表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/644

取得条件

 ギルドでのやり取りを終えた翌日。

 俺は今日もギルドへとやってきていた。

 目的はもちろんスキル取得と魔術を扱えるようになるための鍛練をするためだ。

 そのため今日はミリオが付いてきていない。俺一人だ。

 何か心細いというか、ちょっと寂しいな。一人でやっていけるか正直不安だ。

 まぁ、俺を鍛えてくれる教官のゲインさんは見た限りでは優しそうな人だったし、あまり無茶なことはしないと信じたい。

 何にせよ一人で鍛練をするのは限界があるし、一人で魔物を狩りに行くのは実力的に不安が残る。

 そういう意味では自分を鍛えてくれる相手を用意してくれたグランツさんには感謝しないといけないな。

 今までもミリオやアンネローゼに鍛えてもらってはいたけど、あの二人は別に人にものを教える専門というわけではない。あくまでも一冒険者として何の技術も持っていない俺に基礎を叩き込んでくれたにすぎない。

 今以上の技量や戦闘技術を身に付けようと思えばやはりそれ相応の人間に師事して、本格的な鍛練を積まなければならないだろう。

 その過程でスキルが取得できれば御の字だ。

 俺の予想ではスキルを取得するためにはスキルごとに決められた一定の条件を満たすか、反復訓練による熟練度の上昇によって獲得できるんじゃないかと思っている。

 俺が今持っているスキルの中にも条件を達成したことにより獲得したと思われるスキルがいくつかある。

 ただ、今までにスキルを取得した場面に立ち会えていないことが最大の難点だ。そもそもスキルを取得した場合あの謎の音声ガイドが報告してくれるのか、それともステータスを確認するまでは分からないのかそれすらも分かっていない状況だ。

 何度かスキル取得場面を確認することができれば、今後のスキル取得のための訓練にも方向性がつけられるしな。

 称号に関してもそうだ。

 取得方法は一定条件を満たすことだと思うけど、今ある称号はそのどれもが俺の生命が危機に陥った場面で手に入れたと思われるような称号ばかりだ。

 もしこれが称号を手にいれるための平均的な取得条件なのだとしたら、まず狙って獲得することは不可能になってしまう。

 そうなると、基礎ステータスを伸ばすことができずスキルで一時的に能力を向上させることが唯一のパワーアップ手段になるわけだか、そうなると突発的な状況や不意打ちに対して無防備を晒してしまうことになる。さすがにそれはまずいとは思うが結局取得条件が分からない以上は称号も手に入らないので、それに対しての糸口もどこかで見つけておく必要があるだろう。

 まぁ、とにもかくにも行動しなければ何も始まらないわけだし、いつまでもギルドの入り口でうだうだやってないでとっとと訓練所に向かうとしようか。

 …別に緊張をまぎらわせるためにあれこれ考えて時間を潰していたわけではないからな。





 というわけで、訓練所の入り口までやってきました。

 …ここにたどり着くまで? 特に何もなかったよ? 語るようなことは一切何もなかった、ゆえに気にする必要はないんだ。いいね。

 さぁ、訓練所に向かおう。もうゲインさんも来ているだろう。そういえば前に来た時は三人の生徒を指導していたけど、今日もあの子たちはいるんだろうか?

 あの三人も俺よりは強いんだろうな。虐められたりしないかな? 自慢じゃないが俺は弱いぞ? やられたらやり返すこともできないほどにな。…悲しくなってくるわ。

 まぁいい、行こう。


 「お邪魔しまーす」


 訓練所の扉を開くと中には予想通りゲインさんとその三人の生徒がいた。

 いたんだけど、何か凄いことをやっている最中だった。

 ゲインさんが一人で三人を相手に模擬戦をやっているんだけど、二人の男の子が木剣を振るってその二人の動きが止まった瞬間に後ろの女の子が隙を縫うように杖を叩き込む、という見事な連携を披露したがそれを難なくかわすだけでなく、かわしながら一人に軽く一撃ずつ入れているのが何となく見えた。

 正直、傍目で見ていたから気付けたものの実際立ち合っている本人たちは何があったか理解できていないだろう。

 現に三人とも唖然とした表情で殴られたところを押さえてその場にへたり込んでいる。

 そして、俺が来ていることに既に気付いていたのか、ゲインさんが手を上げてこちらに近づいてくる。


 「やぁどうも。グランツさんから話は聞いてますよ。今日から君に戦闘術と魔術を教えることになったゲインです。よろしくお願いします」

 「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします。俺はアスマです。あと、先日は顔を合わせていたのに挨拶もできずに変なところを見せてすみませんでした」

 「いえいえ、お気になさらずに。なかなか面白いものを見せてもらえたので私としては満足でしたよ」


 面白いものっていうのはテレサさんの魔術をレジストしたことについてか、その後ぶっ倒れたことについてなのかどっちなんだろうか。


 「それでは、まず君の力を見るために模擬戦をしましょうか。私が相手をしますので全力で掛かってきてください。もちろんスキルも使用して、ね」

 「了解っす」


 正直、一人で三人を相手にして余裕で勝つような人には何をやっても通用するとは思えないけど、それは今までの訓練でも似たようなものだったし、ここは胸を借りるつもりでいかせてもらおう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ