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討伐25

 「で、この後はどうする? これだけの数を狩られたらさすがにもうここに攻め込んでくることはないと思うんだけど」


 一段落がついて、ようやくまともに話し合いができる状況になったので意見を求めてクレアへと声を掛ける。


 『……そうだね……でも念のために一回森の中を調べてみたほうがいいと思うの……結局群れのリーダーは倒せてないし』

 「そうね。これだけ仲間がやられたんだから、もしかしたら命懸けで報復に来たりするかもしれないしね」

 『……うん……だからできればここで倒しておきたいんだけど……それでいい?』


 そう言って確認を取るように、クレアは視線だけで皆の顔を見回して問い掛けてくる。


 「うん、いいと思うよー。賛成」

 「僕も賛成だよ。ここで見逃したらまたどこか別の場所で同じようなことにならないとも限らないしね」


 ユーリとオリオンはその方針に納得がいったようで、頷き、了承の言葉を返してくる。


 「おっし、決まりだな。じゃあ早速行くか!今度はこっちが攻める番だ」

 「待った。まだクレアの話は終わってないぞ」


 意気揚々と敵の領域に踏み込もうとするカイルの肩を掴んで動きを止め、その視線をクレアの方へと向けさせる。

 クレアもこのパーティーの面子にはだいぶ慣れてきたようではあるが、まだ完全に馴染めてはいないようでカイルに待ったの声を掛けづらそうにしていたので、俺が代わりに声を掛けたわけだ。


 「っと、悪い悪い。続けてくれ」

 『……ごめんね……えっと……皆休んでる途中でここにきて戦ったから疲れてるでしょ?……だから森に入るのは一回仮眠を取って……もう少し日が昇ってからにしようと思うの……どうかな?』


 確かにクレアの言っていることはもっともだ。

 長時間行動を続ければそれだけ疲労が溜まる。戦闘行為を行えば尚更に。

 それに、睡眠が足りなければどんどん思考や注意力が散漫になってくる分危険も増すだろうからな。リリアもそろそろ限界だろうし。


 「そうだな。ここらで一旦休憩を挟むのは悪くない判断だと思うぞ」

 「ん、睡眠は大事だよー。実は私すっごく眠いー」

 「ええ、正直そうしてくれるなら助かるわ。もうさっきから体がダルくてしょうがないのよ」

 『……うん……それじゃあ誰か代わりの人を呼んでくるからちょっと待っててね……アスマ君』


 クレアが上目遣いでこちらを窺うように見詰めてきたので、その意図を察して自分からそれを申し出る。


 「ん、じゃあ一緒に行くか」

 『……うん!』

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