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 「そういえば、あんた盾を使うなら防具も見直した方がいいんじゃないか?」


 話し掛けるタイミングを見計らっていたのか、俺とドンガルさんの話が一段落ついた直後、横からアンドレイの声が掛かる。


 「え? 何で防具?」

 「相手の攻撃を避けるのを前提にしてるなら革の防具だけでも十分かもしれんが、盾を持つなら相手と正面から打ち合うのも想定してるんだろ? なら、頭と胸ぐらいは金属の防具で守っておいた方がいいだろうよ」


 なるほど。確かに、盾で攻撃を受けてからの致命傷狙いの反撃は考慮していたが、敢えて攻撃を受ける以上はそれ相応のリスクを覚悟しなければならない。そのリスクを少しでも軽減するために急所を守る防具が必要だというのはもっともだ。


 「何だおめぇさん、防具は革一式か。そいつの言う通り盾持ちなら最低限それぐらいは身につけておくべきだぜ」

 「そうだな。なら兜と胸当ても見せてもらおうかな」

 「おう。それならこっちだ」


 そして、またアンドレイは元の作業に戻り、ドンガルさんに案内されて防具が並べられている棚の前に移動する。


 「とりあえず兜からだな」


 一口に兜と言っても、その種類は様々だ。

 頭の上部を覆うだけのもの、すっぽりと頭全体を覆うもの、顔の部分だけが開いているものから、よく分からない装飾が施されているものまであり、多種多様だ。……ゲームでよく見る角付きの兜はないんだな。あれカッコいいから割と好きなんだけどな。

 ただ、どれも丸みを帯びたデザインなのは変わらないから正直違いと言えば、どれだけ頭を覆い隠しているかどうかという所だけだ。なので、無難に顔の部分だけが開いた兜を手に取り、許可を取って試着してみる。


 「よっと。うん、案外重くはないし、視界も悪くない。でも、ちょっと大きいなこれ。これのもう少し小さいやつってないの?」

 「ねぇよ。ここに置いてあんのは大体の寸法で打った既製品だからな。まぁ、兜ん中の布の量を増やせば据わりはよくなるだろうよ。きっちり自分に合うのが欲しいんなら打ってやらんこともないが、そうなると出来上がるまでに少し時間が掛かるうえに、そこらにあるやつよりも値を張らせてもらうことになるがどうするね?」

 「あー、そういうことなら布を詰めて使うことにするよ」

 「ほいじゃ、そいつをこっちに寄越しな」


 そう言って手を差し出されたので、兜を脱いでその手の上に乗せる。


 「おう、悪いがちょっと屈んでくれや」

 「お? あぁ」


 言われた通りにその場で屈むと、その大きなゴツゴツした手で俺の頭の形を確かめるように触った後、カウンターまで兜を持っていく。そして、棚から布を取り出してそれをナイフである程度の大きさに裁断し、兜の内側に敷き詰めていく。


 「ふん、こんなもんかいな。ほれ、ちょっと被ってみな」

 「はいよ」


 手渡された兜を被ってみると、先程まであった空白が無くなり、頭を上下左右に振ってみてもずれるようなことはなかった。


 「おぉ、すげぇ。丁度良くなった」

 「ワシが手を加えたんだ、当たりめぇだろ」


 さすがは職人というわけだ。それを売りにして飯を食っているだけあって、さっきの接触だけで完璧に調整してきた。

 これなら十分戦闘も行えそうだ。

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