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下水道8

「あんまりややこしい内容にしてもあれだから、分かりやすく魔物を多く倒した方が勝ちってことで」


 ルールは簡単な方がアンネローゼもやりやすいだろうし、勝ち負けも分かりやすいからな。


「ただ、さっきと同じようにガルムが策敵をしてから同時に攻め始めるんじゃアンちゃんが強すぎる。だから、二手に分かれて別々に行動しよう。組み合わせは二人で決めてくれていい」


 それによっても少し結果に影響は出るだろうけど、この時点ですでに勝負は始まってると考えれば問題はないだろう。


「なら、アスマ。お前、俺とこい」


 と、早速とばかりにガルムリードがこちらへ声を掛けてくる。


「俺でいいのか?」

「かっ。当たり前だろぉが。勝負の内容次第だが、これならお前一択だ」


 それ以上は言う必要がないとばかりに、ガルムリードは腕を組んでアンネローゼへと視線を向ける。


「アンちゃんもそれでいい?」

「う?」

『……えっと……アスマ君とガルム君が一緒に行動するから……アンちゃんは私と一緒に行動することになるけど……それで大丈夫かって』


 ざっとした説明がいまいちよく理解できなかったのか、アンネローゼが首を傾げていたが、それを補足するようにクレアが説明をすると、それで意味が伝わったようで、「うん、いいよー!」と大きく頷いてみせた。


「それなら、組み合わせはこれで決まりとして、次は行動範囲の話だ。あまり広く探索して互いの距離が開きすぎても、いざという時に駆けつけられないだろうから、移動するのはここから区画で二つ向こうまでってことにしておこう」

『……うん……それぐらいがちょうどいいかもね』


 クレアの同意と共に二人も頷いたことでそれも決定として、次に話を進める。


「じゃあ、次は制限時間について。これは、さっきテレサさんが言ってた人たちが入ってきたらその時点で終了で、それ以外にもなにか問題があったら終わりってことにしよう。全員に《思念会話》を繋いでおくから、その時は連絡よろしく」


 こうしておけば万が一の場合に対応しやすいだろうし、異常を発見した時にも即座に連絡を取れるから安心だ。


「それで、最後になるけど。勝敗が決まったあとの話をしようか」


 みんなの顔を見回して、こちらに注目が集まっていることを意識しながら口を開く。


「どうしようか迷ったんだけど、やっぱりここは勝った方が相手に一つ要求を飲ませられるってことでいいか? たとえば、アンちゃんが勝ったならこれからガルムのことをガルルンって呼んでも怒られない、みたいな」

「え、いいの? やったー!」


 適当に出してみた例を聞いたアンネローゼは、飛び上がるように喜ぶ。


「いや、もし勝ったら、だけどな」

「うん! じゃあ、アン絶対勝つね!」


 彼女は満面の笑みでそう言ってみせ、今すぐにでも走り出さんとばかりに足をバタバタとさせている。


「ガルムもそれでいいか? なんか俺が勝手に決めちゃってなんだけど」

「おう、問題ねぇ。勝てば要求を通せるってのはおもしれぇじゃねぇか。あぁ、それでこそ勝負ってもんだ」


 こちらもやる気が漲っているようで、歯を剥き出しにして笑ってみせるガルムリード。


「あー、要求っていっても常識的な範囲でだからな? あまりにもきつい内容ならさすがに止めるぞ」

「かっ。わかってるってぇの。んなことよりも、さっさと始めようぜ。勝負をよ」

「ん。それじゃあ始めるか。みんな安全第一で、無茶は禁物でな」


 それだけ言って、最初に向かう区画を別々に決めると、開始の合図と共に俺たちは走り出した。

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