ティファは恋を理解したい
「ティファだよ。ティファが好き」
どうしましょう?
ハイトさんからそう告げられて数日。私悩んでます。
散々考え尽くした結果やはりその好きとは私とお付き合いしたい好きで間違いないという答えが導き出されました。
え?マジですか?
「ティファさん?そんな所で丸まって何してるの?」
「イノリさん。私は今重大な決断を迫られています。そっとしておいて貰えませんか?」
「ふんふん?成る程それは大変ね?私がその話を聞いてしんぜよう」
えー?でもイノリさん今、誰とも付き合ってないと言ってましたよね?そんなイノリさんから的確なアドバイスが出てくるとは思えません。やはりここは私が山籠りでもして精神を鍛えるしか・・・・。
「で?ハイトさんの事で悩んでるの?」
ゴンッ!!アイタ!な、何故分かったんでしょう?
私イノリさんにこの事、話しました?記憶に無いですが?
「分かりやす!!何よ、告白でもされた?」
「・・・・・・はい」
ですよね?とても自然に口に出されたので何度も聞き間違いでは?と、思いましたが、その後ちゃんと追い討ちが待ち構えてましたので。
「へぇ?で、ティファなんで悩んでるの?答えなんて簡単じゃない」
「え?簡単なんですか?私全然分からないんですが?」
「付き合ってみたいと思うなら付き合えばいいし、嫌なら断ればいい。それだけよ?」
軽い!!イノリさん軽いです!男女のお付き合いってそういうものなんですか?え?でもハイトさん・・・・・。
「ティファと結婚したいぐらい好きって事だからね?」
って言ってましたよ?か、軽い?いや、重い!!
「そもそも、その。友人と恋人の違いって何なんでしょうか?どう思ったら、そういう好きなんです?」
「そうねぇ?独り占めしたいとかじゃない?」
「独り占めしたい?」
ほう?つまり他の方と仲良くして欲しくないと?
うーん?私そんな風に思った事ないですね?
皆さんと仲良くして欲しいです!
「自分以外の女性と一緒にいられたり仲良くされると不安になったりモヤモヤしたりしてとても嫌だったり・・・」
不安にはなりませんでしたが、モヤモヤは、したかもしれないですね?ただあの纏わり付かれかたを見たら誰でもそう感じるのでは?歩行の邪魔ですから。
「ドキドキして顔が直視出来なかったり、相手から目が離せなくなったり?でも、自分に触れて欲しいと思うのよ」
・・・・・えっとぉ。いくつか思い当たりますが、で、でも!絶対にそうとは限りませんよね?
「それで相手に嫌われたくなくて自分の本心を隠したりね?恋は病だって誰かが言ってたわよ?」
「恋は、病・・・・」
「想像してみて?ハイトさんが急にティファに無関心になってティファを無視する様になったら、ティファはどんな気持ちになる?それでも平気で過ごせる?」
え?それは、嫌ですね?でもハイトさんは食の狂人なのでそんな心配した事なかったですが・・・あ、でも前一度そんな事がありました。確かにあの期間不安でした。
「ハイトが、ティファを嫌いだと言ったらティファは平気?」
ハイトさんが、私を、嫌いに?
「ただいまー?あれ?イノリ来てたの?今日は遅い・・・・・え?ティファ?」
あ、いけません。私思いっきり、その場面を思い浮かべちゃいました。絶対零度の瞳で睨まれながら、その言葉を言われる所。想像出来ちゃいました!
「え?何で泣くの?ティファ?大丈夫?ちょ!キルト!」
「え?え?!俺?なんで?俺何もしてないぞ!と、とにかくハンカチハンカチを!!」
「何してるの?」
「「げ!!」」
「あ、ハイトさんお帰りなさい。今日はお早いんですね?」
いけませんね。おかしいです。こんな事で目から涙が止まらなくなるなんて。変な奴だと思われてしまいます。
あ、もう遅いですか?そうでした!
「・・・・二人共ちょっと席外してくれる?」
「ええ、行くわよキルト」
「あ?おう!」
あう!今ハイトさんと二人きりになりたくないんですけど?どうしましょうか?コレをなんて説明すれば?
「ティファ。もしかして僕の所為で考え過ぎてない?大丈夫?」
「・・・いえ。コレはその思い出し泣きと言いますか。決してハイトさんが悪い訳では・・・・」
「座って。少し話をしようよ」
話ですか?そうですか。
なんの話をするのでしょう?!すでに動悸半端ないです!
「あのねティファ。僕ティファの事好きだって言ったけど、それはティファが誤解して僕を他の女性とくっ付けようとしたからで、別にティファに何かして欲しい訳じゃないんだ。まぁ、好きになってくれるなら勿論嬉しいけど」
そうなんですか?でも、それでいいんですか?
普通好きな相手とは一緒にいたいのでは?
あ、一緒にいますけども。
毎日欠かさず私の所に来ますもんね?
「あ、あの。本当に違います。ただ、その・・・私、分からなくてですね?ハイトさんの事は好きですけど、それがハイトさんと同じなのかが分からないんです」
「まぁ、そうだろうね?僕はティファの好みの男性ではないみたいだし」
「え?なんですソレ?好みの男性?」
私、好みの男性なんていましたか?
心当たりありませんが?はて?
「ギャドみたいな見た目の奴が好きなんでしょ?ああいう男らしい奴。ティファ、カッコいいって連呼してたし」
「ああ!そういえば言いましたね?確かにカッコイイとは言いましたが・・・ギャドさんは族長に何となく似ていたので」
「その族長みたいな人と付き合いたいんだよね?ティファは」
「いいえ?特に付き合いたいとは。ただ尊敬はしてました!!族長は強くて頼りになって優しくていつも私を抱っこして頭を撫でてくれたんですよ!!大好きでした!」
「・・・じゃあ僕も抱っこして撫で撫でしてみていい?」
なぬ?
それは、駄目では?いや、でも確かに違いがわかるやも?
「あの。どうすれば?」
「僕の膝の上に座ってくれる?」
あ、はい。では失礼します。
これ、いいんですかね?とても問題があるような気がしますが。ハイトさん平然としてますが。そしてやはり近いですね?私の心臓の鼓動が飛び出さん勢いですが?
「良い子良い子。ティファ、僕の事考えてくれるのは嬉しいけど、それで泣いたりしないでね?僕は、ティファの笑顔が一番好きなんだ」
「・・・・・ハイトさん。私の事、嫌いにならないです?」
「好きだって言ってるでしょ?なんで嫌いになるの?」
だって。私今まで誰にも好かれた事ないんですよ?
一番好きになった人に嫌われるのは嫌なんです。
「ティファが僕を選んでくれなくても、僕はティファを嫌いになんてならないよ」
ハイトさん。私嬉しいはずなんです、でもなんだかモヤモヤしてます。何故でしょう?!