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嘘つきはドロボウの始まり  作者: 夏向 りく
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0話

中宮くんへ



お元気ですか?私は、元気です。

また嘘をついているのではないか?と疑われそうなので、先程の言葉は訂正します。

元気といえば元気なのですが、私は春に大学受験をしようと決め、目標に向けて勉強をしています。ですが、模試の結果がいまいちなので落ち込んでいます。ただそれだけです。

中宮くんは、私と約束した夢、叶えれそうですか?まだ夢は諦めていませんよね?

あなたなら、何年かけても絶対叶えそうな気がして、私まで前向きな気持ちになれます。

あなたが転校して、もうすぐ一年が経とうとしています。東京に行ったら、方言とか話したら馬鹿にされるのではないかなど言っていたけれど、きっと標準語でクラスのムードメーカーでもしているのではないかと思っています。

中宮くん、東京とは素晴らしいところですか?

9月になり、だんだん肌寒くなると思うのでお体にはお気をつけください。



______________________________




これでよし…。便箋二枚に綺麗におさめることができた。

文章に誤りがないかもう一度よく読み、ないことを確認して封筒に入れ、暗記している宛先を記入した。

中宮くんからきた手紙が先週だけれど、もう返事を送るのは早いかしら…。

まあ、もしかしたら一週間ぐらい発送に時間がかかることもあるかもしれないし、お返事は出しましょう。

今どき、スマホやパソコンという便利な物が普及されている中、私達は一年間手紙で近状報告をしていた。

手紙のほうがものとして残るし、返事を待つのワクワクしない?という能天気な発想からこのような状況になった。

私も一年も続くとは思っていなかったけれど。

中宮くんは、いつだって私が思っていることをひっくり返すようなことをする。初めて話したあのときから…。


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