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エリスは刺激を求めている

この国って本当に、デズロがいないと全然駄目なのね?

全く纏まりがないわ。大丈夫なのかしらね?

まぁ私は関係ないけど?


「エリス。私はまだ仕事中なんだけどね?」


「知ってるわよ?だから邪魔しないよう膝で待機してるでしょう?」


「いや、充分邪魔なんだけれど?私は用があるなら部屋で待てと言った筈だけどね?」


「あ、これ間違ってるわよ。コイツは後衛支援じゃなく前衛よ。誰よこれ書き間違えたの」


慣れもしない事しようとするから業務が滞るのよ?

しかもこの国、デズロとササラ以外まともな魔術師が居やしない。大変だわね?貴方も。


「エーリース。お願いだから言う事聞いてくれないかな?どうしたら離れてくれる?」


「そうねぇ?じゃあ・・・キスして?」


ササラ一度は私に手を出した癖に、あれから手を出して来ないのよね。まぁ、この人モテそうだし、ただの好奇心だったのかしらね?ちょっと面白くないわね?


「それは、どういう意味かな?」


どういう意味?何かしらそれ?そのままの意味だけど?


「エリス。私は基本的に遊びで女性とこういう事はしない。あの時はあれが一番いいと判断したが、する必要がない事を私はするつもりはない。だが・・・」


「だが?」


「本気なら話は別だ」


え?なにそれ?ササラあんた結構面白い事言うのね?


「ハッ!あんたが私に本気?それとも私が?笑える冗談ね?」


「そうだろうね。じゃあ離れなさい」


ええ?何それぇ。結局そこなの?なんだつまらないわね?


「い・や」


「あ、そうですか」


「おい、エリス。いい加減にしてくれよ。ササラの業務が滞る。そして、あらぬ噂がいつまでたっても止まらねぇ」


あら?こんな所に堂々と入ってくるなんて流石ギャド。

デリカシーがないわね?でも嫌いじゃないわよ?貴方のそういう慣れてないト・コ・ロ。


「あら?じゃあギャドが私と遊んでくれる?」


「いいぜ?何する?鬼ごっこでもすっか?」


完全にガキ扱いね?

婚約者にもその態度なのかしら?貴方の婚約者見た目だけなら私より幼いものね?お陰で貴方ロリコン呼ばわりですものね?


「つまらないわねぇ。まぁ宿舎の仕事もあるし、そろそろ戻るわ。じゃあササラ、またね?」


「ギャド。悪いがエリスを外まで送ってくれ」


「あいよ。あ、ササラコレ頼まれたから渡しとく」


別にわざわざ送ってくれなくてもいいんだけど。

その所為で私に声をかけたい男達が私に寄って来れないじゃない。まぁ別にいいけど。


「ラットはどうしたんだよ。お前らセットだろ?」


「は?やめてくれる?極力別行動でお願いしたいわ。アイツといると色々疲れるのよね」


「そういや、デズロ様さっき帰って来たみたいだぞ?」


「え!嘘!!なんでそれ早く言わないのよ!!知ってたらこっち来なかったのに!」


「・・・なんだかんだでお前らデズロ様好きだよなぁ」


そうね?あの人頭おかしいけど飽きないのよね?

離れてみて、それがよく分かったわ。私もっと刺激が欲しいわ!!


「アレ?ギャド、何こんな所でサボってるの?その子は確かエリスちゃん?」


「陛下こそ何気軽に出歩いてるんですか?俺はエリスをそこまで送ったら、すぐ仕事に戻ります」


あら?この人確か新しい王様ね?前も何度か見かけたけどこんな感じの人だったかしら?なんか、雰囲気変わった?


「そうなんだ?そういえばカスバールから返答があったよ?聞きたい?」


「ここで聞かなくても、どうせ皆んなに報せるんでしょう?その時でいいです。では」


ギャド?どうしたの貴方そんな丁寧な話し方して。

前はもっと気安くなかったかしら?ん?何、アレ。


「あの、その枝は何です?宮廷の中にそんな物ありましたか?」


あら?余計な事聞いた?

つい気になって聞いてしまったけれど・・・。


「ああ。コレね?ちょっと散歩してたら見つけたんだ。綺麗じゃない?」


確かに、白い枝に青い花がついているわ。でも、これ普通の枝じゃないわよね?


「本当に綺麗ですわ。それ、処分するのなら私に頂けません?」


「おい、エリス!」


ちょっとギャドは黙って欲しいわ。

私もただ遊んでるだけじゃないのよ?


「ごめんねぇ良いよって言ってあげたい所なんだけど、これは俺の愛しい奥さんに贈るつもりだから」


・・・・そう?後悔しても知らないから。

せっかく私が珍しく気を利かせてあげたのに。


「残念ですわ。とても仲が宜しいのですね?皇妃様がお羨ましいです」


「君は若くて綺麗だから、きっと良い相手に恵まれるさ」


「ふふ。陛下にそう言って頂けるなんて光栄です」


本当に。この国の人間って大丈夫なのかしら?

もし、デズロが帰っているなら、この事言っておいた方がいいわね。


「お前、あんな枝なんか欲しがるなよ」


「ギャドは面白いわね?私がただの枝を本気で欲しがると思う?まぁ普通の男ならそれが何であれ私に差し出すでしょうけどね?」


「お前・・・本当にとんでもねぇガキだな」


そうかしら?貴方達がおかしいのではない?あ、違うわね。真っ当な人間なのね。でもそれこの世界では少数派よ?残念ながらね。ん?


「あ。そうか、だから?ササラはちゃんと分かっていたのね?」


「おい?なんの話だ?」


「別に。あんたはずっと、そのままでいたらいい。私を本気で子供扱いする人間なんて天然記念物だもの。貴重だわ」


「は?」


本当に真っさらな人間なんて、この世に存在するのね?

前ならぐちゃぐちゃにしてやりたいと思ったかも知れないけれど、今はそうでもないわ。だって面白いものね?


だからまぁ。少しくらい調べてやってもいいかしら?

あの枝・・・・・・・明らかに危険だもの。

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