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挑戦

「……なるほどな。でも、相手は剣の戦姫だぞ? 通用するのか?」

「それを言い出したらきりがないよ。そもそも、僕たちには最初から勝ち筋なんて用意されていないんだから。でも、どれだけ彼女が優れていると言っても、人であることに変わりはない。だから、付け入るとすればそこしかないんだよ」

「まぁ、な」


 というわけで、あれよあれよという間に話が進んだ結果。

 現在俺たちは訓練場中央にて、顔を寄せて向かい合い、作戦会議をしていた。

 議題はもちろん、剣の戦姫──ニーア・シュヴァルツァーに一矢報いる手段について、だ。

 魔力残量的にクレアは参加できそうになかったので、俺、ミリオ、アンネローゼの三人であの強者に挑戦することとなり、誰がどの役割を担うのか、どう行動するのが最適なのかを話し合い、それが今終わった。

 話し合いと言っても、ミリオが割り当てたそれに俺とアンネローゼが了承して、細かい調整についてはぶっつけ本番で、というかなり大まかな取り決めをしただけなのだが、事前にこれを決めているのといないのとではかなり差が出てくる。

 具体的には、攻守を切り換える際に生まれる遠慮や、迷いといった瞬間的な判断力に影響を与え、それを緩和してくれ、行動による幅に方向性ができるので、多少の余裕を持った状態で戦闘を行えるようになる、といった具合だ。

 いつもは話し合いの場面になると、退屈そうに槍を弄んでいるアンネローゼも、今回は終始楽しそうに参加していた。

 まぁ、わくわくしすぎてその間ずっと満面の笑みを浮かべているのがちょっと怖かったけど。

 なんにしても、これは俺たちにとって確実に意味のある挑戦であり、俺個人としても最高の経験となる壁だ。

 だから俺は、ここで絶対に、今の限界を超えてみせる。


「よし。それじゃあ……」


 そう言って、ちょうど俺たちの中心に手を差し出してきたミリオの意図を察して、その上に自分のそれを重ねると、アンネローゼも続いて手を重ねてくる。


「いくよ!」

「おおっ!!」

「いぇーっ!!」


 と、普段あまり聞くことのないミリオの強い号令に合わせて、俺たちもそれぞれ声を上げ、同時に手を振り下ろすと、一斉にニーアさんの方へと顔を向け、それぞれが武器を手にして歩み出す。

 理不尽な強さを持ち、始めから勝つことなどできやしない相手を前にして、気合い十分、その顔に笑みを浮かべながら。

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