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ティファはハイトに振り回される

「ハイトさんお腹大丈夫ですか?」


「うん。流石に食べ過ぎたみたい」


それはそうですよ。


あ、皆さんお元気でお過ごしですか?

ギャドさん達とのピクニックが中止になり、都合良く登場したハイトさんと仕切り直し中の私、ティファです!


そうそう。お弁当四人分だったんですよ?まさか、完食するなんて思わないじゃないですか?

元々よく食べる人だとは思っていましたが、ハイトさん、驚異の胃袋をお持ちでした!


「ちょっと横になりたい。ティファ。膝貸してくれない?」


なぬ?

ちょっとよく分かりませんが。膝を、貸すとは?


「あの、どうやって?」


「え?普通に頭を乗せさせて欲しいんだけど?」


あ。そういう意味ですね?やっと理解しました!つまり枕がわりに私の太腿に・・・・。え?ハイトさん?冗談ですよね?ま、ま、ま、待ってください!


「あの。私太腿が驚異的に発達しているので乗せても後頭部を痛めるだけかと?」


「それ本当なら凄いよね?どんな感じか試しに乗せさせて?」


なーぜー?流れる様に頭乗せられちゃいましたが?ハイトさん。私、本当にハイトさんの事が分かりません。この後私、どうすればいいのでしょう?

あれ?ハイトさん笑ってらっしゃる?


「ティファって本当面白いよね?」


「え?そうですか?どの辺りが?」


あれ?教えてくれないんですか?凄く気になるのですが。

どの辺りが私面白いのでしょう?・・まさか、顔?


「せっかく好きな事して暮らしていけるんだから、我慢しなくてもいいんじゃない?ティファはもっと自分を甘やかしてあげないとね?」


「我慢なんてしてませんよ?毎日とても楽しいです!」


「そう?僕にはそうは見えないけどなぁ」


どうして急にそんな話に?本当に我慢なんてしてないですよ?でも、そんな風に見えているんでしょうか?

私は毎日皆さんの料理が作れてとても満足ですよ?


「たまには、我儘言ってもいいよ?あの時みたいに」


「あの時とは?」


「僕達の所に帰りたいって言ってたよね?」


ぎゃああああああああああ!!

やめて下さい!後から思い返したら恥ずかしい言動の一つじゃないですか!せっかく脳内からあの時の出来事を消し去っていたのにぃ。意地悪ですぅ。意地悪ハイトさんが召喚されましたぁ!ここは知らぬふりで切り抜けます。


「そうでしたか?思い出せませんね?」


「そうだね。サッサと忘れてしまった方がいいよ」


え?どっちなんですか?・・・なんでしょうね。なんだか妙な状態になってしまっていますが、いいんでしょうか?これではギャドさんではなくハイトさんが私の恋人みたいです。え?恋人みたい?私とハイトさんが?


「あ。そういえばさっきの手の繋ぎ方の話だけど」


嫌な予感がしますので、それ以上は自粛お願いします。

あ、あの下からじっと見るのやめて下さい。

ハイトさん。私、既に脳みそが沸騰しそうなんです。

沸騰させるのはお鍋のお湯だけでOKですから!


ちょっと、手を取らないで下さい。

間違って手首グキッてやっちゃいそうですからぁ!


「恋人はこうやって指を絡めるんだよ。恋人繋ぎ」


「・・・・・ほぅ。そうなんですね」


「「・・・・・・・・」」


くぁあああああ!何故そのまま放置ぃ?

手を離して下さいお願いです!


私恥ずかしくてハイトさんを直視出来ません。だ、誰か助けて!


「ティファはどうしてギャドのお願い聞いてあげたの?」


「うぇ!?あ、ギャドさんですか?あの、本当に困っているみたいだったので。政略結婚はどこの国でもありますが、必要ないのなら無理に結婚する必要ないと思いますし・・・」


私も似たような経験がありますからね?やはり無理矢理は嫌ですし、結婚は好きな相手とするものです!そういうものですよね?皆さんもそう、思いません?


「そっか。でも、もうやめなよ。一緒に行って分かったでしょ?」


「え?何がですか?」


「・・・・・・一緒に居て楽しくなかったでしょ?」


そうですね?楽しくは、無かったですが。そもそも目的が違いますね?それにあれは私達が企んだ事ですし。


「一応最後まで付き合いますよ。あの二人が仲良くなれるまで」


「・・・・・ごめんティファ。僕ティファの言っている意味、分かんないんだけど?誰と誰が仲良くなるまで?」


「ギャドさんとセラさんが仲良くなるまでですが?」


あれ?私、何かおかしな事言ってます?だってギャドさんがセラさんを苦手なままだと話が進みませんよね?


「ちょっと待って?セラ嬢を諦めさせる為ではなく?」


「彼女は最後まできっと諦めませんよ?ギャドさんが誰かと結婚するまで、ずっとあのままだと思います。それに、ギャドさんはセラさんを嫌いではないと思います。確かに無理矢理はいけないですけど、何もしないで決め付けるのはどうかと思うんですよねー」


まぁ私はそれで見事にケーキ、叩きつけられましたよ?

あ、いけません。余計な事、思い出してしまいました。

明日の昼食の献立でも考えて頭をリフレッシュさせなければ!!雑念よ、去れ!


「何だ、そういう事か。じゃあ僕も協力しようかな?」


「え?いいんですか?ハイトさんあまり乗り気ではなかったような・・・」


「それはだって。ティファが余りに軽率だから。好きでもない男の恋人役なんて簡単に引き受けるもんじゃないよ?」


好きじゃない?そんな事はないです。私は間違っていませんよ?


「好きですよ?ギャドさんはいい人ですから」


ハイトさん、なんでしょう?何か言いた気ですが、私ハッキリ言ってくれないと分かんないです。それと、誰かの足音が近づいてますね?あれ?


「お話中、御免ね?緊急招集がかかったからハイト急いで王宮に向かってくれるかな?」


「ササラさん?」


何故ここにハイトさんが居ると分かったのでしょう。

ありゃ?いつの間にか手も膝も解放されました!ホッ。


「休みは休ませて欲しいですけど」


「私も同意見だけど本当に緊急なんだ。街に魔物が出たんだよ」


「「え?」」


「だから、また次の休みにイチャついてくれるかな?」


うがぁ!!イチャついてません!なんか成り行きでまるで恋人同士の様な有様でしたが決して私達はそんな関係では無いのですよ?無いはずですよね?あ、無視ですか?


「じゃあ纏めて休み下さい。代休を申請します」


否定してくださーーい!誤解ですからーー!!

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