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ティファはお菓子が作りたい

「あ!ティファちゃん!今日は一人かい?」


「はい!食材が不足してしまって買い出しに!」


こんにちわ!ティファです!

最近やっとハイトさんが私の監視役から解放されたようで、こうして一人で外を歩く事も多くなってきた今日この頃です。ここに来てから半年以上経ってますもんね?そんなにも長い間私の監視をしていたのです。他人事とはいえ若干気の毒ですよね?


「ねぇ!今丁度大量にコレが入ってきたんだけど、どう?買ってかない?安くしておくよ?」


「え?うーん。でも果物だと皆んなお腹にたまらないんですよねぇ・・・コストがかかるのに腹の足しにならないとなると、中々・・・・・」


「そっかぁ。まぁ無理にとは言わないよ!また騎士さんと一緒においで?」


ありゃ?私一人だと買わないと店主は気付いていますね?そうなんですよ。だって果物お高いんです。私一人が楽しむには贅沢な品なんですが、ハイトさんやギャドさんは気軽にぽんぽん買ってくれるんですよねぇ?リッチマンです。あ、でも・・・・。


「じゃあ、六個頂けます?」


「え?買うのかい?しかも六個も?何か作るのかい?」


ムフフフ!!そうですそうです!せっかくあんな立派なオーブンがあるのですから、是非とも挑戦したい事があるのですよ!!


「はい!!焼き菓子を作ろうかと!」


砂糖と蜂蜜はこの前手に入れましたし、バターも作ったばかりです!!あまり甘いのは得意でない方もいますからこのオレンジで爽やかな甘さにしてしまいましょう!!


「ハイトさんは甘いものお好きですか?」


「え?うーん。嫌いじゃないけど・・・砂糖菓子みたいなのは苦手かも。ジャリジャリ口にまとわりつくし」


そうですよねぇ。やはりあまりお好きではないですか。

男の方って余り甘いもの食べないですよねぇ。


「甘いもの?男はそんな物食べないだろ?喜んで食べるのは貴婦人とかご令嬢達だな。俺もたまに呼ばれるけど、お茶だけ飲んで帰るし」


あらぁ。ヨークシャさんもですかぁ?お口にさえなさらないんですね?


「あれ?そういえばお二人共今日はお休みですか?」


「ああ。そうだよ?この前休日出勤だったからね?あ、洗い物手伝うよ」


そんなハイトさん。せっかく私から解放されて遊びたい放題なのに、本当に優しいというか、お人好しというか。・・・・可哀想!!


「おいティファ。別に気にしなくていいぞ。ハイト、少しでも多くティファの飯を味わいたいだけなんだ。その為なら何でもするからな」


「ちょっとヨシュア。その口閉じてくれるかな?後悔しても知らないよ?」


ん?何ですか?なんかピリピリしてます?

ヨークシャさん黙っちゃいましたが、何かあったんですか?

あ、もしかして。


「あれ?私が別の物作ってたの、もしかして知ってました?」


「「え?」」


あら?気付いてなかったようです。勘違い?まぁいいか。


「実はお菓子を焼いたんですけど、皆さん甘いもの、余り好きではなさそうなので・・・・」


「違う。好きじゃないとは言っていない」


「そうだよ?勝手に勘違いしないでくれる?」


ん?なんだかお二人の顔がとても真剣です。

どうしました?悪い物でもつまみ食いしたんですか?


「それでティファ。それは、もう食べられるのかな?」


「え?はい!オーブンから上げて甘いお酒を染み込ませて冷ましてあります。・・・味見、します?」


「「喜んで!!」」


あの。それ。公式の掛け声なんですか?

最近他の騎士さんもよく叫ぶのですが?ごめんなさい。

正直少し引いてます。私。


では、さっそくパウンドケーキを切っていきましょうか?

新鮮なオレンジはやはり甘みが強くて酸味もあって美味しかったので砂糖は少なめでそのかわり染み込ませるお酒を甘めのものにしたのです。どれ。少し味見。んー!!コレは良いです!


「はい。では紅茶と一緒にお楽しみ下さい」


「・・・・凄い、ティファ。ケーキも作れるんだね?」


「簡単なものなら。専門ではないですが」


そうそう!私よりもお菓子は妹の方が上手でした!

私と全く正反対の、か弱くて可愛らしくて引き籠もりで根暗で絵に描いたような薬草オタク!!略してヤクオタ!!

え?嫌いなのかって?あはは!そんな訳ないじゃないですかぁ?大好きですよ?ただ、めっちゃ嫌われてたみたいです、私が!!元気でしょうか?あの引き籠もりは。しんみり。


「くぁぁぁぁ!!」


「・・・うぐっ!」


え?考え事していたらお二人の様子がおかしい事になってます?どうしました!そんな苦しそうにして!ハッ!ヨークシャさん遂に背が伸びるのですか!成長痛が遂に今!!


「破滅的に美味い。なんなのコレ」


「シットリで食べ応えがあるのに甘すぎない。オレンジの香りがとても爽やかで・・・こんな焼き菓子初めて食べた俺」


あのぉ〜褒めて頂いたんでしょうか?

でも、何故いつも苦しげな面持ちで感想を述べられるのでしょう?不可解です。


「しかも、かかってるお酒がまた、絶妙な・・・ティファさんお代わりOKですか?」


二人してお皿を前に持ち上げられては断り辛いですね?まぁ、もう少しくらいなら・・・・・。


「ティファ?そうやってお二人を甘やかすのは良くなくてよ?」


「あれ?アイラさん?お早いですね?」


実はお菓子を作るにあたり勿論試食をしてくれる人をちゃんと呼んでおきました!

現役ご令嬢の箱入り娘!!アイラさんです!


「貴方がお菓子を焼いたと伺って足を運んで差し上げましたのよ?感謝なさって?あ、コレはティファにお土産」


ふぁ!?こ、コレは私がずっと欲しがっていたペティナイフ!!ここ大きいナイフしかないから野菜の皮を剥く時ちょっと不便だったんですよね。

ちゃんとその話をした事、覚えてくれてたんですね?

流石ツンデレ嬢!ナイスデレです!


「嬉しいです。でも、いいんですか?こんな高価な物貰っちゃって?」


「構いませんわ?だって私、貴方に食事の報酬を渡しておりませんでしょ?たまにとはいえ私も貴方の料理を頂いているのですから、これくらい当然ですわ!」


カッコイィ!!本当にアイラさんは最高のカ・・・・女性です!アイラさんには特別大きくケーキをカットしてあげましょう!さてさて?じゃあそろそろ次の仕込みを・・・。


ダァアアン!!

え?アイラさん?どうしました?頭打ちました?


「お口に合いませんでした?甘さ控えめでしたし・・・」


「お代わりを寄越してもよろしくてよ!!!」


「「さっさと帰れよ」」


どうやらお菓子も問題なく焼けるようです!


さて?明日は何を作りましょう?

私の脳内は料理の事で頭いっぱい夢いっぱいです!!

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