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マッジンは巻き込まれたくない

「シーツ。洗うなら名前の札と一緒にそこに置いて」


「あ。うん」


最近宿舎に新しいお世話係の人が入って来ました。

どうもティファと同郷の人みたいです。


「何?他にも何か洗うの?」


「いや、大丈夫。ありがとう」


やり辛いなー。あ、どうも。マッジンです。

この人が来てから何だか寮の中の空気が微妙です。

どうもこの人、ティファを裏切ったみたいなんですよね。

詳しい事は分かりませんが、そのせいでこの人も国に帰れなくなったらしいです。でも、それなら何でここに居るんでしょうね?


「ただいまー!ティファー!今日はご飯何ー?」


「フライドチキンです!!揚げたてですよー!」


お?ご飯の準備が出来たようです。俺も行こうかな。


「ベロニカ。お昼行っておいで」


「いえ。私は皆さんが食べ終わってから自分で作って食べるので、大丈夫です。お気遣い、ありがとうございます」


「・・・・・そう」


フィクス。引き下がるの?

お前実は、ヘタレイケメンだろ。

それともアレなのかな。ティファに害なす者は成敗!

とか、思ってるのかな?いや、ただのヘタレだな。


「ティファ殆ど厨房からいなくならないから時間ずらしても意味ないよ?気にしなくていいんじゃない?」


「それに関しては厨房の一角を開けてもらうよう、言ってありますから。問題ありません」


そういう事じゃないんだけどな?

まぁ本人もこう言ってるし、別にいいか。


「じゃあ、お先に」


女性同士の仲違いってタチ悪ですよね?

口では気にしてないよー?とか言うのに裏では物凄い罵詈雑言とかアルアルだよね。

俺にも姉と妹が居るけど本当にカオスだよ。


「ギャドさぁ?何でアイツ雇ったんだ?すげぇ微妙な空気じゃん?」


だからってコイツ(ヨシュア)みたいに思った事を直ぐに口に出すのはやめましょうね?名前をまともに呼ばれなくなりますからね?


「何でって。ティファが雇っても問題ないって言ってたしなぁ。ベロニカ本人も給料が貰えるなら構わないって言ったから雇ったんだよ」


「何のお話してるんですか?」


「コレジューシーで美味しいよね?お肉が安く手に入ったの?」


「はいー!肉屋さんが安く売ってくれたんですよ?大量に買うようになったら沢山オマケしてくれるようになったんです!」


・・・・・前から思ってたんですけど。

ハイトって、口を開くと食べ物の事しか口にしてないよね?もしかしてガチで食べ物の事しか興味ないんでしょうか?

振りとかじゃなく?俺、本気で心配になってきました。

ハイトの未来が。


「ベロニカはティファの料理食べた事ないの?こんなに美味しいのに」


「ありますよ?彼女とは常に一緒に行動してましたからね?隠れて料理するのを手伝わせてました!!」


皆さん聞きましたでしょうか?

俺達さり気なく聞き流しましたが、ティファは今、確実に"手伝わせてた"と、発言しましたよね?つまりそこに恐らくベロニカの意思はなかったのでしょう・・・・つまりベロニカは、間違いなくティファのパシリだったんですね?


「見つかると何故かベロニカが呼び出されて怒られてたみたいなんですよね。最初は私に直接言って来てたんですよ?何ででしょう?」


無駄だからじゃないですかね?

貴方何言っても響かなそうですもんね?

言ってる方が体力と精神力を削られそうですもん。

間違いないですもん。

そしてベロニカ明らかにとばっちり受けてますね?


「彼女ティファ程強くなかったんでしょ?何でティファと一緒に行動してたの?女の子同士だから?」


「扱い易かったので私が彼女じゃないと嫌だと言ったんですよ。彼女以外を私に付けたら騎士を辞めると」


「「「・・・・・・・・」」」


「ティファ。ベロニカにちゃんと許可は取ったんだよな?」


「いいえ?私は彼女の上司でしたから、私の言う事は絶対なんですよ?」


小首を傾げて可愛く言い放ったよこの人。


ヤバい。ここにも鬼軍曹がいた!!

ギャドやハイトと肩を並べる傍若無人ぶりだ!!


「なんか、話が見えてきたぞ」


「なんなの?その絶対的縦社会制度。頂点は何しても許される国なの?だから王子は馬鹿になったか?」


ヨシュア、ヨシュア!

一歩間違うと危険だからそれ以上突っ込むな!

ほら、他の奴等一斉に目をティファから逸らしたぞ!俺もそうしとこ。


「そうですね。他人を助けてくれる程、余裕がある人はいませんでしたし、利用できる者は利用しないと直ぐ殺されちゃうので!毎日が死と隣り合わせのデスゲームでした!ここの人達は優しいですよねぇ」


怖い。

何この人、こんなに怖い人でしたっけ?

棍棒ブンブンブン振り回しながら言われると思わず指先震えちゃうからやめて欲しいです本当。


「成る程ね。ティファがここに来て物怖じしなかったのも頷けるね。あらゆる死線を潜り抜けてきたんだ?」


「そう言わてみればそうですね?でも、それはベロニカもですよ?ここまで生き延びて来たんですから」


「じゃあやっぱりあの子にも監視が暫く必要だな?おい、マッジン!」


げっ!!

ちょっちょっと待てギャド!

俺やだよ?ハイトと違って責任がある訳じゃないし仕事外くらいゆっくりさせて欲しいんですけど!


「お前暫くベロニカ付きな?コレ上官命令だからな?」


あ!おまっ!フィクス!逃げやがったな、元はと言えばお前が連れて来たんだろ?お前が責任持って監視しろよ!


「諦めろマッジン。もう逃げられないって(笑)」


・・・・・・メルロー、お前。いつからそこにいたんだよ?

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