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後始末

「ふぅ。終わりっと」


 三体のゴブリン。その最後の一体に止めを刺すと、剣に付いた血を振り払って刀身を鞘に仕舞い込む。

 そして一息つくと、三つの死体の足首に荒縄を巻きつけほどけないのを確認し、それを引きずる形で元来た道を引き返していく。

 少し進んだところに顔が割れたゴブリンの亡骸が落ちていたのでついでにそれも回収しておく。

 そこから少しして先程自分が立て掛けておいた松明を発見したので、荒縄を腕に巻きつけて手を空け、拾い上げつつ周囲に視線を向けてみれば複数のゴブリンの死体がそこらに転がっていた。

 たぶんこれは逃げ出してきたゴブリンを待機していたクレアとカイルが始末した跡だろう。

 その二人がここに居ないのは、ゴブリンの数が数だけにここですべてを倒すことができなかったからだろうが、まぁたとえそうだったとしても入り口にはあとの三人が控えているから問題はない。

 ということで特に急ぐこともなく出口を目指していると、向こうでも決着がついたのか、そちらから松明を手にしたクレアとカイルが戻ってきた。


「おっ、兄ちゃんじゃん。もう全部片付いたのか?」

「おう、この通りな」


 そう言って腕に巻きつけた荒縄を引き寄せ、逆の手で引っ張ってきたものも合わせて四体の大柄なゴブリンを戦果として見せると、「でかいな」とカイルが僅かに驚いてみせ、クレアはそいつらが装備しているものを確かめていた。


「二人がこっちに来たってことはそっちも終わったってことでいいんだよな?」

「おう、ばっちりな!」

『……うん……終わったよ』

「おし。じゃあこいつらの処理を済ませたら、盗まれたっていう武具を回収して任務完了だ」


 俺の言葉に二人は頷き、同意を示す。

 今回俺たちが受けた依頼はここから東に一キロほど進んだところにある村の鍛冶師からのもので、ゴブリンに自分の造った武具を盗まれたので取り返してほしいというのだった。

 村からは他にも農具などがなくなっていたことからそれらについてもゴブリンの仕業である可能性が高かったので、その場合はそれも持って帰ることを約束してゴブリンたちが潜んでいると思われる洞窟までやってきたわけだが、どうやらそれも当たりだったということだ。


『……それじゃあ……とりあえずみんなのところに戻って……手分けして作業を進めよう』


 クレアの出したその案に異論はなく、三人でゴブリンの死体を運びながら三人の待つ場所へと戻っていく。

 そしてすべての作業を終わらせると、ゴブリンたちが盗んだ物を村へと持ち帰り、報告と任務の完了手続きを済ませた後にアルクスへと帰還した。

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