成長因子
まずはスキルの効果を確認するところから始めよう。
スキルを取得した後は色々あったので、まだちゃんと把握していないからな。
というわけでステータスからスキルの項目を呼び出して新たに取得したスキルの内容を確認していく。
【スキル】
《死気招来》
《死線》
《成長因子》
《限定解除》
あれ、四つ? 二つじゃなかったっけ?
《死気招来》と《死線》は確かブラッドウルフを倒した時に獲得したスキルだ。だけど、その下の二つ《成長因子》と《限定解除》というのは覚えがない。
……いや、違うな。そういえば一昨日クレアと一緒に眠った時に、意識が落ちる間際に何か声を聞いたような気がする。
たぶん、あの時にガイドさんからスキル取得に関する旨を伝えられたんだと思う。
一応称号の方にも目を通しておくか。
【称号】
《死への反逆者》
《少女の守り手》
こっちは二つ、と。
なんというか、両方無駄にカッコいい字面だな。片方はおどろおどろしいのに対してもう片方は清廉な感じと対照的ではあるが。
基礎能力のボーナスは《死への反逆者》が筋力、《少女の守り手》が耐久力の上昇だ。
うん、いいな。小ボーナスじゃないところもいい。それでも上昇率は微妙だけど、確実にステータスに反映されていっているのは実にいい。
塵も積もれば山になる方式で考えれば、いずれこれが山になるはずなのでそれに期待するとしよう。
さて、それじゃあスキルの確認に戻るとしよう。
えっと……うん。上から順に見ようと思ってたけど、やっぱりちょっとこの《成長因子》っていうのがかなり気になるので先にこれから見てみることにしよう。
成長というぐらいだから、俺の成長を促進してくれたりするということなんだろうか。
それは今の俺からしたらかなり嬉しいものだ。でも、俺にとっての成長というのはなんだ? 普通の人ならレベルが上がりやすくなったりとかだろうが、俺の場合はそれが適用していないので、やっぱりスキル関連に影響があるんだろうか。スキルを獲得しやすくなったり、スキルの慣熟をサポートしてくれたりとか?
まぁ、考えてても答えは分からないし、さっさと正解を覗いてみることにしようか。
というわけで、《成長因子》の項目に意識を向け効果を確認する。
《成長因子》
自身と最も魂の繋がりが深い者に対して、自身の経験を共有することでその者の成長力に影響を与える。
……ん?
えっと、あー、うん。俺の成長には一切関係なかったわ。




