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進歩

 顔合わせを兼ねた模擬戦を終えてから一ヶ月が経った。

 あれから俺たちは正式にパーティーを組むことになったのだが、俺の盾術の習熟とクレアの戦闘技術の習熟とレベル上げが終わっていなかったこともあり、まだ全員で任務を受けたことはない。

 だが、ミリオとアンネローゼ、ガルムの三人ではレベル上げも兼ねて、何度か一緒に任務に受けていたということもあり、それに奮起させられた俺とクレアも熱を入れて鍛練に励んだ結果、クレアはある程度の基礎を身につけ終え、俺も盾を最低限扱えるようになったうえ、新たなスキル《不動》と、新たな称号《耐え忍ぶ者》を取得したことにより、スキル《忍耐》を取得できた。

 《不動》は瞬間的に自身の存在をその場に固定し、外的な干渉を一切遮断するスキルで、《忍耐》は精神的、肉体的に許容できる苦痛の上限を引き上げるスキルだ。

 《不動》は盾役をこなすうえではかなり有用なスキルだろうと思う。瞬間的にしか効果が発揮されないという欠点があるので、持続的な攻撃に対しては無意味だし、発動させるタイミングを瞬時に判断しなければならないという難点はあるものの、効果的に扱うことができれば、敵に大きな隙を作り出すことが可能となるだろう。

 《忍耐》に関しては正直良いのか悪いのか判断しづらいスキルだ。

 簡単に言えばこのスキルは、今まで俺が耐えることのできなかった痛みや恐怖などに対しての抵抗力を引き上げるだけのもので、それを緩和してくれるというものではない。

 つまり、これまでよりも苦痛に対して更に痩せ我慢ができるようになったというだけのことで、苦痛から逃れるために安易に気絶することができなくなっただけだ。

 ある意味では役に立つスキルではあるが、耐えきれないほどの苦痛を味わった時ぐらいは素直に気絶させてほしいんだけど……。

 というわけで一応の鍛練は終了したので、今日からはクレアのレベルを引き上げるために俺とミリオとクレアの三人で外に出ることになっている。引き上げると言ってもさすがにパワーレベリングをするわけではなく、基本的には初めの頃に俺がやっていたように魔物との一対一の状況を作り出してクレアに経験を積ませてレベルアップを図る方向でいこうと思っている。

 単純にレベルを上げるだけでも下級の間だけなら通用するのかもしれないけど、それ以上になればそれだけではどうにもならない相手との戦闘も増えてくるだろう。それに、格上の相手との戦闘になった場合に備えて技術を磨いておくことは決して無駄なことではない。

 だから、今は着実に先へ進んでいける力を身につけるために、必要な手順を踏んでいくことが何よりも重要なことなんだ。

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