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衝動5

 俺を拘束していた大柄な男は口元を手で押さえながらもその視線はこちらへと向けられ、剣を構えた男も先程までの弛緩した空気は捨て去りその雰囲気をまるで研ぎ澄まされた刃のように鋭いものへと変貌させていた。

 流石に中級ともなるとその身から放たれている重圧も凄まじく、構え一つを取ってもそこに隙のようなものは見受けられない。

 だが、隙なんてものがなかろうがこの二人を無力化するためには無理矢理にでもその防壁を突き崩して押し通すしかない。

 《限定解除》を発動した以上こうしている今も着々と能力の使用限界は近づいてきているので悠長に戦力分析をしている暇などどこにもなく、短期決戦で方をつける必要がある。

 この二人と正面からやり合って勝てる保証などどこにもない。だが、たとえそれが勝ち目の薄い自滅覚悟の特攻だろうが、ここで引く気は毛頭ない。

 元より自分がこいつらよりも劣っていることは分かりきっている。それでも、こいつらの仕出かしたことを許すことが出来ないのなら、この状況に納得が出来ないというのなら、後は覚悟を決めて己の持てる全ての手札を切り、目の前の不条理を破壊し尽くすだけだ!


 「があああああっ!!」

 『アクティブスキル《力の収束》発動』


 裂帛の気合いと共に加減をかなぐり捨てた《力の収束》を使用し、俺自身も未体験の力を秘めた脚力を以て地面を全力で蹴り飛ばすとその勢いで大柄な男に躍り掛かり、硬く握り締めた拳を叩きつける。

 大柄な男は驚異的な反応速度で俺の攻撃に反応し、瞬時に体の前で腕をクロスさせることで拳を受け止めたが、その衝撃を殺し切ることが出来ず勢いよく吹き飛ぶと背中から壁に激突し、けたたましい音を響かせた。

 だが、大柄な男は俺の拳が直撃する瞬間に自ら後方へと跳ぶことでその威力を大幅に軽減させていたので、見た目や音の派手さ程にダメージは負っていないだろう。

 それでもこちらへ復帰してくるまでの多少の時間を稼ぐことは出来たはずだ。だから、その間にもう一人の男を仕留めに行く。

 そう考え視線をそちらへ巡らすと、剣を構えた男は既にこちらとの距離を詰め切り下段から振り上げた剣の一撃がこちらの脇腹に目掛けて繰り出される。

 が、それを避けることもなく《赤殻》の障壁で弾くと、弾かれた剣の鍔へと手を伸ばして掴むと剣を握った男ごとそのまま手元へと引き寄せ、その顔面へ目掛けて拳を上から振り下ろす。

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