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アンネローゼ

「紹介するよアスマ。彼女がさっき言った槍使いの知り合いだよ。アンネローゼっていうんだ」


 アンネローゼか。なんかすげぇカッコいい名前だな。

 というか、女の子の冒険者もいるんだな。

 まぁゲームでは当たり前のように女の子のキャラもいるんだけど、現実的にみたら冒険者って女の子がやる職業ではないと思うんだけどな。

 主に肉体的な問題で。デリケートな問題だから絶対に聞いたりはできないけど、そのへんの対処とかどうしてるんだろ?

 ……いや、深く考えないでおこう。

 そう、ここは異世界なんだから俺の知ってる常識が正しいとは限らないんだし、そういう何かがあるんだろ。知らんけど。

 というか、この子が持ってる武器って槍というか、斧槍じゃないか? カテゴリ的には槍、なのか?

 それにしても、あんな重そうな武器を軽々と片手で持ち歩いてるとか、さすがは冒険者ってとこか。


「それで、こっちの彼がアスマ」

「おー、君がミー君が拾ったっていうあのアスマ君かー」

「ミー君? あぁミリオか。……というか、拾った?」


 え? なに? 俺って周りからそういう風に認識されてるの?

 確かに拾ってもらったようなもんだけど……いや、死にかけてるところで命を拾われたって考えれば……あ、俺拾われてるわ。


「こらこら、人聞きの悪いこと言わないの。誰も拾ったなんて言ってないでしょ」

「あれー? そうだっけ? ま、いいや。で、アスマ君。うーん、アー君? アッ君? アッスー? ……うん決めた、君はアー君だ! ヨロシクね!」

「お、おう。なんかよく分からんけど、よろしく。えーと、アンネローゼ、さん?」

「ぶー。さんはいらないー。アンって呼んでいいよ? ほら、さん、はい!」

「……アン、ちゃん?」

「アンちゃん! 女の子呼びされるの久しぶりだー! ありがと~アー君! 握手しよっ! いぇーい」


 右手を掴みとられて上下にぶんぶん振られる。

 ……テンション高っけー。

 不思議ちゃんなうえでこのテンションの高さは、ちょっとお兄さんついていけねぇわ。

 見た目可愛いのに、なんかちょっと残念な子だな。

 

「ほらアン。アスマが困ってるからその辺でストップ」

「ありゃー。ごめんねアー君。ちょっと舞い上がっちゃったよー」

「……あぁいや大丈夫だ、気にすんな」


 少しそっとしておいてくれれば回復するから。


「それより、今日君を呼んだ理由覚えてる?」

「えっとー、アー君とお友達になりに来たんだよ」

「お友達になるのはいいけど、違うよ。君にはアスマに槍の扱いを教えてあげてもらいたいんだよ」

「あーそれだよ。そのためにこの子を持ってきたんだった」

「槍って言ったのになんで斧槍を持ってきたのさ」

「うーん、どの子を持ってくるか悩んだんだけどー、アー君は男の子だし、カッコいい方が好きかなーって思ってこの子にしたんだよ」

「理由になってないけど、まぁ長柄武器の基本を教えるだけなら構わないか。アスマそろそろいけそう?」

「あぁ、やろうか」


 槍の訓練の間アンネローゼのテンションについていけるかは分からんけど、俺は教えてもらう立場だからな、文句は言わんよ。

 頑張れ、俺。

なんだこの子は?

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