異世界召喚
4話目
遠くから声が聞こえる。
・・・きろ。
お・・・え・・きろ。
もう少し寝かせてくれよ。
「おい! 起きろ!」
「んぁ、うーん。 ここどこ?」
俺は目をこすりながらあたりを見渡す。
部屋は広く豪華な装飾がされており、皮鎧を纏った兵士みたいな人たち。前方の一段高い位置に偉そうに座っているのは王様みたいな格好している。両隣に立っているのは大臣みたいな感じなのかな〜。と思ってしまう。
そっか、俺異世界に召喚されたのか。
「王の御前だぞ頭をさげろ!」
兵士みたいなやつに頭を掴まれ無理やり頭をさげさせられる。
「よい。」
「はっ!」
ようやく頭から手を離し兵士は下がった。
別の兵士が今度は俺の前に立ち羊皮紙みたいなのを広げて
「こちらに手を押し付けて下さい。」
これはつまり手をあてるとお決まりのレベルやステータスがでてくるやつかな。
スキルは貰えなかったが、もしかしたらこっちの世界ではステータスがとんでもないことになってるのかもしれない。
俺はワクワクしながら手を羊皮紙に押し当てた。
羊皮紙から僅かに光が出てくる。
光が収まると予想した通り文字が書かれている。
おぉ、異世界っぽい!
ステータス
種族 人
レベル1
HP 5
MP 1
攻撃力 2
防御力 2
知 力 50
敏捷性 1
魔法攻撃力 1
魔法防御力 1
運 10
これは知力だけ高くて他は低くないか?
そういうものなんだろうか?
兵士は大臣みたいな人の元にステータスが書かれた羊皮紙を持っていった。
大臣みたいな人は羊皮紙を眺め、俺を見て、もう一度羊皮紙を見た。
羊皮紙を丸めるとひとつため息をついた。
「外れですな。」
やっぱステータス低かったか。
けど、もうちょっと言い方とかないもんなのか。
大臣らしい人は再度ため息をつき俺を見た。
「召喚しといてなんだが貴様には用はない。衛兵よ、こやつを城の外に連れていけ。」
「ちょっ! そっちが勝手に召喚しといて放り出すのかよ。 せめてあっちの世界に帰せよな。」
すると大臣らしい人が前に出てきた。
「帰れるわけなかろう。こっちは呼び出す方法しかしらんからな。帰りたければ自分で調べればよかろう。出て行く駄賃を渡してやる。それであとはなんとかしろ。衛兵連れてけ。」
そうして俺は城の外に出された。小さなずだ袋を渡されて。
もうお家帰りたい。
異世界なんて大嫌いだ!