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陛下は引退を考えている

陛下は三人の素晴らしい息子達がいます。

サウジスカル帝国。自由さ、無限大。

「陛下、貴方はまだお若いのですからもう少し頑張られたら如何ですか?」


皆の衆ご機嫌いかがかな?

ちょっと王様らしく挨拶してみた。最近舐められっぱなしのサウジスカル帝国皇帝エルハドだ。本当に久しぶりだな?突然だが私は帝位を辞そうと思っている。


「何を言っているんだ。お前の歳に私は既にこの国の皇帝だったのだぞ?遅すぎるくらいだ」


「・・・もう働きたくないからでしょう?そしてお母様と旅行に行って帰ってこないつもりですね?」


ギクッ。やはりバレたか。

だが、それだけではないぞ?


「私が元気なうちにお前に継がせたいんだ。デズロの事もあるし色々と大変だろう?」


「そうですが。貴方が皇帝だからデズロ様が大人しくしているのでは?私では抑えられませんよ?」


「だから、私が元気で動けるうちにと言っている。何かあった時、私が側にいないと面倒になるだろう?」


政務をこなしながらデズロの監視など出来るか!

私はこの数年間で身も心もボロボロだ!少しくらい休ませろ!


「・・・そうですね。では、誰がこの国の皇帝になるか三人で決めてもいいですか?」


「ん?どういう事だ?」


「皇帝は長男がならなければならない訳じゃないですよね?実は前々から話し合って決めてたんですよ。皇帝を決める時は三人で平等に話し合うと」


お前達相変わらず仲良いな?


父ビックリだぞ?普通王族の兄弟はその地位を奪う為、争ったりするものだぞ?話し合いで決められるものなのか?


「兄様ー!呼んだ?」


「・・・何?何か用事?」


「父様が皇帝を辞めるらしいぞ。今こそ約束の時だ」


なんだお前達。ちゃんと話し合ってくれてたんだな?

そうかそうか、私は内心、皇帝なんて大変なだけだから継ぎたくないなーとか思っているのかと思ってたぞ?


「よし!俺結構自信、あるんだよなぁ」


「はぁ。恨みっこなしだからね?」


「準備はいいか?後出しした時点でそいつが負けだからな?」


「・・・・ちょっと待て。お前達何しようとしてる?」


息子達よ。父とても嫌な予感してるぞ?

まさか、違うよな?そうじゃないよな?


「「「恨みっこなーしよージャーンケーン・・・・」」」


待たんかコラーーーー!!!


「陛下!!大変です!サンチコアの街に魔物が出没しました!」


「何だと?それは本当か?」


「はい!既に街に住んでいる騎士達が討伐に向かっていますが、怪我人が多く出ております。いかかが致しますか?」


そんな馬鹿な。


魔物など瘴気が溜まる一部の地域にしか存在しない筈だ。

街に現れるなど聞いた事ないぞ?これは紛れもなく緊急事態だ。


「直ぐに救援の兵士と救護班を向かわせろ。あとギャドかハイトどちらかに此方へ来るように伝えるのだ。街の状況が知りたい。二人が街から離れられない様なら、ササラを向かわせてくれ。デズロは?」


「既に街に向かっております。あそこにはティファがいますから」


それは助かる。アイツ腰が重くて中々動かないからな。

本当ティファは素晴らしい。娘にしたい!


「陛下、城にもちゃんと兵を残して下さい。デズロ様が居ない間、貴方に危険が及ぶかも知れません」


「誰かが意図的に魔物を街に差し向けたと?」


「一応です。貴方の身に何かあってからでは遅いですから」


「私の身に何かあったら、お前達の誰かが皇帝になればいいだろ?構わない」


一斉に目を逸らすんじゃない!親不孝者共め!父ガッカリだぞ?これだから今時の若者は・・・・・ブツブツ。


「・・・ご冗談を。貴方の身に何かあれば私達がデズロ様に殺されてしまいますよ・・・」


「ん?なんだ?何か申したか?」


「・・・いいえ。では、私達も準備に取り掛かります」


さて、私はどうするかな。

とりあえず報告を待ち様子を見るか・・・・。


「陛下、間違っても、ここから出ないでくださいね?」


「・・・・そんな事は分かっている」


「兄様。私が見張ってますので大丈夫ですよ!」


何だそれは。私はデズロではないぞ?アイツみたいに気まぐれに飛び出して行ったりなど・・・・・しないぞ?


「陛下、今ではすっかり落ち着いてしまってますが、昔はデズロ様と好き勝手に暴れ回っていたのでしょう?忙しくて死にそうだと言ってますが、本当は暴れたくてウズウズしているのでは?」


「馬鹿な事を言ってないで行きなさい。私はここで報告を待っている」


同時に疑惑の目を向けるの止めてくれないか?

大丈夫だって言ってるだろう?私、皇帝だぞ?

せめてデズロと同じ扱い止めてくれ。


「過去に何度か事例がありますからね?信用出来ないですね?」


うっ!もう何十年も前の話、いい加減忘れなさい。

そしていい加減私を自由にして欲しい。


「貴方はこの国の皇帝なのですから、黙って座ってて下さい。行って参ります!」


はぁーー。本当にデズロが羨ましい。

私も好き勝手に魔物の討伐とか、行きたいんだ。

頭使うより体を動かす方が性に合っているんだがな。

やはりこの騒動が終わったら早急に皇帝の座を譲ろう。


ジャンケン以外の方法でな!

息子達よ、父そんな感じで帝位を継いで欲しくないから!!

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― 新着の感想 ―
[一言] エルハドちゃん、可愛い。 なんか男性陣、みんな可愛いよねー。
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