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訓練場

 それから少し歩いて、俺とクレアは街の外れにある訓練場にやってきた。

 今日もいくらか人はいるが、十分にスペースは空いているので適当な場所に移動する。

 まずは体をほぐすためにストレッチを始める。まぁ、称号や指輪の効果で素の状態でもそれなりの耐久力はあるからこの工程を省いたところで問題はないだろうが、鍛練をする前にずっとやっていた行為なので意識の切り替えとして行う。

 一連の動作を終え、多少体が熱を帯び、筋肉が柔軟性を持ち始めたので、まずは無手の状態で全身に意識を集中させ型の稽古を始める。

 これはゲインさんに体術の訓練をつけてもらった時に教わった型だ。まだまだ一人前には程遠い完成度なので他人に見られるのは多少気恥ずかしいが、その感情は意識の外へ追い出して動作を行っていく。

 交互に拳を突き出し、何度か繰り返した後に一際大振りな一撃を放ち、体重が前方に流れたのを利用し、蹴りを放ち、その後回し蹴りに繋げる。その勢いで宙に体を跳ね上げ、上段から振り下ろし気味の蹴りを放つ。

 その後も流れを止めないように、次々と手足を繰り出していき、最後に全力の上段蹴りを放ち動きを止める。

 昨日も思ったことだが、指輪の効果で身体能力がかなり上昇しているので、若干意識と動きにズレが生じている。

 やっぱり、急に能力が向上した分こういう部分に問題が出てくるんだよな。このうえ、スキルや魔術で強化すれば更にそのズレは大きくなっていくだろう。

 今までは一日の最後に仕上げとしてスキルと魔術を使って一連の動きの微調整を行っていたけど、強化手段も増えてきたことだし、今後はもっと時間を掛けて調整していった方がいいのかもしれない。

 まぁ、それはそれとして、次だ。小剣を鞘から引き抜き片手で、様々な斬撃を繰り出していく。

 こちらも一通りの動作を繰り返し、最後に渾身の一撃を放つことで動きを止める。

 次。

 と、背中に手を回したところで槍は修理中だということを思いだした。

 ……なら、次は新しく手に入れたこの投げナイフを試すか。

 すぐ近くにある、投擲の訓練に使うための的の正面に立ちナイフの柄を握りまずは軽く投げてみたが、的に当たる前にナイフの刃先がぶれて的に刺さらずに弾かれた。

 ……む、案外難しいなこれ。スキルの補正で狙い通りの場所には飛んだが、真っ直ぐ投げられなかったせいで刺さりはしなかった。オークと戦った時は真っ直ぐ投げられたんだけど、あれはまぐれだったのか。

 これは要練習だな。さすがにこれじゃお話にならない。せめて、静止状態からなら完璧に投げられるぐらいにならないと使い物にならないからな。

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