表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/145

ヨシュアは出来る子である

まったくよ!下らねぇ事で呼んでんじゃねぇよ!

急ぎだっつーから朝早くわざわざ出向いて行って見ればよ?


「ゴメーン、ヨシュア!この前ササラに渡してもらおうと思ってたんだけど忘れちゃってさー?はい、どうぞ?」


カチッ。


「・・・・・あの?()()は、一体?」


「ん?首輪。だってヨシュア、ティファのワンちゃんなんでしょ?」


ああぁぁん?

テメェエセ魔導師野郎。誰が誰の犬だゴラァァァ!!


「デズロ様。おふざけになってないで、ちゃんと説明をお願い致します」


「ヨシュアは相変わらずリアクションが薄くてつまらないなー?他の人に聞くと普段はもっと面白いキャラなんでしょー?僕にも見せてよー?」


ほう?誰だそんなデタラメをコイツに吹聴した奴は。


見つけたらただじゃおかない。そいつのズボンのボタンを片っ端から引っこ抜いて外を歩けなくしてやる。勿論パンツのゴムも全て引き裂く!!


「そんな信憑性がない言葉を信じないで頂きたいですね。それで?コレは何なのですか?」


いきなり人の首に妙なもんつけやがって!今度は何の実験だコラ。


「ヨシュアはさぁ騎士のままでいたいよね?」


「・・・・何が仰りたいのかよく分かりませんが?」


「僕はさぁ?ここに来る時、死ぬまでここから出られないと覚悟して来たんだよね?僕に何事もなければまぁ、あと二、三十年は僕の代わりを探さなくても済む。でもさぁ?

エルハドやこの国の責任者達はそう思ってない。今すぐにでも代わりを立てられるならそうしたいんだ、それを、僕が押し留めてる。だってこんな狭い所に閉じ込められて一生過ごさなきゃいけないなんて誰だって嫌だもんね?」


コレはアレだな。

また、コイツの我儘無双が始まる予感だな?で、第一被害は何故か俺なのか?なんでだよ。


「たった今からヨシュアは能力を使っていいよ。エルハドにはちゃんと話を通してあるからね」


「・・・・・は?し、しかし」


「その首輪が付いている間だけだよ。ティファを守るのにきっと必要になるからね?」


おいおい。なんか凄え大事になってねぇ?

しかも俺のアレは使わない条件で騎士になったんだぜ?


「実はさぁ?僕、天才だから最近新しいクリスタルを作ってさ?生活魔力の妨害を阻止する仕組みと他人の魔力を混ぜても大丈夫なように作り変えたんだよねぇ?」


ん?それは、つまりお前一人じゃないと出来なかった事を代わりの人間が出来るようになったって事か?そんで・・。


「だからね?もうこの国のどこで魔術を使っても生活が脅かされる事がなくなったってこと。だから、思いっきり使っていいからね?」


「そんな事態にならないよう努めます」


「そう?ティファ既に襲われてるみたいだけど?」


・・・・・・・・は?


「ササラにさ、宿舎の食堂に覗き鏡を置いてもらったんだよね?アレさ、コレと繋がってるんだぁ」


お前いつの間にそんな物!

じゃあ何か?今迄俺達の食堂でのやり取り全てコイツに見られてたって事か?マジか!いや、それよりも・・・・。


[ティファ!!ティファァァーーー!?]


[おい!サッサと連れてくぞ!仲間が戻って来たら面倒だ]


[煩い女ね?やっぱり殺そうかしら?]


[ほっとけ。それにそれがバレたら後々面倒になる。コイツの弱みになりそうな奴は生かしておけ]


[ほんと、面倒だわ。ナシェス様はこの女のどこがお気に召したのかしら?強いだけが取り柄の頭の悪いイカレ女なのに]


マジ最悪だよ。

お前がこんな下らない事で俺を呼び出したりしなきゃさ?

こんなややこしい事態にならなかったのによ?

ティファ頭から血を流してるじゃん?

どうしてくれんの?

俺、絶対後でギャドとハイトにしばかれるの決定だし、他の奴等にだってめっちゃ役立たずとか言われそうじゃん?

っつーーかさ?なんでそんな大事な事、先に言わねーんだよ!!!


「取り敢えず速攻でアイツら捕まえて地面とお友達になってもらっていいっすかね」


「ヨシュア?ちゃんと生かして連れて来て?僕の楽しみを、奪わないでね?」


ハッ!約束出来ねぇなぁ!?

お前はそこで指を咥えて見てやがれ!


「約束は出来ませんよ。デズロ様」


グアアアアアアア!!急げ俺ぇ!

今こそ華麗な馬術を発揮するんだ!無駄に磨いた馬捌きぃ!


「アイラ!ベロニカ!」


「ヨ、ヨシュア様」


やっぱいねぇよな。

それは分かってたけどな。


「ご、ごめんなさい。来るなって言われていましたのに、ティファの事が気になって、朝早くなら大丈夫かと。私の、私の所為で・・・・」


まぁ、アイラ嬢が人の言うこと聞かないのは今に始まった事じゃねぇから。でも、少しは反省しろよ?


「大丈夫だ。ベロニカはティファを追って行ったんだな?」


「は、はい。で、でも相手は二人で、ベロニカは武器を持っていませんわ。見つけてもティファを助けることは出来ないと思います」


ティファが怪我をしているのが不幸中の幸いだな。

外の天気も良いし。すぐ追える。本当は()()使いたくねぇんだけど・・・。


「お前。今から見る事。絶対黙ってろよ?約束、出来るな?」


「え?は、はい!え。え!えええええええ!?」


まぁ驚くだろうぜ。

いきなり姿が変わればなぁ?

ちゃんと匂いが残ってるな。ティファ待ってろよ。


「ヨ、ヨ、ヨシュア様。貴方」


コイツ大丈夫かなぁ?騎士団でも知ってる奴少ねえんだけど。やっぱ目の前で変幻したのは不味かったか?


「本当にワンちゃんだったんですの!?」


ダァァァレがワンちゃんだコラァァァァ!?

れっきとした魔術変幻だ、ま・じゅ・つ!

そしてせめて狼って言え!!その方がカッコいいからよ!

ん?なんだその顔は?まさか。


「あ、あの。モフっても宜しくて?」


宜しくねぇよ!!

お前この状況でよく言えたなそのセリフ!

お前はティファか!頭までティファに侵されたのか!

ご愁傷様!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ