質問12
「えっと、つまり。ギフトレベルには基礎レベルみたいに100の上限はないけど、まだ誰も上限には辿り着いた人がいないから成長限界があるのかどうか分からないってことか?」
「ま、そういうこったな。少なくとも俺の知ってる範囲では、そこまで極めたやつはいねぇってことしか分からん」
一通りの質問を終えたあと、最後とばかりになんとなくでギフトレベルの限界も100レベルなのかとグランツさんに訊ねた結果、返ってきた答えはこの通り「分からん」というものだった。
限界値が100以上であることは確からしいが、結局のところギフトレベルも基礎レベルも、上昇すればするだけ次のレベルまでの道のりが遠くなるために、未だギフトレベルの上限は確認されていないようだ。
「ってなところで、時間も時間だしそろそろお開きにすんぞ。結局アンネローゼは寝ちまったみてぇだしな」
と、グランツさんの視線を辿ってみれば、その言葉通り机に顔を乗せて寝息を立てているアンネローゼの姿があった。
というかまぁ、質問を始めてすぐぐらいに寝てたから今さらではあるけど。
「ごめんね。せっかくためになる話をしてくれていたのに」
「はっ、構やしねぇよ。そいつに小難しい話をしたところで聞いちゃいねぇんだからよ」
「あはは、そうだね」
呆れたような表情を浮かべるグランツさんに、ミリオが笑って応え、彼女を起こそうとしたところ彼から待ったの声が掛かり、その動きが止まる。
「そいつはあとで医務室のベッドにでも運んでおくから、そのまま寝かせといてやれ。それにお前らも散々暴れて疲れてんだろ、今日はもうさっさと帰って飯食って寝とけ」
こちらを気遣うようにそう言ってみせた直後、「帰れ帰れ」と言わんばかりに手で虫を追い払うような仕草をするグランツさん。
それに苦笑いを返しながらも、たしかに疲れているのは事実なのでアンネローゼのことは彼らに任せて、挨拶と共に部屋を出ようとしたところで、「あの」とテレサさんが声を上げた。
「ギルドマスター。もしかして、私の存在を忘れていたりしないでしょうか。それとも、これは新手の嫌がらせかなにかですか?」
と、どこか怒ったような様子でグランツさんに話し掛けたところでなにかを思い出したのか、彼は「あ」と声を上げる。
「……よし、お前らもう一回集合」
神妙な面持ちでこいこいと手招きをするグランツさんを不審に思いながらも、そちらへ向き直り次に来る言葉に備えていると、彼はちらりとテレサさんに視線を向け、もう一度こちらへと視線を戻して口を開く。
「まぁ、大したことじゃねぇんだが。お前らのパーティーにこいつを入れてやってくんねぇか?」
そう、なんでもない風にそんなことを言ってみせた。




