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写本

 翌日。

 昨日は結局、思っていた通り酒の効果で家に帰ってきてすぐに寝てしまったのだが、先程朝食の席でクレアと顔を合わせた際、なんとかこれまで通りに接することができた。

 たぶん、昨日のことで今後のクレアとの関係に対しての覚悟が決まったことで、あれこれ考えるのを止めて心に少しの余裕を持てたところが大きかったのだろう、クレアを前にしたら愛しさが込み上げてくるのは昨日と変わらないが、それでも無駄に思考が空回って変な態度を取ってしまうのだけはなんとか抑えることができるようになっていた。

 だが、未だに告白はしていない。昨日の今日で気持ちの整理が追いついていないというのもあるが、クレアの誕生日や年齢を知らなかったということもあり、もう少しあの子のことをよく知ってからでも遅くはないという結論に思い至ったからだ。

 まぁ、この気持ちをいつまでも胸の内に秘めていることはできないと思うので、近いうちに打ち明けることになるとは思うが……。

 ということで、一先ずそれについては保留する方向でいくことにした。

 そして、早朝の自己鍛練を済まし、朝食を取った後、俺は机の上に広げた本を書き写す作業をしていた。

 以前までこの時間は、文字の読み書きを覚えるのに使っていたのだが、日常的に必要になる程度の読む力と最低限の書く力は養うことができたので、今はエルフ娘のセシリィと約束した通り、写本の制作に取り掛かっているところだ。

 本自体結構な値段がするので、買うのはもったいない。なので、この家に置いてあった物語の本を写させてもらうことにした。

 少し前からちょくちょく書いてはいるのだが、ページ数の割には文字数が多いのでまだしばらくは掛かりそうだ。

 そして、昼までその作業を続け、昼食を済ませた後。俺とクレア、ミリオの三人で街の外れにあるいつもの訓練場へと訪れていた。

 俺は以前に獲得していたスキルを検証、習熟するために。

 ミリオはクレアに対して、戦闘に関しての気構えを教えるのと、模擬戦をして動きの再確認をするらしい。

 本当は金策のために任務へ行きたいところではあるが、装備を修理中しているところなので、それが終わる明日まではどのみち街の外に出るのは控えた方がいいだろう。

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