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 でも、これだけあればミリオに借りていた金を全額返済することができる。いや、返してもまだ結構余るな。なんかいきなり小金持ちになったような気分だ。


 「けどよ、額が額だけに全額今この場では渡せねぇんだ。ちっと金融ギルドに金を取りに行かなきゃなんねぇ」


 金融ギルドなんてあるんだ。

 まぁ、あってもおかしくはないか。大金をそのまま家に置いておくなんて無用心にも程があるし、常に持ち歩くには嵩張るし重い。それに、街の中だろうが外だろうが落としてしまえばそこまでだ。まず戻ってくることはないだろう。そのために金を預け入れるための施設があるのは必然と思える。


 「そこで相談なんだがよ、この売り上げ金でいくらか装備を買っていかねぇか? おめぇさんも大金を持って街ん中うろつくのは怖ぇだろうし、どうよ」


 確かに言われてみればその通りだ。大金を持ち歩くのは怖い。金融ギルドのことについてもまだよく知らないし、金を受け取って即預けに行くという選択も取れない。その辺りは後でミリオに聞くとしよう。

 それに実際いくつか欲しい物があったのも事実だ。この際ドンガルさんの提案に乗って今それを手に入れておくことにしよう。


 「そうだな、そうしようかな」

 「おっしゃ。そいじゃ何が入り用だ? 言ってくれりゃ大抵の物は用意するぜ?」

 「えっと、まずは盾を見たいんだけど」

 「おうさ。腕を覆う程度の小盾から全身を隠せる大盾まで何でも揃ってるぜ」


 ドンガルさんが指し示した方を見ると、壁に吊り下げられた小盾や円盾、倒れないように木枠で支えられている大盾などが並べられていた。


 「へぇ、盾って言ってもこんなに色々あるんだな。どれにしようかな?」

 「どういったのが欲しいんだ? 言ってみな」


 そうだな。まず、重すぎないってのは前提条件だよな。丈夫なのは当たり前として、扱いきれないだろうから大きさもそこそこで、攻撃を受け流せるように湾曲している形のものがいいかな。まぁ、要望としてはこんな感じか。


 「えー、軽くて丈夫で、そこそこの大きさの湾曲した盾ってある?」

 「ふむ。それなら、そいつだな」


 顎に手を当てて、少し考える素振りを見せたドンガルさんだったが、すぐに心当たりの物を見つけたのかカウンターの奥からこちら側に出てきた。

 そして、壁に吊るしてあった一つの円盾を棒のような物を使って器用に外すと、こちらに手渡してくる。

 見た目は先程言った通り、そこそこの大きさで、湾曲した形状をしているが、重量はどうだろう。


 「ほいよ」

 「どうも。って、うわ、軽っ!」


 渡された円盾は俺の小剣よりも軽かった。

 え? 何だこれ? 見た瞬間に金属じゃないことは分かっていたが、木製というわけでもないが、材質が分からない。触ったり、軽く叩いたりしてみた限りではしっかりとした硬さを感じられるが、これだけ軽いと強度が心配になってくるんだけど。


 「これって何でできてるんだ? 妙に軽いんだけど?」

 「そいつは魔物の骨と皮で造った代物だ。軽くて丈夫で扱いやすい。重量がないから相手を押し潰したりとかはできねぇが、縁を覆ってる金属は鋭く研いであるから多少斬りつけたりはできるようにしてある。その代わり、骨素材だから欠けたり割れたりしたら直せねぇってのが難点だわな」

 「なるほど」


 骨でできてるから軽いのか。

 丈夫って言ってるなら強度も問題ないんだろうし、大きさも丁度良い。縁で斬りつけられるならいざという時の武器代わりにもなるし、円形だから投げつけたりして使うこともできるかもしれない。うん、悪くないんじゃないかな。値段もそこまで高くないし、盾はこれにしよう。


 「じゃあこれ貰おうかな」

 「おう、毎度あり」


 さて、盾は決まったけど、まだ金に余裕はあるし他のも探してみようかな。

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