質問7
「見てみる?」
「……お、おう。せっかくだから、見てみようかな」
実際、怖いもの見たさっていうのもあったし、そういう風に進めてくれるのなら、どの程度の違いがあるのかを知っておくのもいいのかもしれないし。
というわけで、全員がアンネローゼのステータス及び《ギフト》を確認し終えたところで、それがミリオのそれとどの程度差があるのかを比較するために、今度はミリオが鑑定石を発動させ、その情報を共有していく。
【ミリオLv43】
まず入ってきたのは、アンネローゼよりも高い彼のレベル情報。
以前に聞いた時よりも二人のレベル差は縮まっているものの、それでもまだ7つ分上回っていて、単純に考えればステータスについてもそれと同様の結果がみられるはずだ。
「……は?」
だが、ミリオのステータス情報を読み取った瞬間にその予測はあっさりと裏切られる。
アンネローゼのステータスは直前に見たばかりなので、さすがに記憶違いではないと思うけど、それを疑ってしまうほどに隔絶した差がそこにはあった。
「えっと? この魔道具壊れてる?」
「ううん、正常だよ。自分で確認しても同じ結果が出てるからね」
「あぁ。おかしいのはあいつの方だって話だ」
ミリオに続く形でガルムリードが同意を示し、アンネローゼのそれが異常なことだと言及する。
「いやでも、さすがに倍以上の差があるってのはさ……え、本当に?」
まぁ、正確に言えば倍以上に開いている能力もあるという意味で、全てがそれだけ上回っているというわけではない。
部分的にみればミリオの方が高い能力もあるので、それと比較してみるばアンネローゼのステータスがかなり歪なことが分かる。
「あー、ガルムのステータスと比べてもこんな感じなのか?」
「まぁな。おい、ミリオ。そこ代われ」
そう言って、ミリオと交代する形でガルムリードが鑑定石を発動させ、彼に促されるようにして今度はそのステータスを確認していく。
【ガルムリードLv42】
レベルはミリオと1違い。
ステータスには役割の違いからかそれなりの差はみられるが、アンネローゼのそれと比べれば驚くようなものではなく、これが一般的な能力差なんだろうと推測することができる。
「たしかにこうして比べてみると、アンちゃんの凄さが余計に際立つな。どうなってんだ、これ?」
「かっ。んなもん、俺が知るかっての」
当たり前といえば当たり前の返しに、浮かんだ疑問をそのまま口に出してしまったことを反省し、苦笑と共に「まぁ、そうだよな」と応える。
となると、やっぱり重要になってくるのは《槍術》に付随しているLvの方だろう。
これがステータスにも影響を与えているんだとすれば、一応の説明はつく。
ただ、それにしては影響の受け方が異様というか、なんというか。




