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仮想敵2

 ということで、あれとの戦闘を想定したところであまり意味があるようには思えない。

 いずれ単独で撃破できるようになりたいとは思うが、今は単純に力量不足なので、それは今後の課題だ。

 幸いあいつにはそれほど速さがあるわけでもないし、退けない理由でもない限り、あいつと遭遇した場合は逃げればいいだけの話だ。無理に戦う必要はない。仲間が逃げる時間を稼ぐぐらいなら今の俺にもできるだろうしな。

 そもそも俺みたいな力不足の駆け出しが上位の魔物対策をあれこれ考えてるのもおかしな話なんだけど、あの脅威を目の当たりにして、それに対しての備えを何もしないというのはあまりにも考えが足りていない。

 まぁ、俺にしてもそのせいで何度か死にかけたことでようやく本格的に実感を持てるようになってきたところではあるが。

 そんな訳で、赤オークに対して有効な攻撃手段を持っていない以上は、消去法で今回想定する相手はブラッドウルフにする。

 こいつはこいつでとんでもない強敵ではあったが、攻撃が通用する分だけまだ赤オークよりマシと言えなくもない。本当にそこだけが唯一の救いだ。

 でも、強力な打点さえあれば攻略が可能な赤オークと違って、こいつには単純な力だけでは勝つことができないのも事実だ。

 とにかく動きが速いので、どうにかして動きを止めるか、攻撃をかわせない状況に持ち込まない限りこちらの一撃を当てることすら叶わない。

 更に、固有能力の血液操作による攻撃や防御を突破しなければならないというのもブラッドウルフの凶悪なところだ。

 俺個人で立ち向かうにはまだ実力不足だろうが、それを踏まえたうえでこいつを仮想敵として、ある程度の距離を空けて正面に向き合った状態を仮定して戦闘を開始する。

 まずはこの距離を詰めないことには始まらないので、腰と背から小剣と槍を引き抜き、《力の収束》を使用して一直線に体を跳躍させる。

 《限定解除》の効果時間内に敵を倒さなければいけないのなら、盾を持つよりも両手に武器を持ってとにかく攻めに徹するべきだろう。

 足を止めずに一気に肉薄して勝負を決めに行く。

 だが、あいつならここで俺の足を止めるために血の弾丸を撃ち込んでくるはずだ。

 眼前に高速で迫る幻想の弾丸をイメージし、それを《力の収束》を用いた真横への跳躍でかわす。

 が、直後に弾丸は直角に軌道を変え、俺の動きを追尾してくる。

 以前は《赤殻》や《不動》によってこれを防いだが、今《赤殻》は発動していないし、《不動》を発動すると動きが止まってしまう。

 だから、弾丸が自分のもとへ到達する前に再度《力の収束》を発動させ前に出ることで弾丸を置き去りにしてブラッドウルフとの距離を詰めにいく。

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