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報告6

 「あ、この際についででもう一つ素朴な質問したいんだけど、いい?」

 「どうぞ」

 「そもそも何で回復薬を使うとあんなすぐに傷が元通りになるんだ? って話なんだけど」


 正直、あれだけ瞬間的に肉体を復元するのは異常としか思えないのでその仕組みを教えてもらえるのなら教えてほしい。


 「えっとですね。回復薬には生物が生きていくうえで根源的に必要な力、生命力を高める効果があるんですよ」


 ……生命力を高める。

 生命力っていえば《死気招来》の対価になってるあの生命力のことか? もしそうなのだとしたら、回復薬を使えばあのスキルを自由に使えるようになるということになるんだが、そこでもまた金が問題になってくるわけか……。

 ってまぁそれはあとで考えるとして、今はシャーロットがせっかく質問に答えてくれてるんだからそっちに集中しないと。


 「で、ですね。生命力を高めることでそれに付随?して自己治癒力を爆発的に高めた結果として起きる現象が、瞬間的な肉体の復元というわけです。ついでに言っておくと、立て続けに回復薬を使用するとその効果が低下していくのは、人の肉体が持つ再生力が回復薬を使用する度に限界に近づいていくことで起きる現象なんですよ。一応時間を置けば再生限界は元に戻るので、二度と効果がなくなるわけではないので安心してください。という説明で分かりますか?」


 すらすらと回復薬についての説明を終えたシャーロットは、理解できたか? という風にこちらを見上げてそう問い掛けてくる。


 「あぁ、一応理解はできたよ。ありがとう。そういう仕組みだったんだな」

 「はい。なので、回復薬を使用する際はできるだけ大きな怪我をした時だけにしておいた方がいいですね。小さな怪我を負う度に治しているとあっという間に再生限界が訪れてしまうので」

 「そうだな。それは気をつけるようにしておく」


 まぁ小さい傷程度で回復薬を使うことはまずないとは思うが、いざという時に効果が発揮されないなんて事態に陥ってしまったら目も当てられないので覚えておくことにしよう。


 「あ。ごめん、話の流れでもう一つ疑問が出てきたんだけど、もう一回だけ質問いい?」

 「はい。別にいいですよ」

 「ありがとう。あのさ、回復薬は生命力を高める効果があるって話だけど、回復魔術のそれも同じ原理なの?」

 「ええ。回復魔術も生命力を高めることで自己治癒力を高めて傷の治りを早くするという原理は同じですよ。ただし、回復薬と同等の効果を及ぼす回復魔術を行使しようとするのなら、とてつもない魔力強度と魔力操作を持ち合わせている必要がありますけどね」

 「へぇ、なるほどな」


 回復魔術でも生命力を高めることができるのなら、《死気招来》を使うことで消費する生命力を自力で回復させることは可能だということか。

 まぁ俺程度の回復魔術でどれだけ回復させることができるのかは分からないが、《限定解除》を使わなくても《死気招来》を発動させることができる可能性が出てきただけでもよしとしておこう。

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