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ハイトは窮地に追い込まれる

「ムフーン!!美味しい!幸せティファ!」


「それは良かったです。忙しくて帰ってこれませんでしたもんね?では、私は失礼します」


え?なんで?今来たばかりなのに?

もうササラ様の所に行っちゃうの?


「ハイトさん?」


「僕まだ休憩中なんだ。一緒にいてよ」


あれ?なんか、ティファ怒ってる?なんで?

僕なんかしたっけ?最近全然会えてなかったからわかりませんね?

おかしいな?なんでそっぽ向いてるの?ティファさーん。


「ご飯。あればいいんじゃないんですか?」


・・・・・・・え?ティファさん?


「別に私がいなくてもご飯が美味しければ満足なのでは?」


・・・・・・・・・えー。えー?あの、ティファさん?

もしかして拗ねてるの?嘘でしょ?何それ可愛い。

そんな可愛い事言うと僕調子に乗っちゃいますよ?


「ティファ。こっち向いて?」


「え?お断りします」


「せっかく久し振りに会えたのに。顔見せてくれないの?」


「・・・・さ、さっき散々見てましたよね?」


うーん。手強い。

少しだけなら許してくれるかなぁ?


「ハ、ハイトさん?」


「じゃあ暫くこのままでいて?」


あーーーー久々のティファだぁ。

ごめんね?背後から抱きついたりして。でも前は顔が見えるから嫌なんですよね?じゃあ許してね?


「あのぉ。ハイトさん一体、私のどこがいいんですか?」


「え?また唐突だね?」


「だって。ハイトさん元々食べる事にしか、そこまで反応示してませんでしたし。私、見た目で気に入られる事は確かに今までありましたが、ハイトさん、そういうタイプではないですよね?」


冷静な分析だね?ティファってぽやっとしてても、そういう所ちゃんと見てますよね。


「どこって言われてもなぁ?僕はさ、ティファがここに来た時からずっと側でティファを見てたから。一緒に過ごしていく内に自然に好きになっていったんだよね?だから、どこがと言われたら全部としか答えられないけど」


「ぜっ!!」


あれ?なんで驚いた?おかしいかな?でも、本当なんだけどなぁ。気が付いたら我慢出来なくなったんです。

ティファが僕以外と笑いながら歩いているのが。


「僕ね。ティファに出会うまでは、もういつ死んでもいいかなぁって思ってたんだよね」


「え?なんです、それ」


「僕、なんだかんだで、あの宿舎すごい気に入ってるんだ。仲間の事も。それにこの国の人達が幸せに暮らせるなら、その為に戦って死ねるなら、まぁいいかなぁって」


僕が僕らしく生きる為にはこの方法しかないかなって思ってたんですよね?僕は、自分の事は自分で決めたかったんですよ。誰かに決められた物じゃなく。


「でも、ティファが来て、君を好きになって僕は死ぬのが怖くなった。僕の今叶えたい願い、なんだかわかる?」


僕は本気で欲しいと思うものを作っては駄目なんです。


「・・・・なんです?ハイトさん」


「ティファ。君とずっと一緒にいたい。出来るだけ長く。一緒に歳を重ねながら面白おかしく暮らしたい」


僕は最後まで諦めたくないんだ。ティファ。


「・・・・じゃあ。私はずっとハイトさんの隣で料理作ります。ハイトさん私の作る料理好きですもんね?」


「・・・・ティファ?」


「私もハイトさんとずっと一緒にいたいです!ずっと、一緒にいましょう!!」


・・・・ん?ちょっと待ってよ?ティファさんそれってつまり・・・。


「あ!もう、行かないと!すみませんハイトさん!私ササラさんの所に寄って宿舎に帰りますね!仕込みの時間に間に合わなくなってしまいそうですので!!」


「え?ちょっとティファ?」


「では!また宿舎でお会いしましょう!」


・・・・これは、完全なる言い逃げですね?

突っ込まれるのを回避しましたね?

ほぅ?いい度胸してますね?


「そういう逃げ方は逆効果だって教えてあげないとね?」


あと、もう少し時間置いてから仕事戻ろうかな。

さっきから顔のニヤニヤが止まらない!!


このまま出て行ったら絶対根掘り葉掘り聞かれて大変な事になりそうだ。あーでも嬉しいけど余計なこと言っちゃいましたね?あれじゃあ余計な心配をかけてしまいますよね?失敗しました。


「はぁ。また暫くティファの顔が見れないのかぁ」


明日は少しくらい帰りたいですね。

このままでは僕までギャド化してしまいます。

その為にも今日頑張って仕事を減らさなければならないです。あーー怠い。ガチャリ。


「やぁ?やっと見つけたよ。ハイト」


「陛下?何故こんな所に?ここは一般用の客室・・・」


「騙されたぁ。こんな近くにいたなんてぇ。しかも、何十年も。まさか、人間に化けているなんて思わなかったよ?」


どうしてですかね?あの木にはデズロ様以外接触出来ないよう防壁が張ってあった筈ですよね?


「苦労したよ?でも運が良かった。他国の人間が俺を拾ってくれたんだ。そのお陰でやっと外に出れた」


「・・・・セルシス様を、どうした?」


「え?ちゃんとこの体の中にいるよ?ちょっと眠ってるだけ。人の体って便利だよねぇ?」


まずいですね。よりにもよって陛下の体を乗っ取るとか。一度経験済みだから躊躇がなかったんですか?安易な考えですね?どうするんです?戻れなかったら。


「大丈夫。君を取り戻したらすぐ戻るよ?君も僕の一部だったんだから、分かるでしょ?」


「分からないし、覚えもないな?僕は人間だけど?」


まずい。これはちょっと大ピンチかも知れないですね。

陛下の体に傷を付けるわけにはいかないですし?

いや、ちょっとくらいならいいですかね?


「本当面倒だ。どうして俺の核なのに意思なんて持っちゃうのかなぁ?俺はね?さっさとここから解放されたいんだよ。お前は俺なんだから黙って俺に吸収されろよ!」


「それは、聞き捨てならねぇな?」


え?ギャド?いつの間にそこに?気配消すなんて芸当ギャド出来たんですね?驚き。


「元がどうとかは関係ねぇだろ?こいつはもう、この国の人間なんだよ。一旦切り離されたんだから諦めろ」


どういう事だ?なんでギャドが?ギャドは何も知らない筈なんですけど?


「後、セルシス様を返して貰うぞ!ティファ!!」


「はい!!」


え?え?ティファ?帰ったんじゃなかったんですか?

なんでここに?ちょ!陛下に何するの!!


「枝!確保しました!!なんともありません!!」


「よし!!ハイト!!」


「え?何?」


「逃げるぞ!!全速力で!!」


いきなりですか?あ、そうですか。もうこういう展開にも慣れましたので事情は走りながらでも聞かせてもらいますから!!てか、ティファさんその枝危険なんでブンブンしないで下さい!!本当危ないんだから!!メッ!!

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