・。


「男が大勢暮らすこの宿舎で生活しているっていうのに、危機感が無さすぎるんじゃないの?ティファ、僕はマッジンにじゃなく君に怒ってるんだけど?」


嘘だ。俺にも怒ってたよね?とんでもなく。

全然気がつかなかったけど、もしかしてハイトってティファの事?いや、そんな訳。


「・・・・・・・(ニヤニヤニヤ)」


あったーーーー!そんな訳あった!

道理で。最近ヤケにメルロー、ハイトやティファに絡んで行くなとは思ってた!


そういう事なの?じゃあ俺もうこの時点で終わりじゃない?騎士生活終了のお知らせ?


「でも、あれから必ず鍵のチェックは怠っていませんよ?失敗は一度だけです!」


「その一度の失敗が命取りになる事を分かってないから怒ってるんだけど?ティファはさぁ?自覚がなさすぎるんだよね?自分が被害者になる可能性があるって考えた事ある?」


「待てハイト。それ以上は言い過ぎに・・・」


「ありますよ?実際何度もそんな場面に出くわしましたから」


ーーーーーーーヒッ!

ティファ。それは。火に油を注ぐ行為に等しい。


ダァァァァァァァァン!!


「だったら、もっと気を付けろよ!!」


「ーーーー!」


シーーーーン。


あ。俺、死んだフリして、いいっすか?

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