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ササラはチーズケーキを味わいたい

皆さんこんにちは?

私はササラと申します。

忘れている方も多いでしょうが、あの脳筋男の悪友です。

実は現在私は宮廷から出てある宿舎に向かっています。


「全く。デズロ様にも困ったものですね?自分が街に降りられないからと言って貴方を遣わせるとは。貴方とてこの国屈指の魔術使いですのに・・・・」


さっきから私の向かい側でブツブツ言っているのは私の部下のジョーイ。煩い奴だが、仕事は出来るから皆んな気にしないでやってね?


そうそう。だいぶ前に我が国で捕獲した珍獣、もといティファを、いたくお気に入りの最強魔術師様はティファの近況を聞き、直ぐにでも会いに行きたいと駄々を捏ね始めました。しかし前科があるので外には出られません。そこで何故か私がその方の代わりに彼女に会いに行く事になりました。え?全く意味が分からないですよね?ですよね?


「おーーーう!お疲れさん!頼まれてた物は出来てるぜ?それにしても・・・相変わらず大変そうだな。お前も」


「私は慣れているからな。いちいち驚かないよ」


私達の国には円滑に生活を機能させる為に、魔力を貯める大きなクリスタルが存在している。それに魔力を流すとそこから地底へ魔力は流されて各家庭の道具が使える様になる、氷冷庫などが良い例だ。それらはクリスタルから魔力が送られている。


そんな訳で魔力を注げる魔術師はこの国では宝でありとても大事に保護される。私もその一人なのですが、私達を遥かに超越した人物、それが私をここへ駆り出した人物デズロ・マスカーシャなのです。


「ティファ!ちょっといいか?」


「はい?あれ?その方がギャドさんの、ご友人ですか?」


「初めましてティファちゃん。私はササラ。コイツの悪友でこの国の宮廷魔術師です」


私の差し出した手をティファはジッと見つめてにっこりと笑いました。流石最強騎士。分かりましたか?


「初めましてティファです。ご希望の物は用意出来ていますよ?」


そう、あの我儘なおっさん坊っちゃまは、ここに来れないなら何か貰ってこいと私に無茶振りしやがりまして?しょうがないので事前にギャド経由でティファに頼んでおいたのです。断られなくて良かったですね?デズロ様?


「でも、宮廷でもご飯が出るのに。本当に私のお弁当で良かったんですか?」


「はい。貴方のご飯の味がどうしても忘れられないみたいですよ?ギャドからも貴方の噂はかねがね聞いております。お店を開きたいとか?」


「あ、いえ〜まぁそうなんですけど。今は毎日充実しているのでとりあえず満足してます!」


ギャド。聞いていた話と違うよ?

この子、恐ろしく頭良いよ?

これは私がここに来た理由を勘付かれてますね?


「そうですか?それは良かった。女性一人で男だらけの宿舎に押し込まれ、さぞかしご不便をお掛けしているのかと?充実しているのでしたら何よりです」


「はい!気に掛けて頂いてありがとうございます!」


うーーーーーん。話を終わらせようとしてるね?

でも私、ミッションを終えるまでは帰れないんですよ?


「あ!そうです。ササラさんチーズケーキはお嫌いですか?」


ーーーーーーーーえ?


「大好物ですが?」


あ。思わず口が滑りました。

私、ケーキの中でチーズケーキが一番好きなんですよね。

でも中々理想のチーズケーキに出会えないのです。


「最近やっと理想通りのチーズケーキを焼くことが出来る様になりまして!冷やしてありますので食べていきませんか?」


出ましたね。噂の食テロですね?しかしそんな物で私は騙されませんよ?王命ですからね?


「ギャドさんも、あ!ハイトさん居たんですか?一緒にどうです?」


「喜んで!!」


え?君いつの間に?さっきまで居なかったよね?

何かを察知したのかな?特殊能力編み出しちゃったのかな?実に興味深いね?


「濃いめの紅茶でも大丈夫ですか?」


「ええ。頂きます」


そうして出されたチーズケーキはとても美しく断面がきめ細かくてとても家庭のオーブンで焼いたものとは思えないクオリティです。素直に凄いな。では、一口。


「ーーーーーッッッ」


「うわぁ〜凄く滑らかな舌触りだね。口の中に入れると蕩ける。最高だぁーーーー」


ハイトくん!まさしくソレ!


なんでしょうこれ。チーズケーキってもっとズッシリ重たくて濃厚なイメージだったのに、とても軽くてトロリと溶けて・・・・こんなの初めてだな。想像を超える美味しさです。まさしく理想のチーズケーキ!!


「これも美味いな。でも、コレの試作品も俺結構好きだったなぁ?食べ応えあって」


なんだって?それは聞き捨てならないね?私はそちらにもとても興味がありますよ?もうないんですか?


「あ。持って帰る用に包んでありますから、それも持って行って下さいね?」


「それはわざわざ。ご丁寧に・・・」


「ササラさん」


ピリッと空気が変わりましたね。これは、やはり。


「帰ったら王様にお伝え頂けますか?私は他国の人間ですので期待をかけるだけ無駄です。どうぞ捨て置いて下さいと」


にっこり。お?良い笑顔ですね?私も負けてませんがね?


「・・・・では、そのまま陛下にお伝えしておきますね?ティファちゃん」


「はい!これからも宜しくお願い致します!」


ギリギリギリギリッ。


「なぁ。それ、どちらか離さないと千切れるぞ。袋」


「あ?すみません!つい気合が入りすぎましたぁ!」


ハッ!!いけませんね?無意識に手に力が!それが食テロ!!チーズケーキの甘い誘惑!

成る程ね?大体わかりましたよ?ティファちゃん。

貴方黒ですね?


「ティファちゃん。ティファちゃんはここに居たいのかな?」


「え?それはどういう?」


「例えば、国に帰りたいとか」


ハイハイ。ギャド?落ち着きなさい?取り敢えず黙ってお座りなさい。脳みそムキ男。

うん。大丈夫。答えは分かってるよ?


「全然?ここに居たいです。許されるなら」


よし!!チーズケーキ確保ぉ!!コホン。ではなく。


「じゃあその様に伝えておきます。貴方はこの国での住民権を取らなくてはいけませんからね?いつまでも捕虜のままでは何かと不便でしょう?」


「良いんですか?私敵国の騎士ですが?」


そうですね。貴方は確かに最強騎士なのでしょう。

しかし。


「貴方は隣の国から我々が無理矢理スカウトして連れて来た料理人です。貴方の肩書きはその様になるでしょう」


「ササラ?一体どういう・・・・」


貴方に会って分かりました。

貴方は自分の事をよくご存知ですね?

自分の強さも能力もそれがどれ程・・・・・。


「貴方を保護しろと命令した魔術師様は貴方が作る素晴らしい料理をご所望です。それ以外は、必要ありません。それでは、納得出来ませんか?」


「・・・・・いいえ。つまり、私は料理を作っても、良いんですよね?」


「はい、思う存分。貴方の望むままに。そして、どうかまた私にチーズケーキを作って下さい?その為なら私は幾らでも貴方にご協力致しましょう」


うーん!これから物凄く忙しくなりそうですね?

しかし、私は一度やると決めたことはやりますよ?

取り敢えずこのチーズケーキはあの阿呆どもには渡しませんがね?


これは、ギャドには釘を刺しておかないといけないかも知れませんね?


「ティファ。お代わりって、あるかな?」


あ。そんな目で見てもこれは渡しませんよ?ハイト?

これは私のオヤツですからね?

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