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妨害戦

「それじゃあ、勝負内容は今決めた通りで大丈夫ですか?」

「うん。それが君の力を一番発揮できる方法だというのなら、私に異論はない。思う存分にやってみろ」

「はい。ありがとうございます」


 移動を済ませた後、ミリオはニーアさんへこれから行う戦闘内容についての提案をした。

 その内容とは、弓と魔術を駆使して、ミリオがニーアさんの進行を止められるかどうかというものだった。

 ミリオがなぜそんな提案をしたのかというと。

 曰く、自分の力は格上の相手を撃退できるような優れたものではなく、近接戦に持ち込まれてしまえば、為す術もなくやられてしまうだろう。

 そんな自分には、仲間のため、その足止めや撹乱をするのが関の山だという。

 なので、自分の勝利条件は進行してくるニーアさんの足を止める。

 もしくは、その場から一定以上彼女を後退させること、それがミリオの出した自分なりに勝算のある条件だということだ。

 ただし、それは自分にだけ有利に働く条件なので、断ってくれても構わないというミリオの発言を、ニーアさんは「いや」と言って流し、全面的にその条件を受け入れてみせた。

 それは彼女の自信の表れなのだろう。

 その程度の不利では決して揺らぐことのない、自身の力に対する自負。

 はたして、ミリオはその条件で絶対強者である剣の戦姫にどこまで食い下がることができるのか、見ものだな。


「じゃあ、始めようか。最初の一歩は私が踏ませてもらおう。それが、開始の合図だ」

「ええ。お願いします」


 その返事を受けたニーアさんは、頷くと同時に腰の剣を引き抜き、そして、始まりの一歩を踏み出してみせた。


「《エンチャントエレメント・バーストショット》!」


 直後、即座に矢をつがえたミリオが放った一矢は、爆発魔術を付与した《バーストショット》。

 風を切り裂いて飛翔した矢は、ニーアさんが踏み出した足下、そのわずか手前に着弾し、粉塵を巻き上げる程度の小爆発を起こした。


「《ウォーターバレット》!」


 そこへ追撃を掛けるように発動させたのは、水魔術の水弾。

 この魔術は低威力ではあるが、その速度は水魔術の中でも最速のもので、一時的に相手の視界を潰すためや、可燃物、爆発物などに撃ち込むことで、それらの機能を著しく低下、もしくは無害化させることを目的に使用される魔術だ。

 砂埃によって視界を遮ったうえで、それを三度放ったミリオは、矢筒から取り出した矢に魔術を付与し、さらに追撃を仕掛けていく。

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