間章「〇〇〇-001FB」
〇〇〇-001FB
オブジェクトクラス:ケテル
本プロトコルを参照するに辺り以下の同意を実行して下さい。
1．全平行宇宙内部における全自己実体の即時終了の可能性を了承Y/N→Y．
2．特定のミーム汚染源による全記憶情報改竄後の不用意の抹消Y/N→Y．
3．本プロトコル閲覧後の個人の全情報、記憶、行動の完全記録Y/N→Y．
これらは全て当該宇宙内部において存在する全財団のリソースの0.0032％までを用いて実行される事をご了承下さい。
接続者のグリア細胞間に電磁摂取不能化処置を実行。
マーキング中……解析………Vanishing-Code-404の起動を確認。
クリアランス:カラレス照合終了。
お待たせ致しました。
プロトコルが開示されます。
特別収容プロトコル:Code-Diz
本収容プロトコルは収容不能である001FBを基底宇宙間時空における第14次元領域内において封鎖する宇宙収容プロトコルです。Code-Dizは宇宙の外からの干渉、超高位存在による封じ込めであり、財団の及ぶあらゆる技術、叡智に因る収容イベントに関連しません。凡そ一つの宇宙が含むあらゆる並行宇宙及び接続時間軸、接続座標軸内の宇宙において001FBは例外化しており、同001FBは基底宇宙間時空の特定時間軸の一個体に限定され、その宇宙内部にのみ拘束されています。
この収容プロトコルを受信したのは同基底宇宙間時空内における座標宇宙VE430RWの西暦2300年代の財団となります。宇宙の大規模構造解析を行うO5直轄の関連観測施設に暗号化された形でこれらの情報は送られて来ました。
例外化された001FBは上位存在の側からは収容可能範囲である事が推測されていますが、実際にはこの情報を認識する知的生命の存在する基底宇宙時空における隣接部には影響が確認されています。スケール的にはこのプロトコルそのものが宇宙を用いた檻と評するべきであり、メタ的に言えば、我々は危険なオブジェクトである001FBと共にCode-Dizによって内包された宇宙に囚われている為、オブジェクト・クラスは我々が収容していないという意味でケテルとなっています。
また、Code-Dizが今後、改訂されるのかどうかすら、これらの情報を受信し、互いに認識し合う座標宇宙間の財団には確認しようが無く。この収容プロトコルの詳細は主に001FBが現在の財団が有する叡智では収容しようが無く。我々より遥かに優れた存在達による封じ込めが行われている事を指し示す以上の情報を有しません。
ただし、Code-Dizに合わせて各座標宇宙間の財団が観測している影響を封じ込める為の方法が受信情報には記載されており、これによって本体の存在する時間軸内からの影響を遮断する事が可能となっています。
これらは偽装した〇〇〇-9932354の収容プロトコルとして対外的にはカバーストーリーを用いる事が決定されており、財団以外の他組織群からの隠蔽が行われています。以下はその際の財団アーカイヴからの抜粋となります。
干渉封鎖工程概略:Code-Diz-000
〇〇〇-9932354による干渉被害が出ている太陽系内のL5宙域において、星間スマートグリッド構想に偽装する形で財団が現有し、使用していない全現実錨をフラクタル構造状に配置する事で干渉被害を封鎖する現実改変領域を展開する事が可能です。現実錨の補修点検はL5宙域の開発を担当するコロニー開発企業連合の出先機関を母体とし、全現実錨を1月1回の補修点検で維持する事とします。〇〇〇-9932354による干渉の封じ込めが不可能になった場合、L5宙域において開発中のコロニーの全てがミーム汚染される可能性がある為、その場合は更に予備機として建造が行われている43機の現実錨を広域展開しての封じ込めが計画されています。
注意事項
カバーストーリーにおける〇〇〇-9932354は宇宙空間における極度の歪みが蓄積して、空間の崩壊と同時に重力震とそれに合わせてミーム汚染を引き起こす可能性がある領域として情報を処理されています。ですが、実際にはこのような事例は別の宙域で過去にも報告されており、その当時の現実錨の投入は凡そ3機に過ぎず。それも現在は収束しています。ですが、実際のCode-Dizが封鎖して尚、こちら側に漏れだす干渉はそれを遥かに上回る危険度を有しており、XKスケール・シナリオの一つとして厳重に情報規制が敷かれています。
説明
〇〇〇-001FBは―――アーカイヴへの接続に障害発っせ、せＳＥse是セあｓｄｋｌ；がじおｒｂないｒｇはｌｓｋｊｈ―――きょ、きょ、キャセシャドダウんんんｎ―――?．
