表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/644

訓練(盾)2

 「では、始めましょうか」

 「うっす!」


 訓練所の中央でゲインさんと向かい合う。

 今回の模擬戦は本番を意識して装備を全て装着した状態だ。武器だけは木剣だが、それ以外はいつも通りの革装備とこの前購入した兜と胸当ても装備している。


 「まずは構えから。脇を締めて体の中心で構えてみてください」


 えっと、こうかな?

 体の前で腕を縦にし、盾を正面に向けて構える。


 「はい、そして足を前後に開いて腰を落としてください」

 「うす」


 言われた通りに足を開き、腰を落とす。そして、木剣を握っている腕を体の横に下ろし、刃の先を地面に向ける。


 「それが盾を扱う際の基本の構えになります。ですが、あくまでも基本というだけの話ですので自分なりの構え方を模索していってくれても構いません」

 「はい」

 「それでは軽く打ち込んでいきますので盾で受けてみてください」

 「うっす!」


 そう言って一足飛びで眼前まで迫ってきたゲインさんが拳を放ってきたので、その軌道上へと盾を構え拳を受け止める。


 「腕だけで受け止めにいかずに、体から腕を離しすぎないように注意して体の芯で受けるように意識してください。腕が弾かれてしまっては盾を持つ意味がありませんので」

 「はい!」


 そして、ゲインさんが再度拳撃を放ってくる。今度はそれを腕が体の中心に重なるようにして構え、盾の中心で攻撃を受け止めた。


 「はい、いい感じです。それでは何度か連続で打ち込んでいきますので、今のように受け止めてみてください」

 「うす!」


 ゲインさんが連続で打ち込んでくる拳撃を先程と同様に正面で受け止めていく。拳を受け止める度に盾が硬質な物で殴りつけられたような鈍い音を立て、腕に衝撃と振動が襲い掛かってくる。

 思っていたよりも腕に掛かる負担が大きいな。高威力の攻撃がきた場合は受け流した方が良さそうだな。


 「ふむ。軽い打ち込みなら受けられるようになってきたようなので、次からは少し威力を強くしていきましょうか。受けきれないようならば受け流してみてください」

 「はい!」


 そこからゲインさんの放つ拳撃は段々とその威力を高めていき、徐々に受け止めるのが困難になってきた。

 なので、盾を少し傾けて曲面で拳を受け流す。これは体術の鍛練をしていた時にやった攻撃を捌く動きに通ずるものがあるので、何とかこなすことができた。

 だが、一度だけならともかく威力の上がった拳をそう何度も捌けるわけもなく、受け損なった一撃に盾が腕ごと弾かれてしまった。


 「まずまずと言ったところですね。ですが、この程度を完全に捌き切れなくては実戦で満足に扱うことはできないでしょう。なので、今日はとことんまでやりますよ。最後まで気を抜かず付いてきてください」

 「おっす!」


 思っていたよりは扱えているような気はするが、それでもやっぱりまだまだ完全に扱うまでには程遠いようだ。これは気合いを入れ直して精進しないと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ