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相談5

「強大な魔力を持つものほど、大きく純度の高い魔石をその身に宿しており、それゆえに劣化の進行も緩やかではあるが、それほどのものを有している魔物は総じて災害級の力を持っているため、極一部の強者にしか相手取ることはできないだろう」

「あー、やっぱりそんな感じなんだ。じゃあ、大きいのを手に入れるのはそもそも無理ってことか。そんなやつと戦闘になった時点で終わりだろうし」


 極一部の強者っていうのがどの程度を指しているのかは分からないけど、ニーアさん並みの強さを基準としているのなら、俺には一生勝ち目もなさそうだ。


「まぁ、たしかに魔石の回収は難しいかもしれんが、その手の相手であろうとまったく勝ち目がないこともないぞ」

「え?」


 こともなげに言った彼女は、得意気な笑みを浮かべてみせる。


「魔石とは、言わば大量の魔力を内包した器だ。ならば、それが体内で砕け散れば、どうなると思う?」

「……うわぁ」


 その様を想像してしまい、あまりの惨さに血の気が引いてしまう。


「ふっ。貴様が想像した通りだ。放出された魔力により体内を掻き乱され、砕け散った破片により己の内側を蹂躙されることになり。そして、すべての魔力を失うことになるだろう」


 赤い目を細め、口の端を歪めてみせたシャーロットは「くくくっ」と小さく笑い声を漏らしてみせた。

 ……いや、怖いんだけど。


「魔石を有していることが必ずしも優位に働くとは限らない。知識さえあれば、利点を欠点へと貶めることも可能というわけだ」

「な、なるほど」


 知識は力なり、ってやつだろう。

 それを知っていなければこの発想が出てくることはないからな。


「ただし、大きな魔石ほどその強度は計り知れないほどに増していくので、そう簡単に破壊することはできないのだがな」

「あ、そうなんだ。ってまぁ、そんなうまい話はないよな」

「うむ。だが、知っていて損をするということもなし、覚えておけば役に立つこともあるだろう。頭の片隅にでも置いておくといい」


 彼女の言葉に「はい」とだけ答え、頷いてみせる。

 ……あ、でもクレアの魔刃なら強度なんて無視して斬り裂くこともできるのか。

 まぁ、それもこれも、結局相手に武器の届く距離まで近づかないといけない以上難しい話ではあるんだけど。


「さて、少し話が逸れてしまったが、次は魔石の用途についてだ。ここからが本題へ絡む話となるので、しっかりとついてくるのだぞ」

「うっす」


 ここから先はさらに重要な話へと切り替わっていくようなので、意識を集中させて彼女の言葉へと耳を傾けていく。

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