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報告11

 「喜んでもらえたのなら何よりです。あとよければ、身につけたところも見せていただきたいのですが」

 『……うん……いいよ』


 シャーロットからのお願いを快く了承したクレアは、箱からブレスレットを取り出すとそれを自分の右手首へ嵌め、シャーロットが見えやすいように右腕を持ち上げてみせた。


 『……どうかな?』

 「ええ、いい感じです。やっぱりクレアちゃんには白がよく似合いますね」

 『……えへへ……そうかな?』

 「はい」


 シャーロットからの贈りものだからというのもあるのだろうが、単純にそれ自体を気に入ったのかクレアは嬉しそうに手首を回して色々な角度からブレスレットを眺めている。

 そして俺からの反応も気になったのか、僅かに顔をこちらに傾けるとこちらを窺うように視線を送ってきたので、俺もそれに応えるように口を開く。


 「おお、可愛いらしくていいじゃないか。うん、よく似合ってるな」


 シャーロットの言う通り、白い色はクレアのイメージによく合っている。

 無駄に複雑で派手なデザインをしていないところも控えめな性格をしているクレアには丁度いいのかもしれない。


 『……えへへ……よかった』


 俺から好意的な反応が得られたのが嬉しかったのか、クレアははにかんだ笑みを浮かべていた。


 「やっぱりボクの目に狂いはありませんでしたね。それはそうと、実はそのブレスレットには一つ隠された力が秘められていまして、魔力を流し込むことでその力を発揮することができるんですが、どうですか試してみませんか?」

 「え? 魔力を流し込んだら力を発揮するって、もしかしてそれ魔道具、いや魔装具なのか?」


 その話を聞いて当然のように湧いて出た疑問を、口を衝くままにシャーロットへと問い掛けると、彼女は目を細めて微妙な表情でこちらを見てきた。


 「クレアちゃんと話している時に横入りしてくるとは、いい度胸をしていますね弟子。ええ、本当にいい度胸をしている」

 「あ、いや、そういうつもりじゃなかったんだけど。あー、ごめんなさい」


 シャーロットの雰囲気が少し不機嫌さを纏ったように感じられたので、ここは素直に謝っておく。シャーロットを怒らせるとあとが恐そうだし。


 「……反省しているようなのでまぁいいでしょう。それでは気を取り直して、試してみませんかクレアちゃん」

 『……えっと……魔力を流すだけでいいの?』

 「はい、魔力を流すだけで効果は発揮します。どのようなことが起きるのかはやってみてのお楽しみです」


 クレアへそう言ったシャーロットの顔は妙に楽しそうなもので若干不穏な気配を感じなくもないが、シャーロットがクレアへ対して害のあるようなことをするはずもないので野暮なことは言わずに黙って見守ることにする。……まぁ正直こういうギミックはかなり好きだし、どんな力が発揮されるのかっていうのはかなり気になるからな。

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