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下水道6

「やっぱりいやがんな。スカベンジャーだ」


 ガルムリードに続いてやってきたのは、最初にスカベンジャーの群れを倒した区画だ。

 ここへ戻ってくれば、またあの魔物が現れているだろうとのことだったが、どうやらその読みは当たっていたようだ。


「へぇ、さっきあれだけやったのにまた出てきてるのか。本当にいっぱいいるんだな」


 相当数は倒したはずだったけど、広大なだけあってこの場にはまだまだ大量の魔物がいるようだ。

 ……自分たちの暮らしている場所の地下にこんなに魔物がいるって、よくよく考えるとかなり怖いよな。

 まぁ、だからこそこうして駆除しているわけだけど。


「でも、よく分かったな。あいつらがここにいるって」

「死体を片づけたところで、血と肉片はまだそのへんに転がってんだ。そんならあの死肉喰らい共が集まってこないわけねぇだろぉよ」

「あー、なるほど」


 ガルムリードも意外にそういうことちゃんと考えてるんだな。

 本人にそう言ったら怒られそうだから言わないけど。


「準備はいいな、てめぇら」


 それに俺たちが頷いてみせると、ガルムリードはにやりと笑い、「行くぞ!」と一人で先に飛び出ていく。

 それに置いていかれまいと、こちらもその場から飛び出そうとするが、それよりも速く、目にも止まらぬ速度で動き出したアンネローゼが、ガルムリードをあっという間に追い抜いてしまう。


「な、てめっ」

「びゅーん、ずどーん!」


 アンネローゼはそのまま圧倒的な敏捷力でスカベンジャーに肉薄すると、逃げ出そうとするそれの背を槍で刺し貫いて絶命させ、即座に次の獲物へと躍り掛かっていく。


「速すぎんだよ、くそが!」


 あまりの早業に悪態をつきながら、負けじとガルムリードもその拳で魔物を押し潰してみせるが、速度差がありすぎて、その間にもアンネローゼが一人でどんどんとその数を減らしていく。


「へへ~ん。はっやい者勝ちだよーん!」


 煽るような物言いに、ガルムリードは「上等だ!」と気迫を込めるように言い放ってみせた。


「余裕だな、あの二人」

『……ふふ……でも頼もしいよね』

「まぁ、それは間違いない」


 その光景に呆れながらも、改めて二人の強さを実感する。

 ただ、このままそれを眺めていると、本当に何をすることもなく魔物を倒し尽くされてしまいそうなので、二人から遠ざかっていこうとしている個体を目標に定め、距離を詰めていく。


「よし、やるぞクレア。俺から離れすぎないように」

『……うん!』


 そうして、互いの距離を意識しながら、二人で魔物の討伐を開始する。

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