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赤殻

 その後、何度か投擲を繰り返してみた結果、何とか真っ直ぐ飛ばすことには成功した。

 どうやら柄を普通に掴んで投げていたのが悪かったようで、柄を握らずに親指とそれ以外の指で挟み込むように持ち、腕を垂直に振り下ろし抜くように投げることで、ようやく安定して的に突き刺さるようになった。

 これなら数日も練習すれば一応実戦で使える程度にはなりそうなので安心した。

 本当は盾の訓練もしておきたかったんだけど、これに関しては相手がいないと成り立たないし、どうせなら誰かに教えを請うべきだと思う。都合がつくのであればゲインさんを頼るべきだろう。あの人なら大抵のことは上手く教えてくれるだろうしな。

 となると、他に今やっておくべきことはスキルの習熟だろう。この間の戦いで新たに取得したスキルの内、投射は置いておくとして、力の収束と感覚強化は万全に使いこなせるようになっておけば、いざという時に確実に役に立つはずだ。特に力の収束は格上の敵を相手にした場合における、俺の唯一の決め手になるかもしれないスキルだ。これは何としてでも満足に扱えるようになっておきたい。以前のように加減を誤って怪我をしたくないしな。

 一応訓練に入る前に、もう一度ステータスから効果を確かめておこう。

 おっ、いつの間にか自己再生のレベルが2になってる。

 でも、正直このスキルって常時発動型のスキルだからいまいち効果の程が実感しにくいんだよな。今のところは疲れがとれやすいぐらいにしか効果を感じとれていない。もう少しレベルが上がればもっと分かりやすく効果を実感できるんだろうか?

 というか、何でこのスキルと起死回生だけレベルがついてるんだろう。他のスキルにはレベルなんてないのに、この二つだけがレベル付きだ。何か違いがあるんだろうか?

 と、答えの見つからない問題に対してあれこれと考えを巡らせている時に、スキルの一番最後に見覚えのないスキルを発見した。

 ……何だこれ? 赤殻? こんなスキル取得した覚えがないんだけど。気づかなかっただけか?

 まぁ、いいか。あるものはあるんだし、とりあえず効果を見てみよう。


 《赤殻》

 精神の昂りが一定基準に達することで発動。

 物理・魔術攻撃に対抗する障壁を展開する。

 障壁の強度は怒りの感情の強さに比例する。


 ……でたー。条件発動型スキル。

 これで条件付きで発動するスキルは三つ目だが、相変わらずその効果は滅茶苦茶だ。物理と魔術を防ぐ障壁とかとんでもない高性能スキルだ。その強度は怒りの感情で決まる、と。怒りって聞くと、何となく攻撃的な印象を抱くけど、防御系のスキルなんだな。

 それに、今回のは肉体ダメージじゃなく、精神の昂揚が発動条件なのか。前者に比べればかなり条件のハードルが低いように思えるが、結局これも任意では発動することができないスキルなので、それほど当てにすることはできない代物だ。

 基本的に条件発動型のスキルは追い込まれれば追い込まれるほどにその真価を発揮するようなスキルばかりなので、発動しないに越したことはないのだが、本当の最後の一線を守り通せる効力を持っていることは確かなので、一応気には止めておくことにする。

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