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回収

 「それじゃあ怪我も治ったところで、早速行動したいと思うんだけど。その前に武器なんかを回収しないといけないからちょっと待っててくれるか?」


 オークの動きを止めるために投げられるものは全部投げ尽くしてしまったため、今俺は何も持っていない状態だ。さすがにこの場に捨て置くわけにもいかないのでレイエルのもとに向かう前に拾い集めておかないと。


 「見覚えがあると思ってたけど、やっぱりあれってアスマの持ち物だったんだね。わかったよ。じゃあ、その間に私はリィちゃんを起こしておくね」

 「うん、よろしく」


 セシリィのことはミーティアに任せて、俺は辺りに散らばっている自分の持ち物を拾っていく。

 小剣にスコップ、ナイフを拾い上げそれぞれを鞘やポーチに納める。いずれも刃の先端が丸くなったり、欠けてしまったりしているので、帰ったら研磨してもらう必要がありそうだ。

 だが、持ち物の回収をしている途中で、壊れてしまった槍の残骸を発見し、少し物悲しい気持ちになってしまった。

 この半年ほどの間、ほぼ毎日のように使い続けてきたことで非常に愛着が湧いていた俺の相棒だ。

 初めて手に入れた武器であり、初めて魔物を倒した武器であり、この世界での俺にとっての原点の一つでもある。

 それをこんな形で破損させてしまうなんて、完全に俺の力不足が招いた失態だ。

 武器である以上、いずれ壊れてしまうのが運命といえばそれまでなのだが、損耗を考えず無茶な扱いをして破損させてしまったのは俺だ。

 武器は消耗品と割り切ってしまえるほど安価な品ではないので、今後はその辺りにも注意していく必要があるだろう。

 ただ、この槍に関してはもしかしたら再利用できる可能性はある。柄の部分を削り、根元から折れた穂先の部分と再接合すれば、少し短くはなるが武器として扱うことに問題はないように思える。

 ただし、短くなる分遠心力を利用した叩きつけや薙ぎ払いの威力は落ち、リーチの長さによる利点の恩恵が少しばかり失われることになる。

 だが、槍の一番の長所は一点を貫く刺突だ。長さが落ちる分の距離を稼ぐ工夫は必要になってくるが、それさえ確保出来れば十分に実用が可能だ。

 例えば盾で攻撃を受けてから反撃で刺突を放つとか。

 何となくで考えてみたがそれはありかもしれない。そもそも俺が盾を使っていなかったのは筋力が足りなくて片手じゃ扱いきれなかったからだ。だが、今ならその心配もない。むしろ、それが最適な気もしてきた。後でもう少し検討しておこう。

 そして、槍の破片も含めて全ての持ち物を回収してミーティアのもとへ行くと、意識を取り戻したセシリィが木にもたれ掛かり、こめかみの辺りを押さえて唸っていた。


 「あー、頭痛った…」

 「よう、目覚めたか」

 「えー? あー、アスマか。おかげさまでね。ティアー、水ちょうだーい」

 「はーい」


 二日酔いのおっさんみたいな反応だな。

 まぁ、ともかくセシリィも無事に目覚めたようだし、後はレイエルの無事を確認できれば今回の騒動は終結だ。

 何事もなければいいけど。

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