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キャラ紹介 チャミエルの場合

読んで頂き、ありがとうございます!


2人目は美少女男子のチャミエルちゃんです!

彼女?彼?は明るくてノリもいいので、割と好き勝手に動いてくれて書いてても楽しいです♪


ただ、楽しすぎてうっかりコレ大丈夫かな?という流れになってきて焦りました。


前世の記憶を思い出した、とあっさり同室のルームメイトにカミングアウトした翌日。




『お前のことは、俺が守ってやるからな!』


『!!??』



それはそれはいい顔と本来持ってるイケボイスとで抱きしめられながら、さらには耳もとでラジエルから熱くささやかれ『わたし』どころか『俺』まで思わず同様して混乱した結果、ラジエルを一発殴ってその場から逃げてきてしまった。


ロードは力がそんなに強くないし、肉体を実はしっかり鍛えてるラジエル相手ならそんなにダメージはおってないだろう。




しかし、あのイケボイスはいけない。




変なスイッチ押されてる昨夜のような状態ならまだしも、真顔であの声は凶器としか思えない。




「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


「あれ〜?ロードってば、珍しく1人?ラジエルはどしたの〜?」


「!?」



朝っぱらから超特大のため息をついた矢先、目の前にはツインテールの美少女がぴょこっとその可愛い姿を現す。



おっと、美少年の間違えでした。



「ちゃ、チャミエル!おはよう!」


「おはよー☆みんなのアイドル、チャーミーちゃん登場だよ〜〜!」




「「「「 おぉぉーーーーー!!! 」」」」




「!!??』



パチン☆とその愛くるしい大きな目をウインクさせると、彼?の後ろから一斉に野太い声が合わさりあっという間にガタイのいい、わりとイケメン寄りの男たち数人がチャミエルを取り囲む。



「チャーミーちゃん!おはよ!今日も可愛いね!」


「ありがと☆」


「チャーミーちゃん!おはようございます!これ、俺からのプレゼント!」


「キャッ!チャーミーうれしい〜☆」


「チャーミーちゃん!おはようっス!こ、これ俺からの気持ちです!!!」


「わぁ〜〜〜お手紙?あとでゆっくり読ませてもらうね☆」


「・・・・・・・・」



確かロードが持つこれまでの記憶によれば、彼らは我が学園の2・3年生。

入学と同時に女子に飢えた?男子生徒達のアイドルへと一気に変わった、チャミエルの親衛隊達だ。


チャミエルも彼らの存在は認めていて、日々より可憐さや可愛さに磨きをかける彼女のファンは増えるばかり。


現、生徒会のガブリエル先輩と校内学生の人気を二分してるなんて噂もあながち嘘ではないだろう。


うん、女だった意識の『わたし』から見ても確かにチャミエルは可愛い。


ただ、単に『ロード』の好みではないのだが。




「ごめんね〜☆チャーミー、今日はロードと一緒に登校の予定だから、また後で楽しくお話ししようね!」



そして、いつものごとくあっさりと親衛隊達を巻いてきたチャーミーが、ロードの腕にその細い腕を回してくる。



「お待たせ、ロード☆やった〜〜今日は2人っきりだね!」


「あれ?さっきもらってたプレゼントは?」



確か、数名からけっこうかさばるプレゼントをいくつかもらっていたはずだけど。


今見る彼女の腕の中は、とても身軽だ。



「うん!じゃまだから、全部じいに預けてきちゃった☆」


「!?」



慌てて振り返った先には深くお辞儀をしたナイスミドルなシルバーヘアの執事『じい』と、その後ろにはやたら豪華な作りをしており、ど・ピンク色で装飾品がゴールド色でできたそれはそれは立派な白馬がひく馬車が控えていた。


見た目は、形だけ言えば童話シン◯デレラに出てくるカボチャの馬車だ。



「あ、相変わらず、すごい色の馬車だね」


「可愛いでしょ〜☆元々は白だったんだけど、なんか地味だったからパパにお願いして、特別に塗り替えてもらったの〜!」


「・・・・・・うん。すごく、可愛い」



そうだった。


このまつげバサバサの、瞳パッチリ!な美少女の名は『チャミエル=フェアリーテール』。


妖精やユニコーン、ペガサスなどが住む神秘の森の土地を先祖代々管理し、その守護もできるほどの大きな魔力を持つ血筋が数多く生まれるとして、国から多大な権力を与えられている大魔法使いの家系の一人息子だ。


入学式のみ男子生徒の制服を着てきたチャミエルだったが、地味でつまらない!!と翌日から自分で用意した改造版・女子生徒の制服を着用し、学園側もフェアリーテール家の生徒とあってうかつに注意もできない。


とりあえず、今は自由にさせておきながら様子見をしている感じなのだろう。



「今日はラジエルがいないから、ロード一人占め〜☆うれしい!あとで、チャーミーのお気に入りを見せてあげるね!」


「う、うん」




お気に入り?はて、なんだっけかな?


ロードの記憶を探ってみるが、何やら記憶が曖昧だ。


ラジエルの時は、あんなにも鮮明に色々思い出せたというのに。



「チャミエル!!お前何ちゃっかりロードと腕組んでるんだっ!!」


「!!??」


「ヤダ☆ラジエルってば、もう来ちゃったの!?つまらな〜い!」




『じい』の後ろからは、全力で走ってくる汗をかいても爽やかな風吹くイケメンの姿が。




「ロードはな、尊い方の・・・・・・むがっ!!!」


「ご、ごめんな〜ラジエル、先にきちゃって!!ここからは3人で一緒に行こうな!」


「ふがっ!むがっ!!」



変なことを口走る前に、慌ててラジエルの口を両手で塞ぐ。


しまった!

今後も余計なことを他人にうっかり言う前に口止めをしておくのを忘れてた!


別に前世の記憶があることをバレるのはこわがってはいないが、あの後一晩でどれだけラジエルの中で事態がななめの方角へと膨らんでるかは分からない。


とりあえず、後でしっかり口止めをしておかねば!



「なになに〜☆チャーミーには言えないヒミツのこと〜〜?」


「ないない!何もないから!な、ラジエルっ!」


「!?」




必死に眼差しだけで『余計なことは言うな!!』と訴える。


どうにかそれが伝わったようで、ラジエルは静かに頷いた。




「あ!たいへ〜〜ん!チャイムの鐘がなってるから、ダッシュだね☆」


「うわっ!!本気で急がないと!!」


「ロード!」


「な、なに?」



軽やかに、まるで急いでなどいない余裕の表情のくせして走るのもけっこう早いチャミエルがあっという間に校舎へとその姿を消していく。


その後ろから、ぴったりとロードの横に並んで走るラジエルが顔だけこちらへ近づけてきた。


基本的にラジエルはコミニュケーションの距離が近い。



「昨夜のことは、俺とお前の秘密ってことでいいんだな?」


「!!??」



お忘れなきよう。

自分の世界に飛んでラジりん☆してない時の彼の声はイケイケボイス。


耳元で囁かれ、まるでイケナイことをした後のような変な気分にこちらがなるのも、全部このイケボイスのせいだ。



「そ、そうだ!お前だから話したんだからな!」


「!?」



突然変なことを話しても、ラジエルならバカにしないで聞いてくれると思ったからだ。



「分かった!この話は、俺とお前だけの2人っきりの時に話そうな!」




あーーあ。

目がキラキラしてるよ。


けど、俺自身も今誰かとBLの話題ができたら、同じような顔してるのかもしれないな。




そして、その思いはたとえそれが『誰か』が側にいなくともなるのだとすぐに気づかされた。












「・・・・・・・・す、すげぇ〜」



朝登校して自分のクラスに入ったとたん『わたし』の、いや今や『俺』の腐男子センサーが一気にスイッチオン!となる。


昨日までのロードからしたら当たり前だった光景であり、同じクラスの生徒同士のらなんら普段と変わらないコミニュケーションの全てがBL仕様になって、この視界に飛び込んで来るのだ。


そして同時に、ロードの昨日目覚めたばかりの腐男子脳が一気に同級生を受け攻め判定していく。




あ、あそこのケンカップル!!




真面目なアラエルと不良気味なサハクィエル。

毎回サハクィエルがアラエルにつっかかっていってケンカになり、どちらも折れることなくひかない2人。


あまり周りのことに興味がないアラエルの気を引こうと、実は不器用で必死なサハクィエルの姿に自然とニンマリと顔が緩んでしまう。



うーーん、あの2人ならサハクィエルが攻めかな?


いや、受けの方が萌えるか?




「!?」




あ、あそこに見えるは王道カプ!!



スイエルとザキエルは、幼馴染みらしくとても気の合う2人だ。


当然スキンシップも他より濃厚で、今も自然な流れで肩を組んだり顔を寄せて2人だけの世界を楽しんでいる。


ぜひとも会話の内容を聞かせて欲しいところだが、残念なことにロードは悪目立ちしないよう地味に過ごしてきた為に、他のクラスメートともまだそこまで仲が良くない。




「・・・・・・しあわせだ〜〜」




いや、まさかこんな前世からの夢があっさりと叶うとは!


どこを見てもそれなり以上に萌えられて、足りないところは脳内変換すればいいし、漫画や小説で味わっていた世界がリアルに目の前にあることがとにかく素晴らしい!!



え?ロードの恋愛対象?



それは健全に女性です。


ただ、これまで片思いしかしておらず、告白せずに終わる自滅タイプなのは生まれ変わっても相変わらずなのだが。


『ときめき』は十分この環境から頂けるし、恋愛対象の女子もいない環境なのだから精一杯この腐男子生活を楽しんだ方が何十倍も有意義でお得だろう。




「なぁ〜〜に見てるの?」


「!!??」


「キャハッ☆ロードってば、変な顔〜!」



確かに、顔は緩みきり口元はよだれがこぼれ落ちそうなほどだらしなくにやけている顔はどこから見ても変というか、おかしすぎる。


突然視界に現れた美少女は、これまた可愛らしく目をまん丸くさせながら首をこてんとかしげた。



うん、これは文句なしに可愛い!



「い、いやちょっと、昨夜食べたラジエル作の極うまデザートの味を思い出して!」



とりあえず、適当に思いついたいい訳をしてみる。



「なにそれ〜!?ちょっと、ラジエル!チャーミーもソレ食べたい!」


「ばぁーーか!あれはロードだけの特性品だ!お前にはあげないよ」


「ずるーーーーい!!」


「はははっ・・・・・って、ラジエルさん!?い、いつからそこにっ!?」




ついさっきまで、俺一人きりだったよね?


一人きりだからこそあんなにも本能全開で眺めていたわけですが。



「ん?ほとんど最初から側にいたぞ?何せ、お前を守るのが俺の役目だからな」


「!!??」



ラジエルさん、そんなイケメンドヤ顔で振り向かれても困ります。


気配が全くなかったし、いつからあなたはたかだかモブの守護者になったんだい?


しかも守るって一体何から?


こちとら平和な一市民なもんで、身の危険なんか滅多にないよ?


むしろ危険があるのは目の前にいる財閥令嬢、

じゃなくて御曹司なチャミエルの方では?



「ま、いっか☆ロード、今日の放課後、いつものところで待ち合わせね!」


「へ?う、うん!」





いつもの、ところ?





「ちっ!放課後だとクラブがあるからお守りできないな。しばらく、休むか?」


「い、いや!!それは良くないと思うな〜ラジエル!すごく良くない!お前はみんなから期待されてるエースなんだから、ちゃんと部活は出ておかないとっ!!」


「まぁ、お前がそこまで言うなら仕方がないか」


「・・・・・・はぁ。よかった」



ラジエルの所属する部活は、魔法が込められたボールを使った前世で言うサッカーみたいなものだ。


足先にしっかり魔力を込めて蹴らないとボールが飛ばない上に、蹴ることができても魔力のコントロールが出来なければ目的地へと正確には飛ばせない。


魔力のセンスと細やかなコントロールが必須なスポーツだ。


ちなみにロードは蹴ってもボールが飛ぶことすらせず、チャミエルはボールは飛ぶものの毎回場外ホームラン状態である。









そして、あっという間に放課後。


チャミエルの言う『いつものところ』は、ロードの記憶からすぐに今はあまり使われてない『旧実技演習場』だと判明する。


新実技演習場ができてからは使われなくなって久しく、生徒もほとんど近づかない。


こんなところで、自分はいつもチャミエルと何をしていたんだっけ?


ロードの記憶がなぜかもやがかかり、ここで『何か』をとても嬉しそうにチャミエルから見せてもらっていたことは分かる。


そういえば、今朝チャミエルが話していた




『あとで、チャーミーのお気に入りを見せてあげるね!』



と関係があるんだと思うんだけど、何で自分の記憶なのにここだけこんなに曖昧なんだ?



「あ!ロード〜☆お待たせ!」


「う、うん!」



きゃるん☆と可愛らしくしなを作ったチャミエルが軽やかにロードの横を通り過ぎて行き、旧実技演習場の中へと入っていく。





何だろう?


心臓がバクバク言い出した。


今からでもいいから、ラジエルを呼びに行こうか?





「・・・・・・ロード」


「は、はいっ!!」


「じゃーーーーーーん☆」


「!!??」



突然視界に飛び込んできたのは、チャミエルが大好きでとにかく目が覚めるように鮮やかな『ど・ピンク』のーーーーーーーーー。




「な、な、縄っ!!??」


「ねっ☆可愛いでしょ〜〜?」


「か、可愛い?!た、確かに色は可愛いけど」




ロードの頭の中で何かの記憶が一気に蘇る。


そうだ、縄だ!

ここでいつも、チャミエルと俺は。




「この縄で、今日もヨロシクね☆ロード!」


「へっ!?な、何でいきなり脱いでっ!?」




ど・ピンクの縄を無理やりロードに渡すと、チャミエルは制服のジャケットを脱ぎ、リボンを取り外してシャツのボタンをあけ始める。


ロードの頭の中には今も色んな記憶が目まぐるしく再生中で、その中で何度も手に持つような縄が現れた。




細い縄、太めの縄。


赤青黄色の、様々な色彩の縄。






それの使い道はーーーーーーーーー。







「ロード、今日も優しく縛ってね☆」


「!!??!!??」




素肌が見えたところで、思わず両目を縄を持ったままの両手で慌てて塞ぐが、いやそもそも男同士だろうと冷静なロードの意識が戻ってくるものの、目の前にはそのロードの意識がフリーズするほどの衝撃が走った。



こ、これは、あの、主にBL漫画の中でしかお目にかかったことのない!!



き、き、き、亀◯縛りじゃないですかっ!?




「どうしたの〜ロード?いつも優しく縛ってくれるじゃない☆やっぱりこれはロードじゃないとしっくりこなくって!」


「!?」







思い出したーーーーーーーーー!!!!






そうだ!!

チャミエルとの出会いは偶然この場所に迷い込んだ入学早々のロードの前で、チャミエルが自分の体に縄を身につけようとしてこんがらがり、身動きが取れなくなって困ってるところを助けたことが始まりだった。


そのあと、以外と手先が器用なことに気がついたチャミエルが何にも知らずわりと何でも簡単に受け入れるロードに、人型の小さな人形を使って亀◯縛りを教え魔法陣と同じ役目だとか伝えてロードに定期的に自分を縛らせたのだ。


家柄上、どこへ行っても彼女?彼を厳しく指導したり行動を制御するものはおらず、両親も自由がモットーだと彼女を止めるものは誰もいない環境の中で、物理的とはいえ縛られることに喜びを覚えてしまったのだという。



「ほら、ロード!早くこれでチャーミーを縛って〜☆」


「!!??」



なぜ!?なんでこれを何の疑問も持たずに黙々とできたんだ俺!!


この縛り方の意味と知識と、溢れるほどの画像を前世のBL漫画から得た道子の記憶が戻った今、やってることは同じなのに気持ちが嵐のようにざわついてならない。


どうせなら、他の男子に縛られるチャミエルならばBLとして萌えられたが、自分でやるとなると話は別だ!


だがしかし、不思議なくらい何の違和感もなくむしろスムーズなほどにロードの指は『ど・ピンクの縄』を慣れた手つきでチャミエルの身体に沿わせながら決まった形へと縛り上げていく。


うん!慣れって怖いね!




「ん!いい感じ☆さすがロードだね!」


「・・・・・・・あ、ありがとう」



もう何がありがとうなのか、全くわからないままただ心をひたすら無にしながら、縄を最後の形にまで縛った。



「うん☆この締め上げ感!ロードが一番だね!」


「・・・・・・そ、そっか」



透けるような純白の肌の上に、鮮やかな『ど・ピンク』の縄が芸術的なコントラストでもって縛られ、その肉体の持ち主の顔だけ見れば美少女にしか見えない美少年は、喜びに顔を上気させ頬を赤く染めている。



な、なんだコレ?



それこそBL漫画ではよく見かけた光景なはずなのに、リアルに目の前に現れるととてもじゃないけど居たたまれない。


別にスケベなことはしてないはずなのに、ものすごく全身から汗が噴き出して心臓の音は外にまで聞こえるんじゃないかというほどだ。



「ありがと☆お気に入りのこの子の初めては、絶対にロードでって決めてたんだ!」


「そ、そっか」



もしかして今朝の『じい』とか、若い執事の男性にも縛らせたりしてるんだろうか?


どうしよう、それはこっそりでいいから影から見てみたいかも。



執事×ぼっちゃん。



うん、余裕であり寄りのありだ。


縛られたいってことは、チャミエルはもしや

『M属性』持ちだろうか。


だとしたら、Sっ気のある執事か。


うんうん!全然あり寄りのありあり!!




「よし☆じゃ、そろそろ帰ろっか!」


「へっ!?う、うん!」




BL妄想に意識を向けていたら、縛ったままのチャミエルはその上から元の制服に着替え終わっていた。



とりあえず、縛るだけでよかった!!



もしその後BL漫画のような展開になったら、さすがにラジエルのところまで猛ダッシュで逃げ出していたところだ。



「また新作が手に入ったら、ヨロシクね☆」


「えっ!?あ・・・・・う、うん」



チャミエルのキラキラ輝くお目々ビームの眼差しの圧に負けて思わず頷いてしまったが、これ本気で大丈夫なのかっ!?


とりあえず、その新作が来る前に対策を練らなければ!!



って、縛り上手な相方を見つければいいのか?




「チャーミーちゃーーーーん!!!見ちゃったよ〜〜〜〜〜〜!!!!」



「「 !!?? 」」




いつからそこにいたのか。

演習場の入り口には、かなり大柄でガタイのいい顔を上気させて興奮した様子の大男が待ち構えていた。


その手には、かなり古ぼけたボロボロの縄が握られている。



「チャーミーちゃん、気づかなくてごめんよ。君はこれで縛られるのが大好きなんだね!安心してくれ、これからは俺が君を縛ってあげるから!」


「・・・・・・・・」




やばい。


は、鼻息が荒い。


その男は何度かチャミエルの近くで見たことがある人物だった。


確か、チャミエルの熱狂的なファンでかなり力があり肉体的能力が高い3年のタミエル先輩。


魔力は全然だけど、それを補ってやまないラグビー部並みのゴリマッチョな体型から繰り出される力技は、同じ3年生の中でも群を抜いてるとか。


ラジエル!ほら、やっぱり護衛が必要なのは俺じゃなくて華奢な体つきで熱狂的なファンも多いチャミエルの方じゃないか!


今から呼びに行って間に合うのか!?


いや、それよりチャミエルを逃がして俺が囮になった方がいいのか?



「い、一瞬で潰されそうだけど」


「やだ☆せっかくのいい気分が台無し!プンプン!」


「ちゃ、チャミエル?」



あんなにヤバイ状態の大男を目の前にしても、チャミエルの様子は普段とたいして変わらない。


むしろ、自分からタミエル先輩の方へと向かって歩いていく。



「あ!ど、どこ行くのチャミエル!」


「すぐに終わるから、ちょっと待っててね☆」


「え?」



ニッコリ☆と、それはそれは可愛らしい笑顔をロードに向けると、チャミエルはタミエル先輩の側で立ち止まる。



「もう、チャーミーが好き過ぎて、こんなところまでついてきちゃったの?」


「あぁ!!麗しのチャーミー!!今俺が君を縛り上げてあげるからねっ!!」


「キャッ☆ありがと!でも・・・・・乙女の秘密をのぞいちゃう悪い子は、お・し・お・き、しないとね☆」


「へ?」



次の瞬間、チャミエルの華奢な足がタミエルの顎を勢いよく蹴り上げる。


そうだ!チャミエルは怪力で、蹴るパワーも尋常でなかったの忘れてた!



「うごっっ!!!!!あっ・・・・白」


「や〜ん☆す・け・べ!」


「ぐあっっ!!!!!」



しなっと愛らしいポーズを取りながら、すぐさま再び空高く飛び上がって蹴り上げた足を、今度はタミエル先輩の頭部へと一気に振り下ろす。



「か、かかと落としっ!?」


「悪い子のしつけは、コレでやったげるね☆」





ぴしいぃ!!!





「む、む、む、鞭〜〜〜っ!!??」



間違えない!どこに持っていたのか全く分からないが、あれは何度目を凝らして見ようと『鞭』以外の何物でもない。


しかも、やっぱりこれも『ど・ピンク』の鞭。



「えへっ☆これは、ちょっとだけ痛いよ〜〜!」





ぴしいぃ!!!パシイィィ!!




「ウギャァァ!!うがあぁぁっ!!」


「キャ〜☆いい声〜!なんだかチャーミー、楽しくなって来ちゃった〜〜!」


「・・・・・・・・・・」




うん。確かにロードの記憶の中でも見たことがないくらい、生き生きした笑顔だね。


なるほど、チャミエルは縛られ好きのSっ気女装美男子か。



いやコレ盛りすぎじゃねっ!!??



ラジエルもだけど、1人で何属性つける気ですかっ!!


あとメイン4人はいるんだよね?



これ、大丈夫?



絶対属性被りするから、欲張らない方が正解だと思います!


ってか、こんなに属性ばっかりつけられたらモブはどうしたらいいですか?


いやいや、生半可な個性じゃ太刀打ちできないって。




ぴしいぃ!!!


パシイィ!!!





「ひいぃぃっ!!!」


「キャハ☆いい感じ〜!」


「はぁ、はぁっ!もっと!もっと打ってください!女王様〜〜!!!」


「・・・・・・・・」




その後、しばらくそのあまりに濃い〜〜BL鑑賞は続き、ようやく終わる頃にはロードの意識は遠くへ飛び立っていた。


いや、決して苦手属性ではないはずなのに、なぜだろう?


とりあえず、チャミエルが制服を着たあとでの出来事で本当によかった。


もしあの縄で縛られた半裸状態からのSとMの劇場が始まってしまっていたら、自分の中のまだ開けてはいけない新しい扉がウェルカムオープンしてしまったかもしれない。



「ロード!!やっぱりここかっ!!おい、大丈夫か?真っ青じゃないかっ!」



そして、ようやく部活を早めに切り上げたラジエルが合流してきた。



「・・・・・ラジエル。うん、ちょっと目覚めたばかりの俺には刺激が強すぎて」


「刺激?何か変なものでも食べたのか?」



ロードは無言で首を横に振ると、そのままラジエルの肩辺りに向かって頭から倒れこむ。



「ろ、ロードッ!?」


「ごめん、ちょっとだけこうさせて」


「!!??」





少しでいいから、俺に癒しをください。





「あっれ〜?ラジエルだ〜☆」


「チャミエル!お前、ロードに何したんだ?!」


「ん〜〜?別に、いつものことだよ☆ねっ!ロード!」


「ロード、そうなのか?」




いつものこと。


うん。確かに、ロードの意識からは割とこれが日常に近いものだと分かる。


ただ、少し『わたし』にとってハードなことが一気に来ただけだ。




「・・・・・・・うん、いつものことかな」


「ほらね〜〜☆」


「なら、いいけど。あんまり無理するなよ?」


「!!??」




ポンポン!と、ラジエルの温かい手の平がロードの頭の上で軽く弾む。




出た!!


イケメンだけに許されし技、頭ポンポン!!



されるのも嬉しいし癒されるけど、どうせなら他の男子にやってるところを側で見たかったな。


そんでもって、ちゃっかりとラジエルの反対の手が俺の腰をしっかりがっちりとつかんで支えてるけど、もうそこにいちいち反応してる気力は今はない。


後で自分を別キャラに置きかえて萌えることにします。




「チャーミーも!!ポンポンッ☆」


「うぐっ・・・・・・・あ、ありがとう」




うん。今のはポンポン!じゃなくて、わりとガンガン!って感じかな。


記憶では確かこの2人が、ハニエルにとっての身近な友人であり攻略相手でもあるキャラクターだ。


この2人をメロメロにさせて平気な顔で居られるハニエル君、やっぱりさすが主人公だよ。


俺はたった1日2日なのに、色々な意味でもうかなりグッタリです。


とりあえず、本命であるハニエル君が転校してきた時に全力で心から萌えられるよう、攻略キャラクターのことはきちんと把握しておこうと思う。


じゃないと、後から色んな裏設定が出てきてうっかり受け攻めチェンジ!の可能性が大いにあるからね。







というわけで、明日からは生徒会の4人組について調査していく予定。



それに、確かまだ隠しも含めて攻略キャラクターがいたはずだから、明日からは情報収集に大忙しだ!


感じたままを色々詰め込んだらえらいことになりました。つまり、彼女?彼はいつも何かしらの縄で常に縛られてる状態で過ごしてるわけで。


他のキャラがどうなっていくのか、書いてる自分も楽しみでありちょっとドキドキしてます。


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