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相談

「なるほど。クレアちゃんの誕生日に、魔術の込められた指輪を贈ろうとしていると。いいじゃないですか。弟子にしては気が利いていて」


 シャーロットの魔法薬店にて。

 本格的に相談を持ち掛ける前に、遠回しな話題から徐々に本筋へと話題を持っていったところ、贈り物の選択について彼女からは悪くない反応があり、少し嬉しくなる。


「俺にしては、ってところがちょっと引っ掛かるけど、まぁそれはいいや。で、なんだけどさ。先生はその指輪がどれぐらいの値段するかって知ってる?」

「ええ、当然知っていますとも。一般人では絶対に手も出せないほど高価なものですよね。でもそれだけに、弟子の頑張りが伝わるというものです」


 うんうん、と頷いてみせるシャーロット。

 その姿から、彼女が少し勘違いをしているのが分かるだけに、この先の本題を口に出すのを躊躇しそうになる。


「うん。そうなんだよ。すっごい高いんだよ、あれ」


 だが、ここで臆していては完全に手遅れになってしまうので、意を決して口を開く。


「……それで、さ。どう足掻いても、誕生日までに金が貯まりそうにないん、ですよね」

「はい?」


 小首を傾げ、ぽかんとした表情で、シャーロットはこちらをまっすぐに見詰めてくる。


「いや、うん。頑張って貯めようとはしてたんだよ? ここ最近は本当に一切無駄使いとかはしてないし、できる限りで節約もしてたし」


 なんなら必要な物にすら金を掛けていないぐらいには、本気で貯金をしていたぐらいだ。


「でも、この前その手の店に行って、そこで初めて指輪の値段を知ったんだけどさ。まさか、あんなにするものだとは思ってなかったというか。完全に誤算だったというか」


 さすがにあれは高すぎた。

 少なくとも、回復薬一つでさえ大金だと思っている俺には手の出せる代物ではない。


「それぐらいはもっと早くに確認しておきましょうよ」

「そう。そうだよな。その方がよかったんだろうなって思うよ、俺も。結果的にこうなっちゃってるわけだし」

「なら、どうしてこうなったんですか?」

「いや、単純に計画性がなかっただけ、です。自分の金銭感覚のなさを忘れてました」


 今までその辺は特に意識しなくてもどうにかなっていたので、楽観視していたけど、色々なものを見て回って勉強した方がいいんだろうなと、反省している。


「まったく、やれやれですね」


 呆れたようにそう言って、シャーロットは頭に手を当て首を左右に振っていたが、「あれ?」となにかに気づいた風な声を上げ、こちらに顔を向けてくる。


「ちょっと待ってください。え? もしかして、弟子が一人でここへ来たのは、僕にそのお金をせびるため、ということですか?」


 とんでもない勘違いをして、顔をひきつらせドン引きするシャーロットを、「いやいや違うよ!?」と慌てて精神的に引き止め、誤解を解きに掛かる。

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