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シャーロット

 何でこの人が二階から飛び降りてきたのかは分からないし、どういうリアクションを取るのが正解なのかも分からないけど、とりあえず挨拶しておいたらいいのかな?


 「あー、こんにちは。えっと、シャーロット、さん?」


 もし、このローブの人がこの店の店主なのだとしたら表の看板に書いてあったシャーロットちゃんその人なんだろうと思い、呼び掛けてみる。

 すると、その人は軽くうつむき、額に手を当てると、何がおかしいのか笑い始めた。


 「クックック……。ハッハッハッ。フアーハッハッハーッ!」


 ……何故に三段笑いだよ。現実でやるやつ初めて見たわ。

 そして、ローブのフード部分を掴み、真下に引っ張るように腕を振り払うと、どういう原理なのか分からないが、その身を包んでいたローブが脱げ、そのまま腕を振り抜くことでローブを後ろに投げ捨てた。何か無駄に動きがカッコいい。

 ローブの中から出てきたのはクレアと同程度の小さな女の子だった。

 赤い瞳に、頭の横で二つ結びにした白い髪。

 薄暗い店内に浮かび上がるようなその容貌はどこかで見覚えがあるような気がするが、こんな特徴的な容姿をそう簡単に忘れるわけもないし、たぶん気のせいだろう。

 その少女は何故かローブの中にマントを身につけていて、それをはためかせると、小悪魔を思わせるような不敵な笑みを浮かべ、妙なポーズを取り、その口を開いた。


 「フッ、よくぞ我が正体を見破ったな。人の子よ。そう、我こそが偉大にして、世界最強の魔術師! シャーロットで……って待てい!」


 自称世界最強の魔術師さんが何かを言っているが、いたたまれない気持ちに押し潰されそうになったので、踵を返して店を後にしようと思ったが呼び止められてしまった。

 仕方なく後ろに振り返ると、少女・シャーロットが頬を膨らませ人差し指を突きつけてきた。


 「何で帰ろうとしているのだ! まだ我が名乗りを上げている最中であろう! えっと、不敬? であるぞ!」

 「……不敬って言うなら、人を指差すのも不敬だと思うんだけど」

 「あ、ごめんなさい。……ではなく!」


 指摘をしたらすぐに謝るあたり素直で良い子なのかもしれない。それに、何というかからかい甲斐がある子だな。


 「えっと、あれ? どこまで言ったっけ?」

 「どこまで言ったかなんてどうでもいいけど、俺を呼び止めて何か用か?」

 「え? 自分から入ってきたのに何でボク……我がそれを聞かれているのだ?」

 「用がないなら帰るわ。じゃあな」

 「なんでぇ~っ!?」

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