評価2
「でも、抜き出てるのはそこだけね。それ以外は並もいいところで、技量に至っては見るべくもないわね」
「なるほど。それで、結論は?」
「うーん。及第点ってところかしら。もちろん条件付きで、だけど」
話の流れ的に、どうやらガルムリードのあの尋常ではない耐久力に関しては、彼女のお眼鏡に適うことができたようだ。
その部分だけが認められるというのが、いいことなのかどうかは分からない。
でも、注目されるということは、わずかながらも興味を持ってもらえているということなので、そこを取っ掛かりにして自分なりの強みを生かしていけば、いずれはガルムリード自身の魅力にも気づいてもらえるだろうか?
「条件とは、《ギフト》のことか?」
「ええ。あれだけの打たれ強さは、確実に《ギフト》の影響を受けているそれだから、発現した《ギフト》によっては化ける可能性はあるものね」
ギフト?
……そういえば、昨日シャーロットもその言葉を出していたような気がする。
あの時は、魔道具かなにかだと思ってたけど、今レウナーレさんは発現って言ったよな?
だとすると、ギフトっていうのは個人に現れる特殊な能力のようなもの、なのか?
「ふっ。さすがはアンネローゼの仲間といったところか。これでまた一人候補が増えたというわけだ」
「そうね。それじゃあ次いく?」
「あぁ。これはあとの二人も楽しみになってきたな」
笑顔を浮かべているのが透けて見えるように弾ませた声で、戦姫同士の話を終わらせたニーアさんは、こちらに向き直って手を伸ばし「次は誰がくる?」と言ってみせた。
「どうしようか? アン、先に行く?」
「ううん。アンは昨日戦ったからあとでいいよー」
と、先程ガルムリードに言われたことを微妙に気にしているのか、当初みせていたのやる気を引っ込めたアンネローゼは、後ろに三歩ほど下がってみせ、「どうぞどうぞ」と言わんばかりに両手を差し出した。
「そっか。うん、わかった。それじゃあ僕が行かせてもらおうかな」
こちらを一瞥してきたミリオに、「どっちでもいいぞ」というような意味合いを込めた視線を返すと、クレアも同じような反応をしたのか、一度頷いたあとミリオはそう言って一歩を踏み出してみせた。
「ふむ。次は君か」
「はい。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしく。それで、君はどちら戦いたい?」
そう言われたミリオは、少しだけ考えたあと「それじゃあニーアさんで」と答え、快諾してみせたニーアさんと共に訓練場の中央へと移動していった。




