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報告14

 『……《フラッシュ》……そっか……あれが魔術なんだね』


 クレアは自身で初めて魔術を行使したことに対して達成感を味わっているのか、そう呟くように言いながら何度も自身の掌を開閉させる。


 『……これがあれば……私にも使えるんだ……魔術が』


 言葉から僅かな興奮を覗かせながら、クレアは自身の右腕に嵌めたブレスレットを真剣な眼差しで見つめている。


 「そうですね。以前にお話しした通り、クレアちゃんには一般的で最も容易な魔術の発動法である発声による魔術の行使ができません。魔力を用いての念話では、それを《意味のある言葉》として世界に認識させることができないからです」


 俺もそのことについては前にクレアから聞き及んでいたので特に驚きはしないが、その理論については未だによく理解はできていない。

 肉体から発せられる声と、魔力を用いることでそれを再現した声には何か違いがあるというんだろうか。


 「ただし、それは発声による魔術の行使ができないというだけの話であって、魔術そのものを扱えないという話ではありません。ようは魔術を発動させるには魔力を《意味のある言葉》という形に変換し、世界へと影響を及ぼせるように再構築すればいいというだけのことなので抜け道はいくつかあります。その内の一つ方法が魔晶石に魔術文字を刻み込むというものになります」


 シャーロットは身振り手振りを交えて自身の持っている魔術に関する知識を惜し気もなく披露してくれているが、先程も言っていた魔晶石、魔術文字という未知の単語が気になって微妙に話に集中することができないでいる。


 「魔晶石というのは魔石を加工したものの総称でして、魔石を魔晶石へと昇華させることで本来魔石の持っている魔力を増幅するという性質をより高めたり変化させたりできるんですよ。そこに魔術を構成している要素、たとえば《フラッシュ》であれば集束、発光、炸裂などといったその一つ一つの意味を文字として表した魔術文字を刻み込むことで、魔力を《意味のある言葉》へと変換、再構築し、半自動的に魔術として発現させることのできる魔具と呼ばれる形にしたものがそれです」


 と、思っていたら魔晶石と魔術文字についての説明をしてくれたが、話が複雑すぎて正直半分程度しか理解することができなかった。

 正直、魔術に関しての話は大抵の場合抽象的であったりすることが多いんだが、たまに理論的な場合もあったりするので本当についていけない時がある。

 まぁ教えてもらえてるだけでも感謝すべきなんだろうけど、もう少し分かりやすい、教科書的なものとかはないのかな? ……ないんだろうなぁ。

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