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ギャドはティファに嫌われたくない

「で?ティファちゃんお前より強かったの?」


よう!元気してっか?

俺はそうでもないんだ。

なんでかって?この前命令でティファの実力を測る為に一戦交えたんだけどさぁ・・・・・・・。


「恐らく。潜在的能力は俺より上だな。だが、お互い本気で戦ったら・・・・まぁわからん」


あれ以来、ティファに何となく避けられている気がする。

宿舎に行けばさ?ご飯は食べさせてくれるんだよ?でも、なんか、前みたいな気さくさが無くなった気がする。


「へぇ?やっぱ最強騎士って強ち間違いではなかったんだねぇ?で?落ち込んでんの?」


「・・・ササラ。お前、面白がってるだろ?」


「うん?勿論。お前本当に分かりやすいよね?」


人が真剣に落ち込んでいるのに、この対応。

コイツ本当に俺の親友なのかな?あれ?もしかして違った?


「でも意外。ギャドがそんな事で落ち込むとは思わなかったよ。そんなあからさまなの?」


「・・・・・パンにチーズを乗せてくれなくなったんだ」


「・・・・・は?」


は?じゃねぇーよ。いつもあのボケボケの顔で「パンにチーズ乗せます?」って言われる事こそティファの愛情を感じる唯一のコミュニケーションなのに!!


「それに、おかわりも。聞いてくれなくなったんだ!!」


素直に言っていいか?辛い!!ティファに冷たくされる事がこんなに堪えるとは俺思ってなかった!!正直しんどい!!今ならフィクスの気持ちすげぇわかる!!


「・・・お前の脳みそは本当に筋肉なのか?」


「ちゃんと脳みそ入っとるわ!!脳筋脳筋言うんじゃねぇーよ!」


こんな言いにくい事打ち明けてんのに少しも慰めてくれない役に立たない奴め!俺だって本当はティファと戦うなんて嫌だったさ!でも、しょうがないだろ!立場上断れないんだよ!!


「で?そのまま報告したの?」


「概ねは」


そんな目で見るな。

すこーしばかり曖昧に伝えただけだ。だってよ、アレ以上監視の目が厳しくなったら今の生活送れなくなるだろ?


「で?今日もわざわざご飯を食べに行くんだ?健気だねぇ〜?」


「は?なんだソレ。俺は単純にアイツの飯が美味いから!あくまでご飯を食べる為に!!」


「ハイハイ。時間なくなっちゃうよ?もう行ったら?」


コイツ本当に分かってんのか?


お前の言い方だと俺がまるでティファに会いたくて通ってるみたいじゃないか。断じてそんな事はあり得ない!!

確かに見た目は超好みなのは認めるが中身がさ?なんつーか、全く女らしくないんだよ!見た目以外は全く好みじゃ無いんだから、ティファと変な展開は絶対ない!!


「あ!ギャドさん今日も来たんですか?」


ズンッ!!鋭い言葉の右ストレートが!うぐっ!!心の壁ぇ〜?!


ティファさん。あの、もっとやんわりと拒絶してくれないか?俺初っ端からめげそうだから。心へし折られたから。


「うん。まぁ。ティファの飯が食いたくて」


ティファ、そんなに剣握るの嫌だったんだろうか?そういえば、ここに来てからあの時まで一度もティファが剣を持った所を見たことなかったしな。当たり前だが。


「あれ?ギャドどうしたんだ?そんな顔して?懲りずにティファに会い・・・ムギュ?!」


フィクス。テメェ今、ティファの前で余計なこと口に出そうとしやがったな?確信犯だな?お前アレだろ俺を仲間に引き入れようとしてんだろ?"ティファに邪険にされる会☆"などに入るつもりは俺にはないね!!会員は永遠にお前一人で充分だ!!


「ん?どうしました?何か言いましたか?」


「い、いや!それより今日は何作ったんだ?」


部屋に入って来てから外まで漂って来たスパイシーな香りがずっと気になってたんだ。

お?満面の笑みだな?新作か?


「ふふふ。ずっと探してた香辛料が見つかりまして。今日は特製チキンカレーです!!」


「お!カレーかぁ!!俺大好物だわ」


遠征でも作ったりするよなカレー。

大量に作るとまた、美味いんだわ。


「ギャドさんは激辛にします?」


「え?いや、普通で・・・」


「激辛で良いですよね?」


「・・・・・はい」


なぁ。もう泣いていいかな?泣いていいよな?

やっぱ陛下の命令無視すれば良かったんじゃね?


だってよ?コイツの強さなんて適当に言ったってわかりゃしないじゃん?俺と撃ち合ってやっと分かるレベルじゃん?なのに俺真面目に仕事しちゃってティファに嫌われて激辛カレー食わされるとか、本当なんなんだよ。


「はい。ギャドさんには特別に大盛りにしておきました〜!」


う!いい笑顔だ。その笑顔が純粋に向けられたものなら尚良かったのによ!!死へのカウントダウンだろコレ!!


「あ!あとコレはキャベツのピクルスです。甘酸っぱいので一緒に食べると良く合いますよ?」


「・・・・頂きます」


ティファの料理で死ねるなら、俺は本望!!いざ!


「・・・・・・う!!」


「ふふふ。どうです?」


「美味い!!辛いが、俺これくらい辛い方がいいな」


えーーーー?超美味いなこれ!

今まで食った事あるカレーはここまで辛くなかったけど、俺はこの舌にビリビリするくらいの方が好みだ。


「ギャドさんは普段お酒を飲みますし、頼む物の傾向から刺激が強いくらいの方が好みかなと?他の人はやっぱ辛すぎたみたいなのでギャドさんのは別に作っておきました!」


え?俺のだけ別に?何で?


「最近ギャドさんお疲れの様でしたし、ここらで少し刺激を与えて体の細胞を活性化させたらどうかと?元気なかったですもんね?」


・・・・・泣いて・・・いいか?

俺は今、物凄く感動してる。


「いや、まぁ。でもわざわざ悪かったな?宿舎全員の飯作るのも大変なのによ?俺のだけ別にとか・・・・」


「そんな事ないです。確かに最初はこんな大人数のご飯を作るのなんて初めてで、余裕がなかったので、中々周りに気を配れませんでしたが、最近やっと慣れてきました!」


あれ?もしかして、俺、勘違いしてた?

素っ気なく見えてたのはもしかして余裕が無かっただけなのか?俺嫌われてない?


「ギャドさん?どうしました?やっぱり辛すぎました?」


「ティファ。あのさ、ティファは怒ってたんじゃねぇのか?」


そうだよ。気にしてたなら本人に聞けば良かったんだよ。

うじうじ悩んで俺らしくなかった!!


「怒る?誰に何をですか?」


「ほら。無理やり俺と撃ち合っただろ?」


「ああ?いえ?何でそんな事で怒るんですか?」


ほらーーーーーーー!!気にしてねぇじゃん!!俺無駄に悩んだだけじゃねぇか!阿呆か俺ぇ!!


「でも、相手がギャドさんで良かったです。下手に相手が弱いと後が大変でしたから。手加減したつもりでも手加減にならないみたいで・・・・」


「あはは。確かに・・・・」


ん?ちょっと待て?もしかしてお前、俺相手にかなり手心入れてたのか?


「すぐ殺しちゃうんで。ギャドさんが強いムキ・・・人で良かったです!!」


お前笑顔でそういう事言うなよ!!怖えよ!


そんで、今お前俺の事なんて言おうとした?ムキ・・って何?お前の脳内で俺なんて言われてんの?気になる!!!

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