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「ボクの事情についてはここまでにしておきましょう。ただ、弟子の心遣いを無下にするのも悪いので、《目》は飛ばしておくことにしますね」

「え?」


 目を飛ばすってなんだ?

 物理的にって意味ではないだろうけど、まったく分からない。


「どういう意味?」

「言葉で説明すると難しいので詳細は省きますが。この場にいながら違う場所の景色を見られるように自身と視界を共有できるモノを放っておく、ということです」

「あー。エルフが精霊を通して視界を確保するあれと同じような感じか」


 前にエルフ娘のレイエルが使ってたやつだ。

 なら、シャーロットはライカを目の役割としてこっちに寄越すつもりなのかな?

 ……でも、あれって精霊術の応用とかそんな感じのだろ? なんでそれを使えるんだ、この子は。それとも精霊の力を借りれれば誰にでも使えるものなのかな?


「ん、知ってるんですか弟子?」

「あぁ。前にエルフの娘たちと共闘する機会があって、その時にそういうことができるって聞いたんだよ」

「ふむ。まぁ、そのような感じですね。ですが、あの種が自分たちの力について話すなんて珍しいですね」

「そうなの? 隠してるような気配はなかったからミリオたちには話しちゃったんだけど。悪いことしたかな?」


 ……というか、自分の知らないところで手の内を勝手に話されていたらいい気はしないか。反省しよう。


「ボクもあの種について詳しく知っているわけではないのでその辺りは定かではないですが、いたずらに言い広めたりしない限りは問題はないでしょう。本人たちが話した程度のものですし」

「かな? まぁ、今度からは気をつけることにするよ」


 とりあえず、今度会いに行った時に謝っておこう。

 あー。そういえば、いつ会いに行こうかな?

 セシリィに渡す本の写しはこの前終わったから、あとはミーティアに渡すお菓子とレイエルに渡す人形を用意すればいつでも行けるっちゃ行けるんだよな。

 まぁ、その辺りはみんなの都合を聞いてから決めることにしよう。


「さて。それではそろそろ休憩も終わりにして、訓練を再開しましょうかクレアちゃん」


 こちらとの話が一段落ついたことで、俺が来るまでに行っていた訓練を再開させるため、シャーロットがクレアへと声を掛ける。


『……うん……分かった……じゃあ……お願い』

「はい。では、いきますね」


 そうシャーロットが宣言した瞬間、彼女の体から魔力が溢れ出し、それが俺たちの周囲を覆うように展開されていく。


「うおっ。なにこれ? 新しい訓練法かなにか?」


 唐突な魔力放出に驚き、少しの動揺と共にシャーロットへそう問い掛けると、彼女は口の端を吊り上げ歯を剥き出しにして笑った。


「いかにもその通りだ弟子よ。これこそ、クレアちゃんの魔力操作を次の段階へと進めるため、我が用意した試練。その名も──《封魔領域》だ」

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