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再使用

 「っていうことを勝手に決めちゃったんだけど、いいかな?」

 「うん、もちろん。それが二人の成長に繋がるのなら反対する理由はないよ」


 少し申し訳ない気持ちを感じつつミリオの方へ向き直りそう言うと、ミリオは首を縦に振り、微笑んでこちらの意見を肯定してくれた。流石ミリオさん、話の分かる男だ。

 まぁ、今俺が言った以上に効率的にそういった感覚を向上させる手段があるというのならそれでもよかったんだけど、ミリオたちから離れて実戦を積むのには、どんな状況でも試行錯誤して乗り越えていくための自立心を育てるという、意識改革的な側面もあるから、結局はこの方法が一番良いんじゃないかと俺は思っている。


 「それじゃあ、それに向けてクレアはもっと鍛えないといけないね。アスマが一緒なら最悪なことにはならないと思うけど、それでも念は入れておかないと」

 『……うん!』


 ミリオが訓練の再開を切り出すようにクレアへと声を掛けると、クレアは元気に返事をした。


 「ははっ、元気一杯だな。でもそうなると、やっぱり責任重大だよな俺。こりゃ、うっかりスキルが使えなくならないように注意しとかないとな」


 うっかりでそんなことにはならないと思うが、何事にも絶対はないので本当に注意しないといけない。


 『……そうなったら……私が……アスマ君……守って……あげるよ』

 「あー、いや。そうなったとしても、クレアのことは俺が守ってあげたいんだけど……」


 その言ってくれる気持ちはとてつもなく嬉しいけど、できる限りでは俺がこの子に危険が及ばないようにしたい。


 「でもまぁ、そうだな。本当に追い込まれた時は頼むな」


 それでも、意地を張って余計に被害を出すぐらいなら素直に守られたうえで援護に回った方が良いのかもしれないと思い直し、そう言葉を付け加えた。


 『……うん!』


 再度クレアの元気な返事を聞いたことでやる気が漲ってきたので、クレアの頭から手を離すと、体ごとミリオに向き直る。


 「よし。じゃあスキルが使えるようになるまで俺もミリオに稽古でもつけてもらおうかな」

 「そうする? いいよ。じゃあ二人一緒に見てあげるね」


 そうして、クレアとともにミリオの訓練を受け、一時間ほどの時間経過とともにスキルが再度使用可能となったので、最後の検証を行うために《限定解除》をもう一度発動させたりして、夕方まで訓練を続けることになった。

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